プロダクト PRODUCT

たたむとブリーフケース並みのコンパクトサイズに! ドイツ発電動モビリティ「UrmO」

Yuka Shingai

交通や環境面での配慮、利便性、価格帯など現代のムードにフィットする移動手段として低速モビリティの大躍進が続いている。テクノロジーの進化で、ますます市場が拡大されそうであるが、今回ご紹介する「UrmO」もまた、いまだかつて見たことがない代物。 両輪を繋ぐボードに足を乗せ、体重移動によって進む電動モビリティは、プロダクトデザイン先進国ドイツが生み出した、格別にクールで、ユーモアを感じさせる製品だ。

画像引用元:https://my-urmo.com/en/

「UrmO」について特筆すべきは、まずそのコンパクトさだろう。使用しない時は、フルサイズから2秒でブリーフケース程度の大きさにたたむことができる。小脇に抱えればまるでDJがレコードを持っているようにも見える。

さらに、持ち運び用ハンドルがついているので、公共交通機関にそのまま持ち込むこともでき、重量も14ポンド(約6.3キロ)と、電動モビリティとしては破格の軽さだ。軽量な見た目とは裏腹に、時速は最大10マイル(約16キロ)、フル充電すればおよそ20キロも走行可能とのことだ。

画像引用元:https://my-urmo.com/en/

画像引用元:https://my-urmo.com/en/

画像引用元:https://my-urmo.com/en/

現在ドイツでは、電動キックスクーターや電動スケートボードと同様に、「UrmO」も公道での走行が認可されていないが、議会や「German Association for eMobility」という電動モビリティの普及につとめる団体との連携を図るほか、クラウドファンディングサイトKickstarterで支援を募るなど、実用化に向けての活動にも積極的に取り組んでいる。
「UrmO」によって、移動がもっとミニマルに、そしてシームレスになる未来に期待したい。

[TOP動画引用元:https://www.youtube.com/embed/pJ6bIXGTVdM

(text: Yuka Shingai)

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マーベルやディズニーキャラクターの腕も!子どもたちがヒーローになれる義手

岸 由利子 | Yuriko Kishi

2018年4月25日、世界で初めて医学的に認可された、3Dプリントのバイオニック・アーム(筋電義手)「Hero Arm(ヒーローアーム)」が、ついに発売した。開発を手掛けるのは、英国ブリストルに拠点を置くOpen Bionics社。昨今、人知を超えた驚異的なバイオニック・テクノロジーの数々が生まれているが、義肢を必要とするほとんどの人にとっては、あまりにも高価すぎるため、それらを駆使したプロダクトには手が届かない。同社は、そんな現状を全面的に変えようと、「手頃な価格で手に入る、3Dプリントのバイオニック・アームを開発する」というミッションを掲げ、それをみごとに実現。義肢開発に革命を起こすべく、大きな第一歩を踏み出した。

「Hero Arm(ヒーローアーム)」は、皮膚に取り付けたセンサーが、筋肉の動きを検出することによって動き、その動きが、手指の動作をコントロールするという仕組み。開いたり閉じたりすることはもちろん、掴む、つねる、ハイタッチ、グータッチ、ゴーサインなど、健手と同じように、さまざまな動きを可能にしている。

Open Bionics社は、ヒーローアームの開発にあたって、義肢サービスに年間約7500万ドルを費やすNHS(英国の国民保険サービス)と提携し、義肢を必要とする子どもたちのための臨床治験などを行ってきた。

「小さいサイズがない、高価すぎるなどの理由から、子どもたちが、義肢のデバイスに触れられる機会はほとんどなく、親御さんは購入することができず、また、NHSも供給することができないという状況でした。しかし今、バイオニック・アームを身につけて、その手指を初めて自分で動かす子どもたちの姿があります。実に、素晴らしいことだと思います」とOpen Bionics社のCOOを務めるサマンサ・ペイン氏は話す。

同社では、「子どもたちが、自分の義手を誇りに思えること」を目標に、スターウォーズやディズニー、マーベルなどのキャラクターに着想を得たバイオニック・アームの開発も、フランチャイズ展開している。ウォルト・ディズニー社においては、ロイヤリティフリーの協定を結んでいることを踏まえれば、今後、義肢のイメージが、医療的なものから、よりエンターテイメントに、誰もが親しめるものへと大きく変わっていく可能性を大いに秘めているといえるだろう。

1体のバイオニック・アームの制作にかかる時間は、40時間ほど。もとの腕をスキャンしたのち、デザインの詳細を決めれば、あとは3Dプリント技術によって、実物が出来上がるのを待つのみ。従来の義肢の約1/3以下にあたる価格で手に入れることができる。

義肢をファッショナブルで、誰にとっても、手に届くものにしたい――ペイン氏が思い描くヒーローアームの未来は、すぐそこにあるのかもしれない。

Open Bionics
https://openbionics.com/

[TOP動画引用元:https://youtu.be/IyzrKB2WVtQ

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

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