医療 MEDICAL

呼吸をリアルタイムにモニタリング。充電も、取り外しも不要なヘルスタグ「Spire」

Yuka Shingai

ヨガや瞑想で深い呼吸を行うとリラックスするとともに、普段自分の呼吸がいかに浅いか気づくことがある。深呼吸には体内へたくさんの酸素を送りこむことで基礎代謝のアップや心身のバランスを整える効果があるとも言われているが、忙しい現代人はほとんどの人が浅い呼吸で過ごしているように思う。「息を吸うように」と表現される通り、当たり前に、無意識で行う動作だけに、自覚的に意識を向けることが難しい “呼吸” にフォーカスした製品を今回ご紹介したい。

サンフランシスコのベンチャー企業 Spire Health社が開発した「Spire Stone」と「Spire health tag」はズボンや下着につけて、呼吸数をモニタリングするヘルスタグ。スマートフォンのアプリと連携すると、呼吸の波形が確認できる。

呼吸状態は Calm(穏やか)、Focus(集中)、Tense(緊張)の3種類に分かれ、緊張状態になると画面が赤く変わり、長時間続くと振動してリラックスするよう呼びかける仕組みになっている。

この呼吸の分析結果を1日や1週間単位で表示したり、地図と連携することで場所と緊張状態の相関を示すこともできるし、落ち着くため・緊張を和らげるため・瞑想に至るまでなど専門家によるアドバイスを受けられる音声ガイドも搭載されている。

2018年に発売された最新モデルの「Spire health tag」は充電不要で約1.5年間使用が可能。さらに衣服と一緒に洗濯しても大丈夫という驚くべきスペックを備えている。

よくあるスマートウォッチやウェアラブル端末のように、単一のタグを使いまわすのではなく、複数の衣服につけてられるように、3個パック、6個パック、8個パックなど複数個を1セットにした販売方法も非常にユニーク。

Spireの公式ウェブサイトほか、Apple StoreやAmazonなどにも販売ルートを設けている。

ウェアラブルデバイスを日常的に使う習慣が後押しされそうだ。

(text: Yuka Shingai)

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医療 MEDICAL

銃で撃たれて半身麻痺に。車いすの新大統領レニン・モレノが掲げる政策とは

岸 由利子 | Yuriko Kishi

2017年5月24日、南米エクアドルの大統領に就任したレニン・モレノ氏(写真中央)。選管発表によると、開票率99.89%の時点で、右派野党クレオ党、元国内大手銀行頭取のギジェルモ・ラソ氏の48.86%に対し、モレノ氏の得票率は51.14%。微かな差で抑えて、みごと当選。ツイッターの投稿で、「投票してくれた人、そうでない人、全ての国民に感謝する」と友好的な対話姿勢を見せるなど、世界的に話題を呼んでいる新大統領です。

2006年の選挙で副大統領に当選して以来、車いすで政治活動を行う政治家として注目を浴びてきたモレノ氏は、当時、エクアドル政府が関心を寄せてこなかった障がい者の雇用拡大など、彼らの権利を守りながら支援に尽力してきた人。

モレノ氏自身も1998年45歳の時、両足の自由をなくし、車いす生活を余儀なくされました。妻とパン屋に寄った帰り道、強盗に至近距離で背中を撃たれて脊椎を損傷し、その後遺症で両足麻痺が残ったのです。約4年に及ぶ闘病中、「死にたい」と思ったこともあったと言います。しかし、見舞いに訪れる人が飛ばす冗談につられて笑うと、傷の痛みも和らいだーこのことが、絶望を乗り越えるひとつのきっかけになり、その後、著作や講演を通して、自らの克服体験を社会に広めていきました。

「体や心が病んだ時、最良の薬はユーモアだ」

「もう一度生き直そう。病むのではなく笑おう」

リアルな体験から生まれたモレノ氏の名言は、どれもシンプルで力強く、勇気が湧いてくるものばかり。

1950年代、教員だった両親の赴任に伴い、ペルーの国境に接するオレリャーナ県に移住。モレノ氏は、貧困にあえぐ先住民に決して多くはない自分たちの給料を惜しみなく分け与える父母から、「助け合いの精神」を学んだと話しています。

公約には、貧困層への無償住宅の建設や高齢者向けの年金創設など、コレア政権の継承を宣言。自身のことを「対話と合意の人」と述べ、秀逸なウィットに富んだ人柄が、国民に絶大な人気を得ています。

「(大統領として)最も忘れられている人たちのために働く」と語るモレノ氏。

彼こそが、世界のリーダーのあり方を大きく変えてしまうかもしれません。

[引用元]http://www.reuters.com

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

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