コラボ COLLABORATION

金メダルの、その先へ!【HERO X RADIO vol.16】

HERO X 編集部

ウェブマガジンの枠を超え、リアルに会い、リアルに繋がり、リアルに広がるしかけを作り出すメディア「HERO X」のラジオ番組『HERO X RADIO』。前回第16回のアーカイブ動画を公開、また次回の公開収録は10月11日(金)となっている。

リアルと繋がる場としてスタートしたラジオ番組『HERO X RADIO』は、Shibuya Cross-FM(http://shibuyacrossfm.jp/)にて、毎週第2・第4金曜 13:00-13:50 にオンエア中。渋谷のシダックススタジオから生放送でお届け、ネットからのリアルタイム視聴もできる。

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第16回 HERO X RADIO 放送内容:You Tube
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パーソナリティーを務めるのは「HERO X」編集長の杉原行里と、株式会社マグネットにて様々なプロジェクトや広告のプロデュースを手がける傍ら「HERO X」プロデューサーを務める佐藤勇介。毎回、次世代を見据えて活躍する“HERO”をゲストに迎え、日本のあるべき未来をディスカッション、番組内で出たゲストとのアイデアのうち、より具体性のあるものについては製品やイベントに落とし込むことまで考えていく番組となっている。

昨晩も深夜2時まで!?一緒に飲んでいたというプロデューサー佐藤と杉原編集長。第16回目を迎えた今回は、現在進行しているプロジェクトの総括と今後の展望について、2人でじっくり語り合った。

9月18日に「WF01TR」、「SS01」、「CYBER WHEEL X」の3つのプロダクトに関する記者発表を行った杉原率いるRDS。生まれて初めて記者発表を経験したという杉原のプロダクト開発秘話からトークがスタート。

アスリート向け車いすレーサー「WF01TR」の開発にあたっては、車いす陸上アスリートの伊藤智也選手を開発ドライバーに迎えたという。伊藤選手のドライブデータをセンシングし、可視化しながら開発を進めたそうだ。また、プロダクトの量産に向けたシーティングポジションシミュレータ「SS01」は、千葉工業大学との共同開発。そのあまりに画期的な性能に「夢のよう。ドラえもん来た!と思ったくらい。」と興奮気味に語る杉原。今後はこれらのプロダクトで培った技術を、「予測医療」という形で社会に発信していきたいと語る。その具体的な展望とは…!?「補完ではなく拡張へ」というスタンスがそのまま具体化された展望トークは、思わず聴き入ってしまうに違いない。

番組後半では、「Border Sessions」などのイベントに関する話題のほか、RDSのチームビルディングについても話が及んだ。社会のニーズに応えるだけではなく、それを凌駕して驚かせるというスタンスがここまで浸透しているチームは、他にないのではと語る佐藤。組織におけるトライ&エラーの大切さ、チームビルディングの秘訣のほか、佐藤から見た杉原の「すごいところ」トークまで飛び出して…!?熱量MAXの聴きごたえあるトークは必聴だ。

自分たちのアイデアで、どんどん新しい扉を開いていこう!東京2020が終了した後の未来まで見据えた、ワクワク感満載のトーク、ぜひ動画でチェックしていただきたい。

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過去の放送はこちらYouTube
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また、次回第17回となるオンエアは、10月11日(金)13時~。ゲストは小西哲哉さん、みんなのたかみちさん、中川雅俊さん。チームRDSの今後について話す予定。

小西哲哉 (こにし・てつや)
千葉工業大学大学院修士課程修了。パナソニックデザイン部門にてビデオカメラ、ウェアラブルデバイスのデザインを担当。退職後、2014年にexiiiを共同創業。iF Design Gold Award、Good Design Award金賞等受賞。2018年に独立しexiii designを設立。現在も継続してexiii製品のプロダクトデザインを担当。

 

中川雅俊 (なかがわ・まさとし)
RDSのPRプロデューサー。コミュニケーション設計からコンテンツ開発、メディアアプローチまで現場経験が豊富で、PR会社(株)マテリアルでは、IT・航空・レジャー施設・飲料・菓子メーカーなど幅広い分野の企業PR、地方自治体PRを担当。東京都のパラスポーツ応援プロジェクト「TEAM BEYOND」のPRも担当し、2017年に様々な領域のメンバーで事業をつくるCrystallize firm quodを設立。NPO法人 plususの理事長も務める。

 

みんなのたかみち
ワタナベエンターテインメント所属のお笑いコンビ「プリンセス金魚」のツッコミ担当。2016年10月より、相方の大前亮将が拠点を名古屋に移したため、『遠距離コンビ』となる。以来、単独でライブなどに出演し、ピンネタを披露する機会も増えている。TBSラジオ『アフター6ジャンクション』 TEAM BEYOND のコーナーを担当。パラ芸人としての立ち位置を確立しつつある。

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HERO X RADIO
毎週第2・第4金曜 13:00-13:50 ONAIR
http://shibuyacrossfm.jp/

(text: HERO X 編集部)

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フィーリングとデータは、分かり合えるのか?伊藤智也×RDS社【究極のレースマシン開発】Vol.4

岸 由利子 | Yuriko Kishi

車いす陸上スプリンターの伊藤智也選手とタッグを組み、エクストリーム・スポーツのプロダクト開発に精通したエンジニアやデザイナーらと共に、「チーム伊藤」を結成したRDS社。今秋より、同社がスタートした伊藤選手のオーダーメード・マシン開発の軌跡を追う本連載も、今回ではや4回目。パラリンピックの北京大会で金メダル獲得、ロンドン大会で銀メダル獲得という栄光の記録を新たに塗り替えるべく、伊藤選手の復帰の舞台となる「東京2020」に向けて加速するマシン開発の裏側を紹介する。

“感覚の数値化”から生まれた、
試作の数々

前回のミーティングでは、伊藤選手の既存のマシンを基に、“しなり”を含むマシンの動きや、走行中の伊藤選手のフォーム、力の分散バランスなどの力学的なデータを、3Dスキャナーやモーションキャプチャ、フォースプレートなどの機器を使って計測した。それから1ヶ月、RDS社の先行開発部は、それらのモーションデータを元に、「感覚を数値化」するべく、多角的な解析作業を行い、3パターンのハンドリム(駆動輪)と、2種類のグローブの試作を開発した。

ハンドリムとグローブは、いわば、車いす陸上用マシンの要。グローブでハンドリムを力強く“蹴る”ことで、マシンは走行し、加速していく。第3回目となる研究開発ミーティングでは、グローブがハンドリムに接地する角度や位置、接地面積など、緻密な調整を凝らした試作の実装実験が行われた。

感覚の数値化を伊藤選手や開発チームのメンバーと共有するために、RDS社先行開発部の岡部卓磨氏から、データ解析とハンドリムの試作の経緯についての説明が行われた。

「先月のテストで得られたデータをCAD上に落とし込み、二次元で可視化していきました。グローブがハンドリムに接触を開始する時と、リリースする手前とで、伊藤選手の親指の角度に変位が見られたので、ハンドリムの断面形状をその2箇所と中間点から抽出し、パターン1~3の試作開発に活かしてみました」

ハンドリムの試作は、中央が山なりになったもの、内側、あるいは外側にやや傾斜したもの、と異なる形状に仕上がっている。実装実験では、これらの違いと、グローブとの関係性が、駆動力にどのような変化を与えるのかを検証していく。

20年のアスリート人生の結晶と、
最先端テクノロジーの確かな融合

試作の一つを試すと、「このグローブ、相当エエんとちゃうかな。(ハンドリムに当てながら)、キャッチングの良さが全然違う」と伊藤選手。これまで伊藤選手は、自作のプラスチック樹脂製のグローブを使っていた。使えば使うほど、傷みも生じる消耗品ゆえ、新しいグローブが必要となれば、その都度、高温の樹脂を手にかけて型をとるという荒削りな方法で作ってきた。だが、自分の体のことを誰よりもよく知っている本人が作ったものだけに、グリップ部分は、吸い付くように伊藤選手の手によく馴染んでいる。開発チームは、この形状を活かそうと、既存のグローブを3Dスキャンにかけ、「親指を入れるパーツの上部面を5度上げたい」という伊藤選手からの要望を取り入れた試作を開発した。

手前がハネナイト。奥がハーネス。

さらに、ゴム素材にもこだわった。耐久性に優れ、かつ馴染みの良いゴムとして、伊藤選手が愛用してきたハーネス(Harness)の間に、衝撃吸収性の高い“ハネナイト”という名のゴムをクッションとして挟んだ。ハーネスのゴムシートの上で、ソケットレンチを垂直に落とすと、ポーンと軽く跳ね上がる一方、「ドスッ!」と音を立てて沈むほど、ハネナイトには、強力な衝撃吸収力がある。

「エキスパートとのマシンの開発って、本当に面白いですね。このグローブ一つにしても、僕の20余年の結晶と今の最先端テクノロジーが確実に融合しているので。本当に、ジャストフィットです」と満足げな様子の伊藤選手。

「フィーリングは、
めちゃくちゃエエ感じ」

「僕たちのミッションは、伊藤選手のこぎ方に合ったものを極限まで最適化していくことです。なので、伊藤選手、いつも通りにこいでください。それでは、始めましょう」と話すのは、開発の指揮を執る同社クリエイティブ・ディレクターで、HERO X編集長を務める杉原行里(すぎはら・あんり)

今回も、伊藤選手の感覚を数値化するために、モーションキャプチャでデータを計測しながら、実装実験は進められた。

「(こいでいる時の)フィーリングは、めちゃくちゃエエ感じです。“入り”と“抜け”の感覚が異常に良い。ただ、右が滑ります。左はそんなに滑ってないかな。おそらく材質の問題だと思います。それ以外は、めちゃくちゃこぎやすいです」

伊藤選手の言う入りとは、グローブがハンドリムに接触し始める時で、抜けとは、グローブをハンドリムからリリースする時のこと。インターバルを挟みながら、繰り返しこいでみたが、やはり滑るようだ。

「ペーパーで削って、バーナーで炙ると良くなるかもしれません」と、ハンドリムを自ら調整し始めた伊藤選手。今回の試作に使われているのは、自転車タイヤのゴム。炙ると、新しいゴム特有のぬめっと滑る感触は改善された。

その後も、実装実験は続けられた。グローブには、親指を入れる面と、人差し指と中指を入れる面の二つがあるが、後者でハンドリムを回そうとすると、滑ってしまい、全力でこぐことができないという状況が続いた。ハンドリムに使用したゴム素材とグローブ形状の相性が思わしくなかったことが原因である。

スローモーションの映像で、ハンドリムとグローブの接地具合を確認中の岡部氏(左)。

「断面が山型になっているパターン1のハンドリムに関しては、グローブインパクト時(グローブがハンドリムに接触する瞬間)、スムーズにこぐ動作へ移行できるという良いフィーリングを伊藤選手に感じてもらうことができました。ハンドリムという回転するパーツをさらに加速回転させるためには、いかに抵抗なく、減速させずに力を入れていくか。これが、キモになってきます。本来の目標であるハンドリムの駆動力向上データの取得は叶いませんでしたが、その一方、新たな試作を作る上で大切な要素の確証を得られたことは、大きな収穫です」と先行開発部の岡部氏は、実装実験の結果について話す。

この日、テスト終了後に行った3Dスキャンデータを基に、開発チームは、パターン1のハンドリムの本仕様の設計と、グローブに使うゴムを含める素材について再検討を進めている。果たして、心置きなく全力疾走できるマシンが、次回はお目見えするか?引き続き、「伊藤モデル」の開発過程を追っていく。

vol.1  獲るぞ金メダル!東京2020で戦うための究極のマシン開発に密着

vol.2  選手と開発者をつなぐ“感覚の数値化”

vol.3  100分の1秒を左右する“陸上選手のためのグローブ”とは?

伊藤智也(Tomoya ITO)
1963年、三重県鈴鹿市生まれ。若干19歳で、人材派遣会社を設立。従業員200名を抱える経営者として活躍していたが、1998年に多発性硬化症を発症。翌年より、車いす陸上競技をはじめ、2005年プロの車いすランナーに転向。北京パラリンピックで金メダル、ロンドンパラリンピックで銀メダルを獲得し、車いす陸上選手として、不動の地位を確立。ロンドンパラリンピックで引退を表明するも、2017年8月、スポーツメディア「HERO X」上で、東京2020で復帰することを初めて発表した。

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

(photo: 増元幸司)

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