医療 MEDICAL

PCR検査・日本は韓国の10分の1という現実をどう受け止める

HERO X 編集部

世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス。感染追跡アプリが日本でも導入開始となるニュースが流れている。だが、そもそも感染の有無を知ることのできるPCR検査について、これまで日本は出遅れ感が否めなかった。ここへきて、検査受け入れを加速する動きが始まっている。

新型コロナウイルス感染の検査として名が知れたPCR検査。日本では渡航歴や感染者との接触履歴などから、都道府県が必要と判断した場合にのみ検査が行われてきた。コロナかもしれないと思って病院に行っても、インフルエンザのようにすぐに検査が受けられることはなく、症状を抱えたまま不安な日々を過ごす人も多くいる。このウイルスの厄介なところは、保菌となっても大半の人は症状が出ない。ウイルスが生き残る戦略としては極めて賢いやり方で私たちの体に巣くっている。

日本で新型コロナウイルス感染者が出た当初、感染を心配する人々が病院へ押しかければ、それが医療崩壊につながるという懸念もあり、PCR検査については慎重な姿勢を見せてきた。また、PCR検査を行える医療機関も限られているため、望めば検査が受けられるという図式にはならなかった。だがここへきて、感染者が拡大、日本全国に緊急事態宣言が発令される事態となってしまった。

最近の報道ではWHOの上席顧問が「日本は遅れた」との認識を示したとも伝えられる。いったいどのくらい出遅れているのか。

Our World in Data は人口1000人あたりの検査件数を国ごとにまとめた情報を公開している。

4月19日現在の状況

引用元:https://ourworldindata.org/what-can-data-on-testing-tell-us-about-the-pandemic

日本の引き合いに出されるのがお隣、韓国。上の表で韓国を見てみると、1000人あたりの検査人数は10.86あるのに対して日本は1.38。14日までのデータでは1を下回っていたことを考えると進歩したと言えるものの、それでも数字は10分の1にも満たないのだ。そんな韓国が当初から導入していたのがドライブスルー検査。各自治体が動き出し、日本でもようやくドライブスルー検査ができるようになりそうだ。

そんななか、ドライブスルー検査に一役買って出たのがTSP太陽株式会社。同社の仮設テントはサミットにおいて、要人の保安検査所として設置された実績がある。

TSP太陽株式会社が公表しているドライブスルー検査のイメージ図。被験者との接触を極力避けることができる。

同社が提供しているテントの場合、8m×15m程度のサイズならば半日で設置が可能という。仮設テントのため、使用が終われば撤去が可能。病院内敷地にあるスペースや、敷地内道路などへ簡単に設置できる。急がれるドライブスルー検査場の設置。安全かつ手軽に取り組める方法に医療現場からの熱い視線が集まりつつある。

(text: HERO X 編集部)

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医療 MEDICAL

爪の変化で健康状態を管理!IBMが開発する爪装着型センサー

Yuka Shingai

最先端技術により、小型化、軽量化がますます進むヘルスケア、ヘルスチェック製品。 HERO Xでもこれまでウェアラブルデバイスなどを数々ご紹介してきたがIBM Researchは2018年12月に健康状態をモニタリングできる爪装着型センサーのプロトタイプを発表した。

これまでも、パーキンソン病患者に対する治療薬の効果や、統合失調症患者の認知機能のレベルなど、ありとあらゆる健康問題を判断する指標として研究対象となっていたヒトの握力。当チームが注目したのは、そこからさらに細部である『爪』だった。

指でモノをつかむ、握る、曲げる、伸ばすなどの動作においても爪は一定のパターンで歪んだり、動いたりと変形している。そのほとんどが10ミクロンにも満たないほどの変形であり、裸眼では捉えられないレベルだが、複数のひずみゲージと、ひずみの値をサンプリングする小型コンピューターを爪に装着することで、握力を正確に予測できる十分なシグナルが得られることが実証されている。

また、鍵を回す、取っ手を回してドアを開ける、スクリュードライバーを使うなど日常的な繊細な指の動きも解析が可能。センサーを装着した指で書かれた数字を、94%という極めて高い精度で検出することにも成功している。

皮膚装着型のセンサーは高齢の患者が使用した場合、感染症を起こすリスクも考えられるが、爪装着型センサーであればその問題がクリアできる。

販売時期については未定だが、スマートウォッチと通信して、パーキンソン病の症状である運動緩慢、震え、運動障害の評価を行ったり、四肢麻痺患者のコミュニケーションに役立つことも期待される。指先の構造をモデルにした新たなデバイスへの着想も得られるなど、指先、爪先から広がるイノベーションに今後期待ができそうだ。

[TOP動画引用元:https://youtu.be/fYyPx8jw_3k

(text: Yuka Shingai)

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