スポーツ SPORTS

スポーツ×テクノロジーの未来を加速させる!事業創発プラットフォーム「Sports-Tech & Business Lab」に注目

Yuka Shingai

スポーツ産業の活性化は日本の再興戦略の一つとして、大きく期待される分野ではあるものの、まだまだ歩みのスピードは遅いと言えよう。そんな中、株式会社NTTデータ経営研究所と、早稲田大学スポーツビジネス研究所がスポーツ×デジタルをキーワードに新しい産業・事業モデルの創出を目指す、事業創発プラットフォーム「Sports-Tech & Business Lab(スポーツテック&ビジネスラボ)」を設立した。

政府は2025年にはスポーツ市場の規模を現在の5.5兆円(2015年)から25兆円に拡大させることを目標としている。中でも注目を集めているのがITの力でスポーツ産業に新たな付加価値を創造したり、従来とは異なるビジネスモデルを実現したりするSports-Tech(スポーツテック)というソリューション。AIやIoT、ウェアラブルのような最新技術から、プレイヤーの育成、”街””場”のデザインまでSports-Techがスポーツ産業、市場の活性化に貢献できるポテンシャルが未知数に広がっており、Sports-Tech(スポーツテック)の活用によって、スポーツで収益を上げ、その収益をさらに、スポーツに再投資する好循環モデルの創出を同組織はビジョンとして掲げている。

委員会、事務局には、大学教授やITベンチャーなど、スポーツ関連の有識者を従え、会員にはANA、NTTドコモ、毎日新聞社、西武ホールディングスなどの大手からベンチャー企業、大学、自治体まで多岐にわたる団体が名を連ねた。すでにワーキンググループや研究会が複数回にわたり実施され、ワークショップやディスカッションを通してそれぞれの知見や技術の共有を図っている。現在は、横浜市小学校の屋外プールを利用して、水中VRの実証実験を行なうほか、プロバスケットボールチーム、アルバルク東京のホームゲームなどで、観戦者調査をするなど、複数のプロジェクトを推進中だ。これまで、企業や自治体が単独では実現しえなかった、コンソーシアムならではの情報発信にも期待したい。

[TOP画像引用元:http://www.keieiken.co.jp/stbl/

(text: Yuka Shingai)

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BMXライダー宇野陽介が見つめるエクストリームの新境地【エクストリームスポーツ文化の作り方】

朝倉 奈緒

「エクストリームスポーツ」とは何でしょうか?言葉の通り「extreme=過激」な、刺激的で、観る側もプレイする側にとってもエクサイティングなスポーツであることは間違いありません。欧米の若者を中心にファッションや音楽とリンクし、「スポーツ」というよりは「ストリートカルチャー」のベールを纏い、日本にもそのスタイルと共にやってきました。2020年の東京五輪で、新たにスケートボードやサーフィン、スポーツクライミングなどに加え、BMXフリースタイル(パーク)が正式種目に決定したことで、今後ますます注目が集まり、プレイヤーも増えることが期待されます。今回エクストリームスポーツの代表競技”BMX”国内トップライダーである宇野陽介(YORK UNO)さんに、日本におけるエクストリームスポーツ文化を作る第一人者として、その魅力について伺いました。

創作活動によってBMXのパフォーマンス力をあげる

BMXは、20インチの子供が乗るような小型自転車です。宇野さんが主にプレイする“フラットランド”は、平らな地面があればどこでも楽しめるので、普段は駐車場や公園などで練習するそう。BMXを華麗に乗りこなす宇野さんを見て仰天する人たちの顔が目に浮かぶようです。

BMXのフリースタイルは、「表現力」がとても重要な要素です。宇野さんはBMXライダーのプロであると同時に、DJ、楽曲・映像制作、イベント企画など、幅広く創作活動をしています。同じ「表現力」が問われるそれらの活動が 、BMXのパフォーマンス力を上げる役割を担っているのです。
「例えば、映像を制作しながら自分や他のライダーのライディングを研究できます。また、トリックとトリックを繋ぐルーティーンの部分とDJプレイにおける曲を繋ぐことは感覚的にとても似ています。イベント企画に関しては、表現者としてお互いの難しさや素晴らしさを体感する事で、より本質を理解できると感じてます。」フィジカル面は、BMXを乗ることでスキルアップできますが、「表現」面でのクリエイティブ力を上げるためのトレーニングが、DJプレイや楽曲・映像制作といった創作活動なのです。


日本のエクストリームカルチャーの現在を見事に表現した映像。シーン国内トップレベルのメンバーが出演している。

2020年東京五輪はエクストリームスポーツの新境地

宇野さんは2020年東京五輪の正式種目にスケートボードとBMXのフリースタイルが採用されたことで、プレイヤー自身はもちろんのこと、エクストリームスポーツに対する周りの意識が大きく変わると予想します。
「より多くの人達がエクストリームスポーツの魅力を知る大きなきっかけになると思います。頑張って街中で練習している若い世代にも“オリンピック”という大きな目標地点があることで、社会的信頼度は高まると思います。」

逆に、オフィシャルのスポーツとして広く認知されることで、「本来のカウンターカルチャーから生まれたBMXやスケートボードの様々な表現の自由が奪われる」ことも懸念されます。具体的には、エキサイト出来るスポットでのライディングを求めるプレイヤーによるけがや事故がニュースで報道され、エクストリームスポーツに馴染みのない人々が、不安や戸惑いを感じてしまうことなどです。
「まずは2020年東京五輪を機に、競技人口が増加することで、社会的な認知度と地位が向上され、プレイヤーの競技に対しての自尊心やカルチャーとしてのルールが生まれることを期待しています。」

学校のクラブや部活動にも、将来的にはBMXやスケートボードのようなエクストリームスポーツが追加されることを目指して活動している宇野さん。子どもたちにBMXを教える姿は最高に生き生きとしていて、子どもたちをはじめ、彼らの両親やその周りからもサポート体制が徐々に整い始めていることが伺えます。

表現者とは、挑戦し続ける人のこと

車いす版BMXであるWCMXライダーについては「ハンディキャップを武器に果敢に攻めるスタイルにたくさんの人々が惹きつけられるのだと思います。正にエクストリームスポーツの本質的部分が伝わるプレイヤーだ」と評価します。
表現者として、限界に挑戦し続ける姿勢は、観客や周囲を感動させ、時に勇気を与えてくれます。エクストリームスポーツは、挑戦する気持ちがあれば、誰にでも開かれているものです。本当にボーダレスな社会になくてはならないもの。エクストリームスポーツは、そのひとつなのではないでしょうか。


YORK UNO promotion movie in Katsuyama
「今後エクストリームスポーツやストリートカルチャーが広がる為の祈りを込めた作品です。by YORK UNO

(text: 朝倉 奈緒)

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