テクノロジー TECHNOLOGY

まるでアクセサリーのような姿勢矯正デバイス「ALEX PLUS」

長谷川茂雄

SNS時代を生きる現代人は、新たなテクノロジーにあらゆる面で対応しきれていない。多くの人が抱えている“ストレートネック”と呼ばれる頚椎(首)が歪んでしまった症状もそれを物語っている。前屈みになって長時間PCやスマホを見続けることは、人間の頚椎に深刻なダメージを与える。それゆえ現代人には頚椎のケアが必須だ。それを効果的かつ簡単に実現すべく、わずか25gの姿勢矯正器具ALEX PLUS(アレックス プラス)が韓国で開発された。この画期的プロダクトは、耳の後ろにまるでアイウエアをかけるように装着できて、楽しみながら姿勢の矯正と頚椎の歪み防止ができる。その性能に迫る。

頚椎への深刻なダメージは
体のあらゆる不調に直結する

長時間PCで仕事をすることやスマホを操作することは、現代人のライフスタイルの一部。とはいえ、そうすることで知らず知らずのうちに、頚椎にはとんでもない負荷がかかっている。

欧米では“ストレートネック”や“テキストネック”、日本では“スマホ首”などと呼ばれるが、それは頚椎本来のS字カーブが失われて、まっすぐになってしまった状態のことをいう。先述の現代人のライフスタイルは、そんな不自然な姿勢と歪みを生み出している。

仕事場やカフェなどでよく見られるこんな姿勢こそが、頚椎がまっすぐ伸びたストレートネック。慢性化してしまうと、体調不良の原因にもなる。

それを未然に防いだり改善するにはどうすべきか? 2014年に韓国で設立された姿勢矯正ウェラブル機器専門企業(株)ナムが、そのソリューション開発に乗り出した。先駆けとして生まれたのが、首の姿勢を測定・管理できる世界初のウェアラブルデバイスALEX PLUSだ。

このプロダクトは、簡単に言ってしまえば、首に装着するだけで悪い姿勢を振動アラームが知らせてくれるデバイスだ。しかも専用アプリと連動して、時間別や日別でどれだけ首に負担をかけているのかがグラフで見ることもできる。頚椎の管理に特化したプロダクトという発想はユニークであり、同時に現代人の盲点でもあった。

シンプルなデザインのALEX PLUSは、アクセサリー感覚で着用できる。スマホと連動させて、通知を受け取る首の角度の設定をすれば、悪い姿勢をとった時点で即座にバイブレーションが発動する。首の角度が1日を通してどんな角度を保っていたかもデータ化されるため、しっかり管理ができる。

実は慢性の頭痛や椎間板ヘルニア、内臓の不調といったトラブルと頚椎への過剰な負荷は、密接に関わっていることが少なくない。逆にいえばストレートネックを改善、予防することは、健康維持に役立つといえるのだ。

ちなみにスマホなどを見るために、頭を前に傾けた際の頚椎への負荷は、15度程度で12kg、30度で18kg、45度では22kgにもなるという。人間の頭の重量は想像以上に重いため(体重の8〜13% ※60kgの人で6kg前後)、前傾姿勢が常態化していると頚椎はすぐにトラブルを起こす。

ALEX PLUSは、医工学科博士や医用生体工学博士、制御計測工学修士などが開発に関わり、頭の重さと首の角度、生活サイクルなどの細かな分析とそれらを踏まえた臨床実験から生まれた。極めて専門的な見地から頚椎へのダメージを検証し、ヘルスケアがお手軽に行えるよう設計している。

見た目もシンプルかつスタイリッシュで、メガネと一緒に装着もできるため、公共の場で使ってもまったく違和感はない。しかも一回のフル充電(2時間程度)で約70時間使用が可能。価格も1万2000円程度とコスパも高い。

スタイリッシュなデザインは、ビジネスシーンにも違和感なく溶け込む。

肩や背中の筋肉がいつも固まっていて体調がすぐれない。そんな働き盛り世代は、もしかしたら頚椎に問題があるのかもしれない。もしそう感じるのなら、軽い気持ちでALEX PLUS を試してみても損はなさそうだ。

SPEC
サイズ:80×105-160×100-170mm
重さ:25g
材質:センサーケースは生体適合性ウェアラブルスキン(ABS)、レッグはスクィーズ、ストレッチ可能(メタルワイヤー内蔵シリコン)
色:ブラック
バッテリー:リチウム ポリマー110mA
充電方式:micro USB
使用可能時間:2時間のフルチャージで1週間使用可能(一日10時間使用の場合)
Bluetooth 4.0 low energy
OS:iOS 9.2(iPhone5)以上、Android 4.4(KitKat)以上
メモリー : int.ROM 256KB、int.RAM : 16KB、 Ext.Flash : 64KB

問い合わせ
株式会社 EFG
03-5812-4993
http://www.enjoyfg.com/

(text: 長谷川茂雄)

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日本にMaaSは定着するのか!?国内モビリティ改革の障壁とは?

HERO X 編集部

MaaS(マース)=Mobility as a Service(モビリティ・アズ・ア・サービス)は、いまや欧米諸国では新しいムーブメントだ。移動のサービスをシームレスにつなぐMaaSは、現代社会とのマッチングもよい。しかし、日本国内では、まだ限定的な取り組みにとどまっている。課題はなんだろうか? 国内MaaSの問題点を探ってみた。

日本のMaaSはレベルゼロ!?
単なる「乗り継ぎ案内」では意味がない

MaaSを具体的に説明すると、乗用車以外のバス、電車、タクシー、レンタサイクル、シェアライドなどの移動サービスを統合的に提供するシステムのことだ。ITを活用して予約・決済なども一括で提供し、その時点で最適な移動サービスの組み合わせをユーザーが選択できる。交通の乗り換え案内情報は日本でもシームレスに提供されているが、MaaSの場合は、運用会社の壁を乗り越えて、単一のサービスとして提供していることが特徴だ。

例えば、MaaS先進国のフィンランドでは、ヘルシンキで「Whim」というシステムが稼働している。(参考記事:http://hero-x.jp/article/9470/)「Whim」アプリを使えば、電車、バス、タクシー、バイクシェアなどのサービスが統合的に利用できる。決済もスマホ上ですべて完了し、交通機関を使う際に決済画面を提示すればいいだけだ。画期的なのは都度決済のシステムに加え、定額で乗り放題になるサブスプリクションサービスを提供していることだ。今ではサブスクを利用する市民のほうが多いという。

「Whim」は日本でも昨年末から千葉県柏の葉エリアなどで実証実験がはじまっている。
動画元:https://www.youtube.com/watch?v=rgsr5ZwsY1Q

また、ドイツでも産官学が一体となり、ドイツ鉄道によるモビリティサービス「Qixxit」を実用化。鉄道だけではなく、飛行機や長距離バス、レンタサイクルなどのサービスも一括化した。アジアでは、台湾第二の都市、高雄でMaaSアプリ「MeN Go(メンゴー)」が実用化された。こちらも、官民共同の事業として推進されている。

高雄で使えるMaaSアプリ「MeN Go(メンゴー)」
画像元:https://apps.apple.com/tw/app/id1415685647

一方で日本はどうだろうか。現在、世界でのMaaSのレベルは
─────────────────
レベル0:統合なし
レベル1:情報の統合(アプリやWebで経路や料金を提示できる)
レベル2:予約・決済の統合(一括予約・決済ができる)
レベル3:サービス提供の統合(事業者間が提携し契約・支払いなどが統合される)
レベル4:政策の統合
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とされているが、日本は0~1レベルにとどまっているのだという。

確かに、日本でも政府主導のプロジェクトを含めMaaSの実証実験がいくつも進められている。しかし、その内実は、民間の交通機関同士の連携にとどまっていることが多い。「モビリティを通じ、新たな価値や新たなサービスを生み出していくこと」がMassの概念であるはずなのに、日本では情報提供と決済のみの統合のような、小規模なものになりがちとの声も聞かれる。

この背景には、日本の法規制の問題があるとされている。日本の産業は業法の中で工夫して発展してきた歴史があり、その中で進化してきたのが日本モデルといわれている。ある専門家は「既得権益から発生する小さいビジネスに対応することは得意だが、そもそも新しいビジネスモデルが生まれにくい土壌がある」と話す。

さらに、日本の交通業者はサービスの囲い込みをしたがる傾向にあり、なかなか提携が進まない現状もある。MaaSのような複合的なシステムは、どこかが一社独占を狙っても、上手くはいかないだろう。

この状況を打破するためには、やはり法改正も含めた、官民一体となった改革が必要だ。前述の海外の例でも、欧州やアジアでうまくいっているケースは、政府や自治体が主導し、企業との連携を果たしている。日本のMaaSが小さくまとまらず、ブレークスルーを起こすためには、まずはMaaSとは単一のビジネスではなく、新たなモビリティの概念だととらえ、プレイヤー同士が協力していくことが大事なのではないだろうか。

(text: HERO X 編集部)

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