テクノロジー TECHNOLOGY

感染が怖くて受診を先送りにする人が続出。眼科領域にも現れたAI診断

HERO X 編集部

高齢化により、目の疾患を持つ患者が激増している。眼科の待合室は常に高齢者でいっぱいの状態だ。なかには緑内障や白内障の眼底検査のためだけに定期的に通院している人もいるだろう。そんななか、診断支援AIを使うことによってスピーディに眼底画像を診断できるシステムが登場した。「Deep eye vision」は、一般の眼科クリニックの負担を大幅に低減することができる。

AIの一次解析を大学眼科の
読影医がジャッジ
コスト&時間を大幅に削減

Deep Eye Vision株式会社が提供するソリューション「Deep eye vision」は、医療機関が診察時に撮影した眼底画像を、クラウドシステムにアップロードすることができるシステム。アップロードされた眼底画像は、まず診断支援AIにより一次解析が行われ、その結果をもとに提携している大学眼科所属の読影医が診断をくだし、結果を医療機関にフィードバックする。

眼科クリニックは読影医を抱える必要がなく、検査だけに時間をかける必要もなくなる。大幅なコスト削減と、時間の削減が期待され、そのぶん、クリニックの医師はより付加価値の高い医療行為に専念できる。現在、自治医科大学附属病院健診センターを始め、個人クリニックや、地域の健診センターなどですでに稼働している。

クラウド型AI診断支援ソリューション提供イメージ(引用:https://deepeyevision.com

AIによるディープラーニングを活用することで、医師の負担も減らせるとともに、患者の負担も軽減することができる。検査の長い待ち時間は高齢者でなくても苦痛が多い。最近では子どもの3歳時健診の受診率が減少しているが、背景には両親の共働きによる多忙さがあるといわれている。

また、ゲーム機やスマートフォンの使いすぎによりドライアイや眼精疲労が起こる「IT眼症」も、子どもに増えており、心配されているところだ。眼の病気の中には早めの受診が必須のものもあり、子どもの眼の状態には気をつけておきたい。AI診断が普及することで時間短縮ができれば、健診や検査の受診率も上がり、未病を発見できる可能性も高まるのではないだろうか。

AIによる解析支援と専門医の高いスキルを組み合わせた診断システムは、すでに様々な医療機関で普及し始めている。受診する人が増えれば、データが蓄積され、より解析の精度も上がっていくだろう。人生100年時代を支えるテクノロジーに期待したい。

(トップ画像:https://deepeyevision.com

(text: HERO X 編集部)

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テクノロジー TECHNOLOGY

盛り付けが得意な人型ロボット「Foodly」で、人とロボットの協働は次のステージへ!

HERO X 編集部

ある弁当工場の作業風景。ベルトコンベアから流れてくるおかずを、スタッフたちが手際良く盛り付けしていく。その様子をよく見ると、なんとスタッフの中にはロボットが…!? 株式会社アールティがプロトタイプを発表した「Foodly」は、弁当の盛り付け作業ができる人型ロボット。その最大の特徴は、人の隣で、人と同じように作業ができること。一生懸命おかずを盛り付ける姿は、最新技術が搭載されながらも、どこか親しみを感じる佇まいだ。

人とロボットが同じ空間で作業をする際、まずクリアにしておかなければならないのは、安全面の問題だ。ロボットとの接触によるケガなどは、起きないことが当たり前と言えるレベルで気を配る必要があるだろう。
また、ロボット特有の圧迫感の軽減も課題のひとつ。人とロボットが肩を並べて作業するのだから、共に働く人が圧迫感を感じることなく、ストレスフリーで作業ができることは、安全面に次ぐ重要な課題と言えそうだ。

「Foodly」は、「人との協働」を目的に開発された人型ロボット。注目したいのは、そのサイズ感。高さは130〜150センチで、人と作業をする際も周囲に圧迫感を与えないように設計されている。
また、「Foodly」の作業速度は、1時間に約600食。これは人とほぼ同じ速さだ。働く人に恐怖や危険を与えないよう、あえて人の作業速度に合わせて設定したという。このほか、ぶつかった際の衝撃緩和のために各モーター部にハイブリッド制御が導入されていたり、腕部の可動域に人の手や指が挟まりづらいつくりになっているなど、共に働く人のことを考えた工夫が随所にみられる。コンパクトなサイズ感やロボットらしい動きも相まって、どこか親しみやすさを感じる佇まいの「Foodly」。スタッフ用の作業着を装着させれば、健気に働く姿に思わずホッコリしてしまいそうだ。その一方で、実は食品業界では初となる画期的な最新技術が搭載されている。

一般的に、弁当の盛り付け作業は自動化が難しいと言われている。弁当のおかずは、一つひとつの形状がバラバラであり、ロボットが認識しづらいためだ。これに対し「Foodly」は、ディープラーニング(深層学習)により食材を見分ける「目」を搭載。食品コンテナに山積みとなった食材が小さな個体の集合体であることを認識し、食材の山からその1つを取り出して弁当へ盛り付けることができる。お弁当の定番・から揚げなどの盛り付けも、お手のものだ。
さらに、キャスター付きで移動も楽々。必要に応じて別の製造レーンに移動させることができるほか、欠員が出た場合の急な補充要員としても、臨機応変に対応することができる。なお、柔らかいものやソースが多いものを掴むのは、まだ苦手。掴める食材のレパートリーをさらに増やせるよう、改良が進められている。

「人とロボットの協働」で大切なのは、高速かつ万能な処理能力ではなく、人と歩調を合わせること。「Foodly」が、人とロボットが当たり前のように肩を並べて働く社会を、より身近なものにしてくれそうだ。

 [TOP動画引用元:https://youtu.be/KiT_DrDjdDE ]

(text: HERO X 編集部)

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