福祉 WELFARE

手が使えなくても着られる画期的なボタンシャツ「ONESELF」

HERO X 編集部

おしゃれに幅をもたせてくれるボタンシャツ。しかし、腕や手が使えない人にとってこのアイテムは敷居が高い。なぜならば、小さなボタンをボタンホールに入れるというとても細かい動作が必要となるからだ。かくして、腕や手の使えない人のファッションスタイルは、もっぱらズボッと被るタイプの服装になりがちなのだ。デザインの最たるものとも言えるファッションにダイバーシティがなくてどうする? そんな思いがこみ上げてくる。そんな悩みをスカッと解消してくれるようなアイテムが登場した。半身麻痺でも着られるボタンシャツの「ONESELF」。ちょっとした工夫により片手で簡単に着られるボタンシャツを実現している。

そのちょっとした工夫とは、マジックテープ。ボタンをあくまでもデザインとして配置、ボタンの裏の生地とつける側にマジックテープを施すことで、衣を合わせて抑えるだけで着ることができる服に仕立てた。また、袖が通しやすいようにとアームホールにはパイピングテープをつけ、目印代わりにしている。健常者でも時々イラッとくる袖口のボタンもマジックテープでとめられるようになっており、ズボラな人にも役立ちそうだ。

開発、販売を手がけているのは広島県に本社を置くマルカワ株式会社。同社は子供服を中心に製造・販売していた会社だが、その後、業態をOEMに変更し、現在はパターン製作からの受注を行なっている会社だ。福祉系のプロダクトの開発には往々にして欲する「人」がベースにあるが、「ONE SELF」の場合も同じらしい。脳卒中により若くして片側麻痺になった友人からの「一人で簡単に着ることができるYシャツが欲しい」という依頼から開発がはじまり、2018年に販売を開始した。

現役で働く世代にとって、ジャケットとワイシャツは毎日を装う制服に近いもの。モチベーションをも上げてくれるボーダレスファッションという視点がこれから広がりそうだ。

[画像引用元:http://www.maruka-co.jp/oneself/

(text: HERO X 編集部)

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ユニバーサル化が進む京王プラザホテルが、さらにパワーアップ!

HERO X 編集部

7000人の車いすユーザーが行き交うとの予測もある東京2020。海外からのパラリンピック参加者をはじめ、障がい者を悩ませているのが宿泊施設の問題だ。都内ではバリアフリー化の進む宿泊施設は少ない。そんな中、1988年から客室のバリアフリー化に取り組んできた京王プラザホテルがこの冬、さらにパワーアップ、9月1日からはいよいよ、この新しいバリアフリー客室の宿泊予約がはじまる。

大規模リニューアル

新ユニバーサルルーム(35.5㎡)

東京都新宿区、都庁からもほど近い都心部に立地する京王プラザホテルでは、到着から出発まで、車いすユーザーが快適に過ごせる工夫を随所に施してきた。車いす利用者専用の駐車場は2台分を用意。段差なく入れるバリアフリーの正面玄関をはじめ、宴会玄関、本館2階の出入り口などにはスロープを設け、入り口からユーザーへの優しさが伺えた。客室内の快適さも障がい者の間で話題となっていた京王プラザホテルだが、この夏からはさらなるバージョンアップを目指し、ユニバーサル客室の大規模なリニューアルをおこなっている。

新ユニバーサルルーム(67.4㎡)

改装するのは本館30階にある客室。同階にあった35.5㎡の広さの10室のユニバーサルルームをリニューアルするほか、より広さを持たせた47.0 ㎡の客室2 室と67.4 ㎡の客室 1 室をユニバーサルルームとして新設する。一般客室も4室をリニューアル、総改修費は4億円となる見込みで、大規模な改装が予想される。

使いやすさはそのままにホテルらしいサービスを提供

新ユニバーサルルーム(35.5㎡)

電気のスイッチ位置をはじめ、着脱可能なトイレ用手すり、電動ベッドなど使い勝手にこだわった作りで好評を得てきた室内。これらの使い勝手の良さはそのままに、顧客の状態に合わせてよりカスタマイズ可能な部屋に仕上げると言う。全ての調度品を新設、アップデートするほか、視力の低下している人向けに照明計画を作成、聴覚に障がいのある人に対しても配慮できる部屋になる予定だ。宿泊は12月15日から。予約、 問合せは(03)5322-8000へ。

https://www.keioplaza.co.jp/stay/room/universal

(text: HERO X 編集部)

(photo: 京王プラザホテル)

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