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車の整備以外にも使えそうな高機能クリーパー「The Human Hoist」

Yuka Shingai

車の整備士が、点検や修理などの作業を行う際に、寝板やクリーパーと呼ばれる台に寝そべって車の下にもぐりこむ姿を見たことがあるだろうか。作業する上で必須アイテムとも言えるクリーパーは安全面で最適だとは言い難く、疲労やケガにも繋がりやすい。今回紹介する「The Human Hoist powered shop chair」はそんな悩みを解消してくれる画期的でユニークなアイテムだ。

Human Hoistを創案したEric Brittingham氏とKevin Ferguson氏はいとこの関係にあたる。彼らがこの開発に着手し始めたのは1990年代初頭、まだ18歳の時だった。身体的な問題をまだ抱えていなかった時から、車の上に昇ったり下りたりするのにより良い方法があるのではないかと考えていた彼らは、細かな改良を重ね、20年以上の歳月をかけてHuman Hoistの開発に取り組み、「The Human Hoist powered shop chair」は8年にも及ぶ開発とテストの結果、誕生した。

美容院のシャンプー台や歯医者の診察台のようなスタイリッシュな見た目、人の動きにぴったりと密着するような動きから、いかに高性能であるかがわかる。人間工学の考えに基づいて設計されたヘッドレストは5方向に可動し、バックレストは10度ずつ調整可能、3か所で支えてくれるキャスターはワンタッチでどんな方向にも固定できるなど、機能的汎用性が高く、航空、製造、輸送、リハビリほか様々な産業に展開していくことも可能だ。

体勢がぎこちなくなることもなく、自由自在に移動できるので仕事のしやすさは抜群、ステンレス製なので手入れも簡単、長く使えるのも嬉しいポイント。The Human Hoist powered shop chairが工場、医療機関、空港など身近な場所で作業者が楽しく快適に動いている姿を目にする日も遠くなさそうだ。

[TOP画像引用元:https://www.youtube.com/watch?v=aVaLBX5T060

(text: Yuka Shingai)

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レゴブロックで車いす、義足まで?! ネット上で話題のお手製レゴ医療器具

小泉 恵里

アメリカ、ニューヨーク州のロングアイランドにある動物病院が1匹の子猫を保護しました。この猫、病気が原因で下半身不随のため歩けなかったのですが、なんとレゴでお手製の車いすを作ってもらって装着!するやいなや元気にターっと走り回る映像がネット上で話題になっています。

マックと名付けられた猫は、幸いなことにお尻の感覚は残っていたので、病院はリハビリを行うことを決定。たまたまおもちゃ箱に入っていたレゴブロックで猫用の車椅子を作ったそう。え?レゴでいいの?!と思ってしまうが映像で見る限りきちんと動いています。元気に走り回る姿を見ると、可愛さに何度も何度も再生してしまい…はまります。

さらに、人間でもレゴブロックで義足を作れないかな?と自分の義足を作る人まで現れました。作業療法士であり研究者のクリスティーナ・ステファンスさんは自身の義足を製作し、その過程をYouTubeで公開しています。

足に直接レゴをあててサイズ感やフィット感を確かめながら立体を作り上げていく様子は、なんとも楽しそう。試行錯誤しながら完成した義足は片方の足との長さもピッタリで見た目的にもカラフルで可愛い。が、残念ながら一本踏み出したら折れてしまいました。「“レゴで義足を”というアイデアは冗談から生まれたもの。転んでケガをすると危ないのでマネしないで下さい。でも、人は時々バカになる必要がありますよ」とクリスティーナさんはコメントしています。

これらは両方とも、レゴの公式製品ではなく素人が自分たちのクリエイティビティをもとに自由に作ったもの。医療器具、福祉用具としての保証はないけれど、夢を感じる話です。

いつかレゴが医療や福祉分野とタッグを組めば、車椅子も義足も自分で作ろう!なんていうワークショップが出来るかもしれませんね。

(text: 小泉 恵里)

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