医療 MEDICAL

自己修復&完全リサイクル可能!ウェアラブルデバイスの最先端、e-skinに注目

Yuka Shingai

ウェアラブルデバイスの中でも e-skin =「電子皮膚」の開発が世界中で進んでいる。 皮膚より薄く、柔軟な基盤と LED を搭載した「貼る」ウェアラブルはロボットや義手などに人の皮膚の機能や感覚を与えることができ、今後、医学や科学の分野で活躍すること間違いなしの新ジャンルだ。

コロラド大学ボルダー校が新しく発表した e-skin は貼るだけで圧力や温度、湿度、空気の流れを計測する通常の機能に加えて、破れても自分の力でまた修復することができる、そして完全リサイクル可能なシロモノだ。

「世界中で毎年何百万トンという電気電子機器廃棄物が生み出されているので、リサイクル可能な e-skin は経済的にも、環境面でも意義があると思っています」と同大学の機械工学部の助教授である Jianliang Xiao 氏は語っている。

「ターミネーターが撃たれたり、殴られたり、車に轢かれても、ものの数秒で再生する様子は見覚えがあるでしょう」と付け加えるのは共同研究者である Zhanan Zou 氏。

さすがにターミネーターばりの再生とまではいかないが、e-skin は多少損傷しても、80度ほどの熱を加えてプレスすればポリマーの共有結合とナノ粒子レベルの銀の力で修復することができる。

修復できなくなった場合はエタノール内でオリゴマー(通常10度以下で重合反応が生じる)とモノマー(ポリマーと融合する小分子)に分解させることでリサイクルすることができ、次の新しい e-skin を作る際に用いられるとのこと。

リサイクル可能であるか、エコフレンドリーかなど、サステナビリティが、今後ウェアラブルデバイスを選ぶ際の大きな指標となっていく可能性が濃厚だ。

[TOP画像引用元:https://www.colorado.edu/

(text: Yuka Shingai)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

RECOMMEND あなたへのおすすめ

医療 MEDICAL

呼吸をリアルタイムにモニタリング。充電も、取り外しも不要なヘルスタグ「Spire」

Yuka Shingai

ヨガや瞑想で深い呼吸を行うとリラックスするとともに、普段自分の呼吸がいかに浅いか気づくことがある。深呼吸には体内へたくさんの酸素を送りこむことで基礎代謝のアップや心身のバランスを整える効果があるとも言われているが、忙しい現代人はほとんどの人が浅い呼吸で過ごしているように思う。「息を吸うように」と表現される通り、当たり前に、無意識で行う動作だけに、自覚的に意識を向けることが難しい “呼吸” にフォーカスした製品を今回ご紹介したい。

サンフランシスコのベンチャー企業 Spire Health社が開発した「Spire Stone」と「Spire health tag」はズボンや下着につけて、呼吸数をモニタリングするヘルスタグ。スマートフォンのアプリと連携すると、呼吸の波形が確認できる。

呼吸状態は Calm(穏やか)、Focus(集中)、Tense(緊張)の3種類に分かれ、緊張状態になると画面が赤く変わり、長時間続くと振動してリラックスするよう呼びかける仕組みになっている。

この呼吸の分析結果を1日や1週間単位で表示したり、地図と連携することで場所と緊張状態の相関を示すこともできるし、落ち着くため・緊張を和らげるため・瞑想に至るまでなど専門家によるアドバイスを受けられる音声ガイドも搭載されている。

2018年に発売された最新モデルの「Spire health tag」は充電不要で約1.5年間使用が可能。さらに衣服と一緒に洗濯しても大丈夫という驚くべきスペックを備えている。

よくあるスマートウォッチやウェアラブル端末のように、単一のタグを使いまわすのではなく、複数の衣服につけてられるように、3個パック、6個パック、8個パックなど複数個を1セットにした販売方法も非常にユニーク。

Spireの公式ウェブサイトほか、Apple StoreやAmazonなどにも販売ルートを設けている。

ウェアラブルデバイスを日常的に使う習慣が後押しされそうだ。

(text: Yuka Shingai)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

PICK UP 注目記事

CATEGORY カテゴリー