コラボ COLLABORATION

世界最高峰のデザインアワードで最高評価を獲得!チームRDS受賞の裏側に迫る!【HERO X RADIO vol.28】

HERO X 編集部

ウェブマガジンの枠を超え、リアルに会い、リアルに繋がり、リアルに広がるしかけを作り出すメディア「HERO X」のラジオ番組『HERO X RADIO』。前回第27回のアーカイブ動画を公開、また次回第28回の収録は5月22日(金)となっている。

プロダクトを通して生み出される
選択肢豊かな未来とは?

リアルと繋がる場としてスタートしたラジオ番組『HERO X RADIO』は、Shibuya Cross-FM(http://shibuyacrossfm.jp/)にて、毎週第2・第4金曜 13:00-13:50 にオンエア中。渋谷のシダックススタジオから生放送でお届け、ネットからのリアルタイム視聴もできる。

久しぶりの収録となる次回第28回は、歓喜に満ちた回となりそうだ。HERO X編集長・杉原率いる株式会社RDSが制作したプロダクトが、毎年イタリアで開催される世界最高峰の国際デザインコンペティション「Aʼ Design Award & Competition 2020」において入賞を果たしたのだ。それも『RDS WF01』『RDS WF01TR』『RDS SS01』とエントリーした全プロダクトが入賞、なかでも『RDS WF01』はカテゴリー最優秀賞となるプラチナを獲得。編集長・杉原行里とプロデューサー・佐藤勇介が、プロダクトから社会に落とし込まれ、実現していくべきボーダレスな未来について、受賞に関するエピソードとともに語り尽くす。

前回ゲスト亀山淳史郎さんと語る、
日常と非日常を繋げる防災とは?

前回ゲストはあのダイアモンドプリンセス号への物資提供でも話題となった「BOSAI POINT」の仕掛け人、亀山淳史郎さん。

また、本日公開となった前回放送分を含め、これまでの放送はこちらで視聴できる。

亀山淳史郎 (かめやま じゅんしろう)

BOSAI POINT Producer/事務局 1981年生まれ東京都出身 余ったポイントで未来の災害に備えるドネーションシステム 「BOSAI POINT」を2019年8月に立ち上げる。 2018年9月6日の北海道胆振東部地震から1年が経過した北海道からサービスを開始。 2019年台風15号・19号の被災地への支援、 2020年新型コロナウィルスの感染被害があったダイヤモンド・プリンセス号への物資提供など、様々な災害への支援活動を実施。 現在、全国サービス化に向けた準備を進めている。 BOSAI POINTは2020年、第6回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)優秀賞を受賞。
世界が大変な最中、非常にタイムリーなゲストを迎えた。杉原と佐藤は、亀山さんに何度かラジオ出演オファーをしていたこともあり、念願かなった今回は聴きたいことがたくさんあるようだ。特に気になっていたのが亀山さんが立ち上げた、未来の災害に備えた寄付ができる「BOUSAI POINT」について。杉原と佐藤はプロジェクトの詳細を聞き、「面白い!」と絶賛した。ヒントを得たというアメリカの保険会社の話から、次第に「本当に寄付は日本に根付いていない文化なのか?」という議論に。

後半では、今この世界の状況をどう見ているかという話に。亀山さんは、災害の種類が非常に多いことを改めて知り「柔軟に対応していかないと」と意気込んだ。佐藤は自分で備える大切さを痛感し、杉原はこういう時に人がどう行動するかを見ているという。今後の「BOUSAI POINT」のサービス展開を考えるシーンでは、3人の異なった視点がよい掛け算を生み出し、次々にいいアイディアが生まれていった。「自分のことだけでなく人のことを考えていける世の中に。こんな時だからこそ、できることをやろう。」と3人は鼓舞し合った。

準備してきたものが延期になり、空白になってしまいそうな今年の夏だが前向きに行動する心の準備はできているようだ。防災に対しての意識、アフターコロナへの意識が変わる聞きがいのある放送となった。

(text: HERO X 編集部)

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フィーリングとデータは、分かり合えるのか?伊藤智也×RDS社【究極のレースマシン開発】Vol.4

岸 由利子 | Yuriko Kishi

車いす陸上スプリンターの伊藤智也選手とタッグを組み、エクストリーム・スポーツのプロダクト開発に精通したエンジニアやデザイナーらと共に、「チーム伊藤」を結成したRDS社。今秋より、同社がスタートした伊藤選手のオーダーメード・マシン開発の軌跡を追う本連載も、今回ではや4回目。パラリンピックの北京大会で金メダル獲得、ロンドン大会で銀メダル獲得という栄光の記録を新たに塗り替えるべく、伊藤選手の復帰の舞台となる「東京2020」に向けて加速するマシン開発の裏側を紹介する。

“感覚の数値化”から生まれた、
試作の数々

前回のミーティングでは、伊藤選手の既存のマシンを基に、“しなり”を含むマシンの動きや、走行中の伊藤選手のフォーム、力の分散バランスなどの力学的なデータを、3Dスキャナーやモーションキャプチャ、フォースプレートなどの機器を使って計測した。それから1ヶ月、RDS社の先行開発部は、それらのモーションデータを元に、「感覚を数値化」するべく、多角的な解析作業を行い、3パターンのハンドリム(駆動輪)と、2種類のグローブの試作を開発した。

ハンドリムとグローブは、いわば、車いす陸上用マシンの要。グローブでハンドリムを力強く“蹴る”ことで、マシンは走行し、加速していく。第3回目となる研究開発ミーティングでは、グローブがハンドリムに接地する角度や位置、接地面積など、緻密な調整を凝らした試作の実装実験が行われた。

感覚の数値化を伊藤選手や開発チームのメンバーと共有するために、RDS社先行開発部の岡部卓磨氏から、データ解析とハンドリムの試作の経緯についての説明が行われた。

「先月のテストで得られたデータをCAD上に落とし込み、二次元で可視化していきました。グローブがハンドリムに接触を開始する時と、リリースする手前とで、伊藤選手の親指の角度に変位が見られたので、ハンドリムの断面形状をその2箇所と中間点から抽出し、パターン1~3の試作開発に活かしてみました」

ハンドリムの試作は、中央が山なりになったもの、内側、あるいは外側にやや傾斜したもの、と異なる形状に仕上がっている。実装実験では、これらの違いと、グローブとの関係性が、駆動力にどのような変化を与えるのかを検証していく。

20年のアスリート人生の結晶と、
最先端テクノロジーの確かな融合

試作の一つを試すと、「このグローブ、相当エエんとちゃうかな。(ハンドリムに当てながら)、キャッチングの良さが全然違う」と伊藤選手。これまで伊藤選手は、自作のプラスチック樹脂製のグローブを使っていた。使えば使うほど、傷みも生じる消耗品ゆえ、新しいグローブが必要となれば、その都度、高温の樹脂を手にかけて型をとるという荒削りな方法で作ってきた。だが、自分の体のことを誰よりもよく知っている本人が作ったものだけに、グリップ部分は、吸い付くように伊藤選手の手によく馴染んでいる。開発チームは、この形状を活かそうと、既存のグローブを3Dスキャンにかけ、「親指を入れるパーツの上部面を5度上げたい」という伊藤選手からの要望を取り入れた試作を開発した。

手前がハネナイト。奥がハーネス。

さらに、ゴム素材にもこだわった。耐久性に優れ、かつ馴染みの良いゴムとして、伊藤選手が愛用してきたハーネス(Harness)の間に、衝撃吸収性の高い“ハネナイト”という名のゴムをクッションとして挟んだ。ハーネスのゴムシートの上で、ソケットレンチを垂直に落とすと、ポーンと軽く跳ね上がる一方、「ドスッ!」と音を立てて沈むほど、ハネナイトには、強力な衝撃吸収力がある。

「エキスパートとのマシンの開発って、本当に面白いですね。このグローブ一つにしても、僕の20余年の結晶と今の最先端テクノロジーが確実に融合しているので。本当に、ジャストフィットです」と満足げな様子の伊藤選手。

「フィーリングは、
めちゃくちゃエエ感じ」

「僕たちのミッションは、伊藤選手のこぎ方に合ったものを極限まで最適化していくことです。なので、伊藤選手、いつも通りにこいでください。それでは、始めましょう」と話すのは、開発の指揮を執る同社クリエイティブ・ディレクターで、HERO X編集長を務める杉原行里(すぎはら・あんり)

今回も、伊藤選手の感覚を数値化するために、モーションキャプチャでデータを計測しながら、実装実験は進められた。

「(こいでいる時の)フィーリングは、めちゃくちゃエエ感じです。“入り”と“抜け”の感覚が異常に良い。ただ、右が滑ります。左はそんなに滑ってないかな。おそらく材質の問題だと思います。それ以外は、めちゃくちゃこぎやすいです」

伊藤選手の言う入りとは、グローブがハンドリムに接触し始める時で、抜けとは、グローブをハンドリムからリリースする時のこと。インターバルを挟みながら、繰り返しこいでみたが、やはり滑るようだ。

「ペーパーで削って、バーナーで炙ると良くなるかもしれません」と、ハンドリムを自ら調整し始めた伊藤選手。今回の試作に使われているのは、自転車タイヤのゴム。炙ると、新しいゴム特有のぬめっと滑る感触は改善された。

その後も、実装実験は続けられた。グローブには、親指を入れる面と、人差し指と中指を入れる面の二つがあるが、後者でハンドリムを回そうとすると、滑ってしまい、全力でこぐことができないという状況が続いた。ハンドリムに使用したゴム素材とグローブ形状の相性が思わしくなかったことが原因である。

スローモーションの映像で、ハンドリムとグローブの接地具合を確認中の岡部氏(左)。

「断面が山型になっているパターン1のハンドリムに関しては、グローブインパクト時(グローブがハンドリムに接触する瞬間)、スムーズにこぐ動作へ移行できるという良いフィーリングを伊藤選手に感じてもらうことができました。ハンドリムという回転するパーツをさらに加速回転させるためには、いかに抵抗なく、減速させずに力を入れていくか。これが、キモになってきます。本来の目標であるハンドリムの駆動力向上データの取得は叶いませんでしたが、その一方、新たな試作を作る上で大切な要素の確証を得られたことは、大きな収穫です」と先行開発部の岡部氏は、実装実験の結果について話す。

この日、テスト終了後に行った3Dスキャンデータを基に、開発チームは、パターン1のハンドリムの本仕様の設計と、グローブに使うゴムを含める素材について再検討を進めている。果たして、心置きなく全力疾走できるマシンが、次回はお目見えするか?引き続き、「伊藤モデル」の開発過程を追っていく。

vol.1  獲るぞ金メダル!東京2020で戦うための究極のマシン開発に密着

vol.2  選手と開発者をつなぐ“感覚の数値化”

vol.3  100分の1秒を左右する“陸上選手のためのグローブ”とは?

伊藤智也(Tomoya ITO)
1963年、三重県鈴鹿市生まれ。若干19歳で、人材派遣会社を設立。従業員200名を抱える経営者として活躍していたが、1998年に多発性硬化症を発症。翌年より、車いす陸上競技をはじめ、2005年プロの車いすランナーに転向。北京パラリンピックで金メダル、ロンドンパラリンピックで銀メダルを獲得し、車いす陸上選手として、不動の地位を確立。ロンドンパラリンピックで引退を表明するも、2017年8月、スポーツメディア「HERO X」上で、東京2020で復帰することを初めて発表した。

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

(photo: 増元幸司)

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