ワクワクする未来の社会を創造する聴く冒険プログラムをお届けする。ZIP FM オフィシャルPodcast番組「HEROQUEST」。この番組では、「社会の課題」を解決し、「未来の社会」のインフラを整える開発者やエンジニア、起業家たちを「HERO」として迎え、いま、起きている「進化」の最前線を紹介する。
今回のテーマは「ドラえもんと暮らす未来」。ゲストは、AI研究者の大澤正彦さん。物心がついた頃から「ドラえもんを創りたくてしょうがなかった」という大澤さん。そんな大澤さんは現在「リアルドラえもん」ロボットの実現を目指して開発を進めている。だがなぜそれほどドラえもんに魅かれたのか。
大澤さんは、困ったことがある時や、悩みがある時「助けて」と声を上げるのび太。それを解決してくれるドラえもんに惹かれたのだと話す。そんな大澤さんが創りたい「ドラえもん」とはどんなものなのか。2014年から30年計画で進めているリアルドラえもん開発プロジェクト、最新の開発状況についても解説してくれた。後半の放送ではロボット研究チームの組織形成、またChat GPTを筆頭に全世界が注目する生成型AIの可能性にも迫る。

<ゲストプロフィール>
大澤正彦
1993年生まれ。日本大学 文理学部情報科学科・准教授、AI研究者。2014年、慶應義塾大学在学中に、脳や人工知能,そしてそれらが与える影響について興味がある全ての人のためのコミュニティ「全脳アーキテクチャ若手の会」を設立。2017年5月まで代表を務め、現在も運営に関わる。次世代社会研究センター(RINGS) センター長。「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」にも選出されたイノベーター。
「HEROQUEST」はポッドキャストで無料配信中
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PODCASTプログラム #HEROQUEST はニッポン放送PODCAST STATIONで無料配信中
未来の社会をデザインするHEROを迎える【聴く冒険プログラム】。
今回お迎えするHEROはAI研究者で
リアルな「ドラえもん」の開発を展開する
大澤正彦さん。
【大澤正彦さん】
・日本大学 文理学部 情報科学科 准教授
・次世代社会研究センター(RINGS) センター長
・「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」にも選出されたイノベーター
そんな大澤さんが「ドラえもん」を創る!と志したのは、なぜなのか?!
【今回の冒険の目次】
●ドラえもんは、現代社会の鏡?!
のび太君のように「助け」を求められる友人はいますか?
●感情のあるロボットがいる暮らしの未来
●ドラえもんの頭は「かたい?」「やわらかい?」
正解は「アナタ」の中に?!
●100億人でつくるのが「ドラえもん」
夢ではなく「現実」の世界で
あのドラえもんと暮らす未来がやってくるのか?!
そのドラえもんの開発プロジェクトの
最前線を大澤さんに解説していただきます!
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次回のゲストは、年齢・性別・運動神経に関わらず誰もが楽しめるスポーツの開発・普及に取り組む、世界ゆるスポーツ協会代表理事の澤田智洋さん。順次放送を開始する。






秋晴れの空が美しい10月の朝、チーム伊藤のメンバーがRDS本社に集まり、第2回目となる研究開発ミーティングが行われた。
「往々にして、アスリートと開発側のコミュニケーションは一方通行になりがちです。例えば、“こんな感じになれば、もっといい”と選手が言う時の感覚は、当然ながら目に見えるものではなく、いわば、本人にしか分からない体感的なもの。それらを開発側の僕たちがきちんと理解するためには、『感覚を数値化する』ことが不可欠です。そうすることで、選手の意図をより正確に捉えることができると共に、数値という明らかな指標があれば、伊藤選手と開発チームの互いにとって、現状を把握する助けにもなりますし、ひいては、最大限に力が発揮できるマシンの開発に活かすことができます」とクリエイティブ・ディレクターの杉原は話す。
いざ、感覚の数値化へ。伊藤選手の頭、肩、肘、手首などの可動部と、ホイールなど、マシンの各部には、“マーカー”と呼ばれるモーションキャプチャの計測点が取り付けられた。伊藤選手が、100m走を想定して、屋内練習用マシンをこぐ間、天井の四方に設置したカメラが、伊藤選手とマシンの動きを多方向から撮影すると、認識されたマーカーが、パソコンを介してデジタル化した動作として取り込まれ、スクリーン上に映し出される。
車体のフレームに鼻がぴったりつきそうなほど頭を深く下げた前傾姿勢で、伊藤選手が全力疾走を繰り返す間、計測は続けられた。固定された屋内練習用マシンが、今にも超高速で走り出しそうなパワフルな動きに、開発チームの視線が釘付けになる。「マシンとグローブが“ギア”なら、伊藤選手の腕は“車のエンジン”」と杉原が語る意味が腑に落ちてくるようだ。測定したデータを解析用ソフトに取り込むと、各マーカーの変位量が表示され、それらを繋ぐと、車体や伊藤選手のフォームや動きが浮かび上がる。インターバルを挟みつつも、立て続けに走った伊藤選手の額は、汗でびっしょりだった。
