医療 MEDICAL

妊活にテクノロジーで光!ウェアラブル計測器「Ava」

HERO X 編集部

国立社会保障・人口問題研究所が調査した結果によれば、国内のカップルのうち3組に1組のカップルが子どもをなかなか授からないという「不妊」で悩んでいると言われている。また、婦人科系疾患で悩む女性も増えており、妊娠するために努力する “妊活” という言葉も普及。妊活をはじめ、女性の体調管理に重要な役割を果たすのが体温の変化。寝ている間に装着するだけでこれらのデータを測定してくれるアイテムが開発された。

女性の健康管理に欠かせないと言われる基礎体温の計測。しかし、毎日同じ時間、しかも寝起きでまだ体を動かしていない状態で測るのが良いとされるため、続けるには努力を要する。計測した体温を記録に残していくのも面倒なのだが、努力なくしてこれらを可能にしてくれるウェアラブル計測機の人気が高まっているという。アメリカやスイスに会社を置くAva Scienceが開発した「Ava(エイバ)」。シリコン製のブレスレットにはセンサーがついており、体温、脈拍、呼吸数、心拍変動、組織の毛細血管系の血流や睡眠リズムをはじめ、水分や汗の状態、熱放出量、睡眠時間や睡眠の質にいたるまで、さまざまなデータを測定してくれる。計測されたデータがスマホに転送されるため、記録も自動で残すことができる。

同社によれば、月経周期が24日〜35日と安定している人ならば、妊娠可能期間についてかなり信頼できるデータが取れるという。妊娠可能な日数は通常、1周期に6日程度とされているが、従来より用いられている排卵日検査薬ではそのうち2日間ほどしか検知できない。しかし、スイスのチューリッヒ大学病院で行った同社の1年間にわたる臨床検査では、1周期中の妊娠可能日を平均5.3日検出することができた。正解率は89%。現在普及している排卵日検査薬よりもチャンス日を多く検出することができる。

排卵日検査薬は、尿に含まれる黄体ホルモン(LH)の量を測定することで排卵日を予測するもの。妊娠可能期間の後半1日から2日を検知できるとされている。しかし、検査するためには検査するタイミングを読み違えると正確なデータが得られないなど、検査するにも日々の検温など努力が必要だった。毎日寝る時に腕につけるだけでよい「Ava」は、手軽さの点でも勝る。また、これらのデータが役立つのは妊活だけではないだろう。妊娠中の体調管理をはじめ、生理前後におこる不調PMSを持つ人にとっては体調変化の兆しの予測にも役立ちそうだ。年齢とともに変化する女性の体。無理せずにできる健康管理デバイスとして、「Ava」は世界中の注目を集めている。

[TOP動画引用元:https://www.avawomen.com/ja/

(text: HERO X 編集部)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

RECOMMEND あなたへのおすすめ

医療 MEDICAL

移乗の負担を軽減する、「変身系」車いすにクローズアップ

Yuka Shingai

驚くほど軽量でコンパクトなものから、悪路も難なく突き進めるパワフルなものまで、車いすの進化は止まらない。技術の進歩は勢いを増すばかりだが、今回は、車いすユーザーにも、車いすを操作する人にとってもメリットをもたらす「形を変えられる」タイプの車いすにクローズアップしてみよう。

ベッドの半分が車いすに!介護の現場で絶賛される
パナソニック エイジフリーの「リショーネPlus」

【元記事URL】:http://hero-x.jp/article/6219/

介護される人をベッドから車いすに、車いすからベッドに移す “移乗” は介護スタッフにとって、身体的にも心理的にも大きな負担となる作業。

パナソニック エイジフリー株式会社の『リショーネPlus』は電動ケアベッドの半分が車いすとなっており、従来の抱き上げを不要とすることに成功した。「離床アシストロボット」と銘打っているものの、見た目はロボットのイメージとかけ離れていることから、要介護者は安心感を得られ、ケアスタッフも抵抗感なしに使うことができるのだという。

車いすの配置が左右どちらでも選べるようになっていたり、マットレスの寝心地のよさにこだわっていたり、パナソニックが大事にしている「高機能と使いやすさ」と随所に感じさせるプロダクトだ。

担架にも車いすにも変幻自在!
医療現場を救うオランダ発『The Multi Scoop Pro』

【元記事URL】:http://hero-x.jp/movie/7482/

手動の担架を60kg以上もある電動タイプの担架に置き換え、さらに別途用意してある担架でかつぎ上げるという救急車内の煩雑な処置を簡易化するべく生み出された『The Multi Scoop Pro』は、特許取得済みのメカニズムにより、数秒で担架から車いすに変えることができる。救急隊員は車いすモードで装備をゴロゴロ押すこともできるし、必要に応じて担架にすることもでき、救急車内の省スペースにも一役買ってくれる。

ローンチの正式なタイミングや、価格などの情報はまだ明らかになっていないが、続報を楽しみに待ちたい。

形が変わることで、乗る人も操作する人もQOLが向上する車いす。まだまだ変身の余地がありそうだ。

(text: Yuka Shingai)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

PICK UP 注目記事

CATEGORY カテゴリー