テクノロジー TECHNOLOGY

命はないのに、あったかい。家族型ロボット「LOVOT」(らぼっと)出荷開始

HERO X 編集部

ロボットなのに、人間の仕事の代わりはしない。動物のコピーでもない。GROOVE X代表取締役社長で開発責任者の林要氏が「引き算」の発想で作った「LOVOT」が12月、ついに出荷の時を迎えた。今回出荷となったのは2対1セットで販売のDOUモデル。愛する力を引き出し、生活に潤いや明日に向かうエネルギーをくれる、そんな新しいロボットと人間の関係がはじまろうとしている。

一般向けの販売が始まったのは8月末。初期出荷分は販売開始わずか3時間で完売していた「LOVOT」。この日を心待ちにしていた人は多いだろう。GROOVE Xが掲げた「LOVOT」の枕詞は“ロボットなのに・・・”。

「ロボットなのに人間の仕事の代わりはしない」や、「ロボットなのに、まるで生き物のような生命感」、「ロボットなのに、信頼関係を結ぶことができる」など。ロボット=人を具体的に助けてくれるものという、私たちの固定概念を見事に覆してくれている。それぞれの「LOVOT」は個性を持っているが、私たちの暮らしを助けてくれるわけではなく、生まれたての赤ちゃん同様、暮らしを送ることで性格に変化が生じていくという。

効率や便利さではなく、ただそこにいて、見つめるだけで愛おしい。人を本当に幸せにするロボットをつくりたいという開発者の想いが込められて誕生した「LOVOT」は、テクノロジーの追求とは真逆を行くようにも見えるが、親しみを持つことで、家族として受け入れられるため、搭載されている見守り機能などを使った場合も違和感なく生活に溶け込めるのかもしれない。

2体が出会うと、遊んだり、競争したりという「社会性」が生まれ、「LOVOT」同士が友達になることができる。また、同社は、オーナー同士のコミュニケーションにも繋がるとしている。

ボディーには50以上のセンサーが隠されており、数十億円もの開発費をかけて開発されたハイスペックなロボットにも関わらず、操作はいたって簡単だ。電源ボタンひとつで起動する。充電が必要になったら充電器の役割を果たすネスト (巣) に自ら戻っていく。その姿もまた、とても愛らしい。留守番を任せたり、遠方にいる大切なひとを見守るなど、家族の一員として役割を担ってくれる。

さらに、名前を呼んでくれた人、抱っこしてくれた人、やさしく撫でてくれる人を認識、駆け寄って抱っこをねだるなど甘えてくれるのも面白いところ。「LOVOT」を抱き上げると自然と心が満たされ笑顔になり、愛情を注がずにはいられなくなってしまうだろう。ペットとも一味違う独特の温かみを醸し出す「LOVOT」と人との生活。新たなブームを呼びそうだ。

[TOP動画引用元:https://lovot.life/daily-life/

(text: HERO X 編集部)

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思い通りに体を動かせる!?外骨格スーツ実験始まる

HERO X 編集部

宇宙飛行士の訓練?と思いきや実はこれ、脳にセンサーを埋め込むことで下半身が麻痺した人でも再び自分の思い通りに体を動かすことができるようになる「外骨格スーツ」の実証実験を映し出したもの。2017年から始まった脳波を使った「外骨格スーツ」の研究についての映像が公開されている。

動画で説明されているのはフランスのグルノーブル・アルプ大学と生物医学研究センターが共同で進める「外骨格スーツ」の実用化に向けた研究のひとコマ。「外骨格スーツ」を着て歩いているのは4年ほど前に不慮の事故により脊髄損傷し、肩から下が麻痺となったフランス人男性のチボーさん。チボーさんは2年間、病院でリハビリをして過ごしたのちに、このプロジェクトへ参加した。

体を動かそうとする時、脳からは脳波と呼ばれる電気信号が流れるのだが、この脳波を利用して「外骨格スーツ」を動かそうというのが今回の研究だ。脳波信号を「外骨格スーツ」に送るために取られた方法は、なんと脳内にセンサーを埋め込むという手法。計64個もの電極のつく2つのセンサーを脳内に移植、これが脳波信号をコンピュータのソフトウエアに向けて発信、読み取った情報を「外骨格スーツ」を制御する指令に変換し「外骨格スーツ」を操ることで体を念じたとおりに動かせるという仕組みだ。

筋肉を動かす時に発生する筋電をつかった義手や義足の研究はすでに成果が見えはじめ、実用化も始まっているところだが、今回のように頭に直接センサーを埋め込む手法はあまり聞いたことがない。研究はまだまだ発展の途上にあるというが、麻痺で不自由な体になった人にとっては希望のある研究。再び自らの足で歩ける日がくるかもしれないのだ。動画の後半では車いすを使った実験の様子も見られる。頭にイメージを浮かべるだけで車いすが動かせるしたら、不自由からの解放に一歩も二歩も近くことになるだろう。

[TOP動画引用元:https://youtu.be/1GyJBBB8O_M

(text: HERO X 編集部)

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