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優れた走破性でどこにでも出かけられる!ヤマハの低速モビリティ「YNF-01」

Yuka Shingai

自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、近年注目を集めている低速モビリティ。渋滞緩和や省スペースが求められている都市部から、バスや鉄道などの公共交通機関が少なく、高齢者向けの手軽な移動手段を必要とする地方まで、幅広いニーズに対応可能な乗り物として、国土交通省からも猛プッシュを受ける存在だ。各自動車メーカーが、こぞってこのジャンルに取り組んでいるが、去る10月に開催された「第45回 国際福祉機器展 H.C.R.2018」にてヤマハ発動機株式会社が出展した「YNF-01」は、見た目からしてインパクト大だ。

これまでもROV (Recreational Off highway Vehicle)とも呼ばれるオフロード車両やATV(四輪バギー)などで、技術やノウハウを蓄積してきたヤマハ発動機株式会社。「YNF-01」はコンパクトながらも大径タイヤと衝撃を吸収する4輪独立サスペンションが不安定な路面での走行も自由自在にしてくれる。乗る人をしなやかに包むフレーム設計は「ホールド感」と「開放感」が同時に実現、凸凹や段差などを越える時にも態勢を崩しにくい丈夫な設計は運転する際の安心感にも繋がる。

シルバー×バーミリオン、ダークブルー×マットシルバーのカラーリングやマテリアルはオフロード車らしいハードかつスタイリッシュな雰囲気を醸し出し、乗る人の冒険心に火をつけてくれそうだ。

個人での利用にとどまらず、今後は企業・団体・自治体とコラボレーションして商業施設やテーマパークのバリアフリー化や新しい観光スタイルを模索していく予定。誰でもアクティブに動き回れるワンマイルモビリティとしての可能性は無限に広がっている。

(text: Yuka Shingai)

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ギリシャの建築家が生んだ、4WDハイブリッド車いす

岸 由利子 | Yuriko Kishi

世界には、約6500万人の車いす利用者がいると言われている。“車いす”という名の通り、座った状態で乗るモビリティではあるが、実際、利用者に聞くと、例えば、流し台の上の棚にあるモノを取りたい時、目線を合わせて家族と話したい時など、座ったままの姿勢では、日常生活のちょっとしたことに困難が生じる場面は多々あるという。「ラッドローラー」は、そんな悩みを解消するべく、レバー操作一つで、座位からスムーズに直立姿勢になれる画期的な車いすだ。

引用元:Digital Trends

従来の車いすが二輪であるところ、ラッドローラーは、ユニークな形状の後輪を含む四輪駆動。レバー操作による車輪の動きだけで、利用者の姿勢を座位から立位へと自在に変えることができる。過去にも、“立てる車いす”は存在したが、重量が重く、スピードも遅いという問題があった。ラッドローラーは、その点も十分に考慮した上で設計されており、姿勢の変更速度も、極めてスムーズ。体を起こした立位のまま、移動もできる。

車いす利用者の移動に最も支障をきたすのは、高めの段差や、溝などのあるデコボコ道。ラッドローラーは、それらにも対応できるよう、強靭に設計されているので、安心して街に出ていくことができるし、行動範囲も、格段に広がるだろう。さらに、シンプルな組み立て式の仕様なので、車のトランクに積んでもかさばらず、コンパクトに持ち運べる。

引用元:Digital Trends

ラッドローラーの開発を手掛けたのは、ギリシャの建築家、ディミトリオス・ペトロトス氏。ある車いす利用者の自宅のリフォームを手掛けたことがきっかけとなり、「もっと自由に姿勢を変えられる車いすを作ることはできないか」と、開発に乗り出したそうだ。

2016年10月にスイス・チューリッヒで初開催された「サイバスロン」では、車いすフェンシングのカリオピ・ロゥファキ選手が、ラッドローラーの初期モデルを乗りこなし、大きな話題を呼んだ。

現在、ペトロトス氏率いる開発チームは、2020年5月に再びチューリッヒで開催されるサイバスロン大会に向けて、キックスターターでクラウドファンディングを行うなど、勢力的に活動している。その先に見据えるのは、ラッドローラーを量産体制にのせること。理由はただ一つ、「もしかすると、何万人もの人々の生活を変えることができるかもしれないから」。

車いすで行きたい場所に、行きたい時に自由に行ける。より多くの人がそれを叶えられた時こそ、本当の意味でバリアフリー社会が実現したといえるのではないだろうか。

[TOP動画引用元]https://youtu.be/TXFFjAgeSU8

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

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