車いすを使うまでもいかないが、1人での歩行が困難という時に頼るのが歩行器。病院でよく見かけるそれはゴツくてお世辞にも見た目がいいとは言えないものがほとんど。高齢者の場合などは昔ながらの手押し車的なものを使う場合もあるだろう。だが、脳梗塞など若くして歩行補助具が必要となった者にとってはこれはちょっと恥ずかしい。そこで紹介したいのは、「Spring」。人間工学に基づいて作られたスタイリッシュな歩行器は年齢を問わず私たちの歩行をサポートしてくれる。
歩けなくなることはさまざまな面で人に大きな影響を与える。行動範囲は狭まり、人との接触も億劫になることで、日々の心をむしばんでいくことも。しかし、エンジニアやデザイナー、人間工学の専門家らが開発した「Spring」は、シンプルなデザインが美しく、見た目も機能面からもネガティブになりがちな外出を払拭してくれそうだ。
特に、手首の回転や腕の力が弱い人のために設計された歩行器で、バーのどこに手を置いても安定した歩行をサポートしてくれる。4つのホイールが地面をしっかりとキャッチしてくれるため、地面の凹凸が手に伝わりにくく、凸凹による不快感も和らぐ。
ハンドグリップを下にさげれば背もたれに変身、備え付けのシートをおろして椅子として使うこともできる。シートを下げた段階で自動ブレーキがかかる設計により、転倒の心配もない。シート位置もワンモーションで変えられる。机の高さに合わせて座面の高さを調節すれば、カフェや職場でも快適に過ごすことできる。その上、コンパクトにたたむこともでき、車のトランクに軽々収納できるサイズになるので、車でのお出かけにも便利。これさえあれば、旅行先でも歩くことを諦めずに楽しむことができそうだ。
[TOP動画引用元:https://vimeo.com/289594670]








スマートインクルージョン研究会の主な活動は、「障がい者の視点からの技術開発提言」「企業での障がい者雇用の調査提言」「インクルージョンのための政策提言」「プロジェクト実施(移動支援ツール開発等)」。この活動を東京2020に活かしていきたいと思ったきっかけが、かつての「ロンドン オリンピック・パラリンピック」の成功だったそうです。オリンピックよりパラリンピックに重きを置いたPR によって、ロンドン市民だけでなく、全世界の人々の心をつかみ、バリアフリーなどの実現化が急速に進みました。テレビCMにもパラリンピアンが多く出演し、オリンピック選手よりむしろパラリンピック選手にスポンサーが多くついたほど。まさに障がい者の視点に立った方法を採ったことで、オリパラの成功を勝ち取った例と言えます。

