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「誰もが乗りたくなる、乗れる」を実現!車いすにもジョインできる電動バイクとは

HERO X 編集部

イタリアで開催される世界最高峰のデザインコンペティション「A’ Design Award & Competition 2020-2021」の受賞プロダクトが発表になった。株式会社RDSがエントリーした3つのプロダクト全てがゴールドを初めとする各賞への入賞を果たした。 この特集では、受賞プロダクトを一つずつ紹介していく。

シルバー受賞の
『Wusa Electric Personal Mobility』は
こんな乗り物だった!
ボーダレスを実現した新たなモビリティ

一見、ただのミニ電動バイクに見える『Wusa Electric Personal Mobility(ウサ・エレクトリック・パーソナル・モビリティ)』だが、実は車いすと組み合わせることで電動車いすのパワーユニットになるという優れもの。もちろん、単体で電動バイクとしても使える。誰もが楽しく乗りこなせる、そんなコンセプトを元にRDSが開発した。

移動の概念を変える『Wusa Electric Personal Mobility』は、バイクなのか、車いすなのか。最大の特徴は、“ボーダレスな乗り物”ということだろう。誰もが「乗ってみたい」と思える高いデザイン性と、車いすユーザーも楽しめるという機能性を兼ね備えた乗り物という点が、今回のコンペティションでも評価の一つに繋がった。車いすユーザー用のプロダクトというと、とかく介助用品や福祉機器といった枠組みにとらわれがちなのだが、『Wusa Electric Personal Mobility』はそんな既成概念を取っ払い、交通インフラに溶け込む多様性をもったパーソナルモビリティを目指して開発を進めてきた。

高齢者や身体に障がいを持つ人にとって、外出の壁となるのが、移動の問題。特に日本国内においては、地方の過疎化とともに高齢化が一段と進み、移動の問題を抱えたまま取り残されてしまう人々の孤立が、大きな課題となっている。近年では高齢者の車による交通事故が増えており、免許を自主的に返納する高齢ドライバーも多い。一方で、多くの人が生活のライフラインとして用いる路線バスなどの公共機関は、採算が合わず廃止されることも増えている。新たな交通インフラの整備が急がれているが、地域によって状況が大きく異なり、これからも人口減少が進む日本で、バスのような大きすぎる輸送手段はもはや不要なのかもしれない。
こうした社会課題に対し、パーソナルモビリティがひとつの解決手段になると考え、開発されたこのプロダクト。生活圏である町中での近距離移動を想定した小型で軽量のデザインは、保管や自動車での運搬も容易だ。

『Wusa Electric Personal Mobility』が普及すると、加齢や身体的なハンディキャップで歩行が難しい人も、もっと気軽に移動できるようになる。その結果、高齢者や障がいを持つ人々の社会参加の可能性が広がり、孤立しないですむ社会が実現するだろう。これまで諦めていた気晴らしの散歩や、ちょっとした買い物などができるようになれば、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させることにもつながる。新しい未来を予感させてくれる乗り物の誕生は、われわれのいつか行く道を明るく照らしてくれる存在となりそうだ。

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(text: HERO X 編集部)

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ギリシャの建築家が生んだ、4WDハイブリッド車いす

岸 由利子 | Yuriko Kishi

世界には、約6500万人の車いす利用者がいると言われている。“車いす”という名の通り、座った状態で乗るモビリティではあるが、実際、利用者に聞くと、例えば、流し台の上の棚にあるモノを取りたい時、目線を合わせて家族と話したい時など、座ったままの姿勢では、日常生活のちょっとしたことに困難が生じる場面は多々あるという。「ラッドローラー」は、そんな悩みを解消するべく、レバー操作一つで、座位からスムーズに直立姿勢になれる画期的な車いすだ。

引用元:Digital Trends

従来の車いすが二輪であるところ、ラッドローラーは、ユニークな形状の後輪を含む四輪駆動。レバー操作による車輪の動きだけで、利用者の姿勢を座位から立位へと自在に変えることができる。過去にも、“立てる車いす”は存在したが、重量が重く、スピードも遅いという問題があった。ラッドローラーは、その点も十分に考慮した上で設計されており、姿勢の変更速度も、極めてスムーズ。体を起こした立位のまま、移動もできる。

車いす利用者の移動に最も支障をきたすのは、高めの段差や、溝などのあるデコボコ道。ラッドローラーは、それらにも対応できるよう、強靭に設計されているので、安心して街に出ていくことができるし、行動範囲も、格段に広がるだろう。さらに、シンプルな組み立て式の仕様なので、車のトランクに積んでもかさばらず、コンパクトに持ち運べる。

引用元:Digital Trends

ラッドローラーの開発を手掛けたのは、ギリシャの建築家、ディミトリオス・ペトロトス氏。ある車いす利用者の自宅のリフォームを手掛けたことがきっかけとなり、「もっと自由に姿勢を変えられる車いすを作ることはできないか」と、開発に乗り出したそうだ。

2016年10月にスイス・チューリッヒで初開催された「サイバスロン」では、車いすフェンシングのカリオピ・ロゥファキ選手が、ラッドローラーの初期モデルを乗りこなし、大きな話題を呼んだ。

現在、ペトロトス氏率いる開発チームは、2020年5月に再びチューリッヒで開催されるサイバスロン大会に向けて、キックスターターでクラウドファンディングを行うなど、勢力的に活動している。その先に見据えるのは、ラッドローラーを量産体制にのせること。理由はただ一つ、「もしかすると、何万人もの人々の生活を変えることができるかもしれないから」。

車いすで行きたい場所に、行きたい時に自由に行ける。より多くの人がそれを叶えられた時こそ、本当の意味でバリアフリー社会が実現したといえるのではないだろうか。

[TOP動画引用元]https://youtu.be/TXFFjAgeSU8

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

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