テクノロジー TECHNOLOGY

ASIMOの歩行理論を使って、人間の“歩く”をサポート「Honda歩行アシスト」

高橋亜矢子-TPDL

BMW製の競技用車いすのように、自動車メーカーがパラリンピック関連用具や福祉機器を手がけることも多い昨今、Hondaは病気や怪我、老齢化によって脚力が低下した人に向けた歩行訓練機器「Honda歩行アシスト」を開発。現在リハビリテーション病院や介護老人保健施設などに導入され、“自力で歩く喜び”を多くの人たちに提供しています。

ASIMOで培った歩行理論「倒立振子モデル」をベースにした本製品は、左右のモーターに内蔵された角度センサーで歩行時の股関節の動きを検知し、制御コンピューターがモーターを駆動させる仕組み。股関節の屈曲による下肢の振り出しの誘導と伸展による下肢の蹴り出しの誘導を行うことで、効率的な歩行をサポートします。


最大の特長は、約2.7kgという軽さと着脱の容易さ。独自の薄型モーターや制御システム、扱いやすい機構によって使用者の負担を軽減することに成功しています。また連続歩行だけでなく、ステップ訓練にも適応した3つのモードを搭載。付属のタブレット端末で、モードの設定やサポート強度の設定も簡単に行えます。


歩行時の左右対称性、可動範囲、歩行速度などをリアルタイムに解析する機能も付いているので、歩行訓練のモチベーションアップにも。今後の展開も多いに期待されている革新的なプロダクトです。

Honda歩行アシスト
http://www.honda.co.jp/robotics/rhythm/

(text: 高橋亜矢子-TPDL)

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テクノロジー TECHNOLOGY

スパイ映画の世界! スマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」

Yuka Shingai

スマートウォッチに続くブームが予想されていたものの、装着時のぎこちなさゆえにまだ実用に耐え得る製品の層は薄いスマートグラス。大手からベンチャーまで各社が競うように開発を進めるなか、カリフォルニア州サラトガを本拠地とするスタートアップ企業、Mojo Visionからスマートグラスのさらに先をゆく「スマートコンタクトレンズ」が登場した。

HERO Xでは以前、視覚にアプローチするテクノロジーとして、人工網膜に映像を転送して視覚情報を再現できるデバイス「アーガスⅡ・バイオニック・アイ」(http://hero-x.jp/movie/626/)を紹介したが、視覚×テクノロジーの世界は視覚機能を取り戻すだけにとどまらず、今回紹介する「Mojo Lens」のようにスパイ映画さながらの機能を備えた “身体拡張” の分野へも広がりをみせている。

今回Mojo Visionが開発した「Mojo Lens」は同社のコンセプトである「Invisible Computing(見えないコンピューティング)」が示すように、レンズに内蔵されたスクリーンからデジタルイメージや情報をシームレスに体感できるアイテムだ。

操作する上で、デバイスを手でつかんだり、目の前にあるスクリーンを眺めることなく、ただ視線を動かすことで、次の予定がリマインドされたり、これまでにない没入感をもってARコンテンツを楽しむことができる。

Mojo Visionの創業者であり、テクノロジー部門の責任者でもあるMike Wiemer氏いわく「ディスプレイのサイズはペンで点をつけた跡程度の大きさだから、レンズ着用時にサイボーグみたいな奇妙な見た目になることもありません」とのこと。

現段階ではまだ開発途中のため、一般に流通するまではしばらくかかりそうだが、スクリーンに頼ることなく情報を得られる感覚とは一体どのようなものなのか?

いちコンタクトレンズユーザーとしても、「Mojo Lens」が巻き起こすブレイクスルーを楽しみに見守りたい。

(text: Yuka Shingai)

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