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あらゆる姿勢で乗車可能! 福祉国家スウェーデンの電動車いす『ペルモビール』

Yuka Shingai

技術の進歩とともに、新たな可能性を次々と生み出している車いすの世界。機能性はもちろんのこと、デザイン、ユーザビリティや走破性に至るまで、革新的な新製品の台頭により明るい未来を感じることができる、今日この頃だ。

スウェーデン生まれの車いすメーカー『ペルモビール』は1963年の創業以来、電動車いすを世界中に送り出してきリーディングカンパニー。創業者のペル・ユデーン氏はスウェーデンの障がい者福祉を変えた人物としても知られている。スウェーデンでは電動車いすの代名詞として認知されている『ペルモビール』だが、まさに福祉国家を代表する存在と呼べるかもしれない。

数多くのモデルを有する『ペルモビール』の中でも、ひときわ目を引く「F5 Corpus VS」は座位からスタンディングに至るすべての姿勢で走行することが可能だ。

人間工学に基づいたシーティングシステムが極上の乗り心地を保証してくれることはもとより、座面昇降機能や座面が前や後ろに傾斜するティルト機能を使って、座面が自由自在に動く様はまるで遊園地のアトラクションか、映画館の4DXシートのよう。

スタンディング機能は健康増進効果や医学的効用が期待されるだけでなく、他者と目線も近くなりコミュニケーションもより密になる。はたまた、ベッドのようにフラットな姿勢を作れば、仮眠を取るなど体を休めることにも適している。ただ移動手段としてだけではなく、日常的にショッピングやレジャーを楽しむにあたって快適であらねばという先駆者としての矜持を感じる部分だ。

「F3 Corpus」はなんと全幅61cmと、驚くほどスリムでコンパクト。このほかも、手動車いすに簡単に取り付けられる着脱式電動アシストのスマートドライブなど、既存の概念を覆すアイテムが登場する『ペルモビール』の躍進はまだまだ続きそうだ。

[動画引用元:https://www.youtube.com/watch?v=VhXmD8yHtro

(text: Yuka Shingai)

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心の不調感じてない?メンタルヘルスをチェックできるサービス2選

Yuka Shingai

行動の制限、感染に対する不安や孤独、景気の停滞など、長引く新型コロナウイルスの流行が、私たちに与えるストレスは大きい。徳島大学が今年の2月、緊急事態宣言(20年春)の対象7都府県の18~89歳を対象に行った調査では、約2割の人が気分が落ち込むなど「治療が必要な抑うつ状態」と推定されるという結果も出ているようだ。ストレスの大小や老若男女問わず、先々の見通しが立たない中で、メンタルヘルスには気を付けたい。技術の進歩により、日々の何気ない動作からも計測できるようになったメンタルメルスに関するサービスについてご紹介しよう。

ストレス具合が計測できる
瞳孔反応解析技術


ストレスチェック、メンタルヘルスチェックというと、何十問にも及ぶ設問を一つ一つ解いて…というイメージも根強いのではないだろうか。2015年12月より、50人以上の従業員を抱える事業所には厚生労働省の「ストレスチェック制度」が義務付けられているが、働き方が多様化する今、求められるのはより個に寄り添った柔軟なチェックかもしれない。
夏目綜合研究所によるアイトラッキング(視線計測)を含む「瞳孔反応解析技術」は、これまで取得できなかった「人間の無意識の反応」に着目している。交感神経が活発になると拡大し、副交感神経が活発になると縮小する自律神経によって動く瞳孔は意識的に操ることができず、自律神経の乱れはストレスや疲労、何かしらの不調を察知するカギとなる。近赤外線センサーとモニターで瞳孔の収縮・拡大や視線を追っていくことで、ストレス度合いがチェックできる。
メンタルヘルスと近しい領域である医療はもちろんのこと、エンターテインメントやマーケティングなどでも活用が期待されているとのことで、人間が「目」から受け取る情報量の多さを物語っている。

記事を読む▶“目は口ほどに物を言う”心や身体の不調が瞳で分かる時代へ! 日本が誇る「瞳孔反応解析技術」

これからの新常識になるか?
睡眠計測サービス「インソムノグラフ」

食事と並んで健康のバロメーターとも言える睡眠。リモートワークやオンライン授業、外出自粛による運動不足、もちろんストレスも合わせると、寝つきが悪くなった、眠りが浅くなった、しっかり寝たつもりでも疲れが取れないなど、コロナ禍における睡眠の悩みは例年よりも大きくなっている。グーグル検索でも「不眠症」という言葉の検索が60%も多くなっているようだ。
筑波大学発のベンチャー企業、S’UIMIN(スイミン)社による睡眠計測サービス「InSomnograf®:インソムノグラフ」は、AIの活用によって、これまで検査入院しないと測定できなかったレベルの睡眠計測を自宅で簡単にできる。睡眠時の脳波に加えて、目の動きや一部の筋電も含めて計測する。3つの電極が付いたシートを額につけて、左右の耳の後ろに2つの電極を装着し、デバイス本体と接続。寝るときにボタンを押下して計測を開始し、起きたときに再びボタンを押せば計測は終了。スマホやPCにつないで直近のデータを取得するほか、5日以上計測して総合評価も行う。
同社が今後目指すのは、睡眠脳波計を家庭用血圧計くらい身近にすること。仕事やスポーツのパフォーマンスにも大きく影響する睡眠をモニタリングすることは今後、検温や血圧チェックのようなルーティーンになっていくかもしれない。

記事を読む▶【HERO X × JETRO】睡眠の謎に挑み続けるベンチャー企業「S’UIMIN」

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(text: Yuka Shingai)

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