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Monthly Selection:10月のおすすめ記事 Best5

HERO X 編集部

おすすめの記事をまとめて紹介する「Monthly Selection」。これまで『HERO X』ではさまざまな義手を紹介してきましたが、その進化はますます多種多様なものに。今月は、最近ご紹介したものの中から、特徴的な義手を紹介する記事をPick upしました。

わずか19万円!?
手の届く価格帯の筋電義手がイタリアからついに登場

近年、目覚ましい技術革新を遂げている筋電義手。けれど、その多くは極めて高額で、50,000ユーロ(約638万円)前後が相場というのが現状です。そのような状況を変える可能性を秘めているのが、イタリア生まれの3Dプリント筋電義手「Youbionic Hand」。お値段はなんと1,499ユーロ(約19万円)!プロトタイプの発表から約4年、性能もデザインも格段に進化した同プロダクトの現状を追いました。

義手からダーツを発射!?
筋電位で動くバイオニックNERF


単に義手と言っても日常生活をサポートするためだけの製品とは限りません。クリエイティブ集団
Hackerloopが生み出したのが、腕に障がいを持つ人がアメリカで人気のシューティングゲームNERFを楽しむための義手。筋電位でダーツを発射する様子は、子どもの頃に誰もが憧れたヒーローそのもの。「楽しい」をつなぐことで世の中を変える。そんな可能性を示してくれるプロダクトをご覧ください。

マーベルやディズニーキャラクターの腕も!
子どもたちがヒーローになれる義手

「子どもたちが、自分の義手を誇りに思えること」を目標に、スターウォーズやディズニーなどのキャラクターに着想を得たバイオニック・アームの開発をフランチャイズ展開しているOpen Bionics社。これまで、高額過ぎて子どもたちにハイスペックな製品を提供できていなかった業界に、どのようにして革命を起こしたのか。その挑戦にスポットを当てました。

痛みをリアルに感知できる
エレクトロニックスキン「e-dermis」とは?

本来、人の体を危険から守るために存在している痛覚。その感覚がないことは、知らず知らずのうちに義手にダメージを蓄積させることにつながっていました。そこで、米メリーランド州Johns Hopkins University生体医工学科の開発チームが生み出したのが、義手の指先に取り付けて痛みや痛覚などのリアルな感覚を再現できる「e-dermis」。より人間の手に近い義手を実現するテクノロジーの今後の展望を探りました。

お手軽で、お手頃。
「Finch」が電動義手の常識を変える!
【the innovator】前編

レディメイドで対向配置の3指構造。その構造もヴィジュアルも、メインストリームとは逆行しているのが電動義手の常識を変える製品「Finch」だ。日常生活で求められる動きや不可にオールマイティーに対応しながら、しかも軽量で使いやすく、しかもお手頃価格。徹底した引き算の思想から生まれた新世代の義手について、開発者の一人である大阪工業大学の吉川雅博准教授にお話を伺いました。

(text: HERO X 編集部)

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韓国発、下半身不随や高齢者が歩くためのウェアラブルロボット

岸 由利子 | Yuriko Kishi

2018年3月9日のピョンチャンパラリンピック開会式に向けて、韓国の各地で行われた聖火リレー。そのトップバッターを務めたのは、「WALK ON」という名のウェアラブルロボットを着た下半身不随の聖火ランナー。この世界初のランナーの登場は、韓国のロボット先端技術の凄さを全世界に伝える千載一遇の好機となった。WALK ONの開発を手がけるのは、歩行困難にある人たちのためのロボット開発を目的に、韓国で立ち上がった「SG ROBOTICS」。その画期的なイノベーションの数々をご紹介しよう。

下半身不随の人が歩くための
画期的ウェアラブルロボット「WALK ON」

SG ROBOTICSを率いるのは、韓国・西江大学 機械工学科のKyoungchul Kong教授(以下、洪教授)。2011年、若干29歳にして同大学の准教授に就任した洪教授のもとに、フランスのあるカレッジから、「試験目的で、ウェアラブルロボットを製作して欲しい」という依頼があった。その製作を機に、洪教授は、本格的なロボット開発に乗り出し、やがて、the Severance Chiropractic and Rehabilitation Centerの参画のもと、リハビリテーションを目的としたロボットの開発に着手することになる。

そうして生まれたのが、下半身不随の人が歩くためのウェアラブルロボット、WALK ON。2016年10月8日、スイス・チューリッヒで行われた「サイバスロン」(http://hero-x.jp/article/538/)の外骨格ウェアラブルロボット部門で銅メダルを受賞し、早くも国際的な評価を得た。

最先端テクノロジーが凝縮された
テーラーメイド型ロボット

引用元:SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

引用元:SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

WALK ONのすべての歩行動作は、2本の専用スティックに搭載されたコントロールボタンの操作によって、安全に制御することができる。例えば、平坦な地面を歩く時は、ボタンを押すと前進し、また押すと次の一歩を進む。階段やスロープの上り下り、踏み石などの障がい物をまたぐ時などは、WALK ONがそれらをセンサーで検知し、スマートグラスを通じて、適切な歩行モードの提案を知らせてくれる。

重量は、バッテリーを含めて約30kg。フル充電で、5時間連続使用可能で、既存のウェラブルロボットの中では最高の250Nm(ニュートンメートル)の駆動力と、最大45rpm(回転/分)のスピードを誇る。

WALK ONの最たる特徴は、人それぞれに異なる歩行動作の範囲や関節の回転速度を、医学的データとして分析し、一人ひとりに合った仕様でデザインされていること。人間の足の生理機能を的確にとらえ、その歩行動作を優れたエネルギー効率性と共に再現した、いわばオーダーメイド型ウェアラブルロボットだ。

高齢者、部分的な障がいを持つ人のための
ウェアラブルロボット「ANGELEGS」

引用元:SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

サイバスロンで快挙を成し遂げた翌2017年に発表されたのが、高齢者や部分的な障がいを持つ人のための新たなウェアラブルロボット「ANGELEGS」。個人差はもちろんあるが、筋力が低下している人も、部分的な障がいがある人も、自分の意思で足を動かすことができるため、ANGELEGSでは、人間の生体分子を識別するバイオセンサー(化学センサー)は使わず、必要な時に、ユーザーの歩行動作を認識し、その動きを助長するために、メカニカルセンサーのみを採用。バッテリーを含めて約12kgと軽量で、計12ヶ所に組み込まれた関節部分が、心地よい装着感を実現している。

昨今、世界各地でウェアラブルロボットの開発が進められているが、筋力が低下した人に特化したウェアラブルロボットの分野で、ANGELEGSの右に出る者はまだいない。2017年、ドバイで開催された「UAE Robotics for Good Awards」では、アジア発のイノベーションとして、唯一ファイナルまで勝ち進み、その実力を大いに見せた。SG ROBOTICSによると、2019年の前半には、ANGELEGSを商業化する予定だ。

引用元:SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

2018年2月に、米国ロサンゼルスで開催された「SOLIDWORKS WORLD 2018」では、子ども向けのウェアラブルロボットのプロジェクトに着手し始めたことを明かした洪教授。まだ構想の段階ではあるが、ANGELEGSの小型化を想定しているとほのめかしている。

ロボットは、人々に驚くべきテクノロジーを示すだけでなく、日常の必要を満たすものであるべき。だからこそ、開発者の視点からではなく、ユーザーの視点でロボットを作っていく――SG ROBOTICSの強い信念が、人間とロボットの共生する日常を実現することは、想像にかたくないだろう。

SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

[TOP動画引用元:https://youtu.be/Ahict2CI7oQ

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

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