テクノロジー TECHNOLOGY

さすが世界のディズニー!公開されたスタントロボットの動画がまさにヒーロー

中村竜也 -R.G.C

近年、ジュラシックパークに代表する恐竜や動物のリアルな動きを再現するアニマトロニクスといわれるロボット技術が映画の世界では多用され目覚ましい発展を見せているが、今回紹介する“Stuntronics(スタントロニクス)”とは一体何なのだろうか?


たしかにディズニーランドのアトラクションでも、コンピュータによって制御されたリアルで滑らかな動きのある生物を演出するアニマトロニクス”は使われているが、なぜにスタントロボなのか?

ディズニーは、この研究開発の一環として、2関節の棒状の体を持つロボットながら、内蔵センサーと関節の連携動作によって空中ブランコのように宙返りをして着地する“Stickman(スティックマン)”と呼ばれるプロトタイプを今年5月に開発。

動画引用元:https://www.youtube.com/watch?time_continue=17&v=MFtNcGnroa8

それからわずか2か月で登場したのが“Stuntronics”。世界を牽引する企業らしいスピード感である。“Stickman”とは違い、デッサン人形のようなボディ形状にすることで、人間が持つ関節の可動域を手に入れ、加速度センサーやジャイロスコープアレイ、レーザー測距技術などを組み合わせて、姿勢に応じた空中スタントを可能としている。開発者たちは、将来的にディズニーランドのショーやライド系アトラクションの一部で、Stuntronicsロボットの人間離れをした動きで、観客を沸かすことに期待しているという。

この映像からも伝わるように、人間に近い骨格と、重みを感じるスムーズな動きは、すでに我々が知っているヒューマノイドロボットを超越し、子どもの頃に抱いたわくわくする気持ちを蘇らせてくれる。まったく、ディズニーが持つしなやかでぶれない世界観はさすがと言わざるをえない。アニメやCGの中でしか見られない超アクロバティックなスーパーヒーローの動きが実現できるとなると、子どもたちにとって夢は膨らむばかりだ。

[TOP動画引用元:https://www.youtube.com/watch?v=ENa98h7M7qY

(text: 中村竜也 -R.G.C)

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テクノロジー TECHNOLOGY

眩しくて見えない!自動車事故は年に数千件。AIが影を認識して部分的に遮光する「Virtual Visor」とは

Yuka Shingai

雨や濃霧などの悪天候で運転中の視界が遮られるケースは多々あるが、実はそれよりも注意が必要なのが太陽の眩しさだ。普通の天候と比較して、太陽光が明るすぎると車の衝突は16%増加し、年間に数千件単位での事故が発生しているという。 ドイツ、シュトゥットガルトに本拠地を置く、テクノロジーサプライヤーのBoschグループはAIによる顔認識を活用した「Virtual Visor」を発表した。

「車に標準装備されているような従来のサンバイザーでは、特に日差しが視界の邪魔をする夕暮れや明け方に、眩しさを完全に防ぐことは難しい」とBoschグループのカーマルチメディア部門代表の Steffen Berns氏が語るように、サンバイザーで日差しを全て遮ってしまうと同時に視界も悪くしてしまう。Virtual Visorは「必要な部分だけ遮光できれればいいのに…」という簡単なようで贅沢とも言える要望に応えてくれた。

Virtual Visorには液晶ディスプレイと、ドライバーの顔に浮かぶ影を追跡するソフトウェアを内蔵したカメラが搭載されており、AIによる画像認識で目、鼻、口といった顔のパーツの位置を特定してくれる。このアルゴリズムがドライバーの視野を分析し、日差しがドライバーの目を直撃しそうな部分だけ液晶を暗くし、それ以外の部分は透明のままにしておくことで、ドライバーの良好な視界と安全、そして心地のよさを保ってくれる。

販売開始時期や価格など詳細はまだ明かされていないが、CES2020でも Best of Innovationを受賞し、既存の製品に取って代わる新しいソリューションとしての期待は大きい。

「最もシンプルなイノベーションこそが、最大の効果を発揮する」とBerns氏が豪語するように、優れたアイデアというのは極めて単純なリクエストを満たすものなのかもしれない。

 

(text: Yuka Shingai)

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