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“人を際立たせる” 車いすが登場! F1カーのカーボン素材を使ったスタイリッシュな車いす

HERO X 編集部

車いすというと、どうしても機能面に目が行きがちだ。確かに機能は重要な要素だが、車いすユーザーにも好みやニーズがあり、個人としての主張もある。そんな希望を叶えるのがカーボンブラックシステムが提供する車いす。ユーザーがより人間らしく、いきいきと生活できる新しい車いすだ。F1のエンジニアも参加して製作された同商品は、フルカーボンファイバー製で軽量性にも優れる。ホイールをユニオンジャック柄にするといった、大胆なカスタマイズも可能だ。

軽量ながら段差に強い
コンパクトで高機能な
カーボンファイバー製

英国・エディンバラに本社を置くカーボンブラックシステム社が提供する「カーボンブラック」は、ユーザーのニーズに応じてカスタマイズしてくれる車いす。軽くて強いカーボンファイバーを使い、快適さと安全性を両立させることに成功した。クッション部分を除いた重量はわずか3.5kg。タイヤ内部のサスペションが衝撃を吸収し、段差のある場所でもバランスを崩さずに移動できる。

開発者のアンドリュー・スローランス氏は、自身が車いすユーザーだ。14歳で脊髄に損傷をきたし、以来、車いす生活を送ってきた。20年間テレビ局に勤めたあと、このプロダクトに取り組むために起業。クラウドファンディングで資金を集め、子どもの頃から夢だった「高度な車いす」の開発に成功した。

この車いすに乗っている時、人は車いすや障がいには気づかず、車いすユーザーを「人」として見てくれると、愛用者は語る。ゴツゴツしたハンドルやひじ掛けを持たない「カーボンブラック」は確かに彼らのファッションやキャラクターにフィットし、溶け込んでいるように見える。

人間工学に基づいて設計されたデザインは、ユーザーの身体に快適さを提供する。パーツに丸みを帯びたデザインを採用し、衣服などにもひっかからないよう工夫した。超軽量素材のカーボンファイバーはF1で使用されているもの。F1のエンジニアも協力し、この革新的な技術が車いすに応用された。価格は3995ポンド+カスタマイズの料金となっている。

「カーボンブラック」で、世界中の車いすユーザーの認識を変えたい、と同社は主張する。ユーザーを身体障がい者と定義するのではなく、ユーザーを引き立たせる椅子、ビジュアル的に美しい椅子をデザインしたかったのだと、スローランス氏は語っている。まるで個性の一部のように見える車いすは、確かに私たちの認識を変えてくれる。リビングの椅子に座っているような感覚で利用できる車いすは、ユーザーの利便性を高め、行動範囲を広げてくれるだろう。

(トップ画像:http://www.carbonblacksystem.com/

(text: HERO X 編集部)

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韓国発、下半身不随や高齢者が歩くためのウェアラブルロボット

岸 由利子 | Yuriko Kishi

2018年3月9日のピョンチャンパラリンピック開会式に向けて、韓国の各地で行われた聖火リレー。そのトップバッターを務めたのは、「WALK ON」という名のウェアラブルロボットを着た下半身不随の聖火ランナー。この世界初のランナーの登場は、韓国のロボット先端技術の凄さを全世界に伝える千載一遇の好機となった。WALK ONの開発を手がけるのは、歩行困難にある人たちのためのロボット開発を目的に、韓国で立ち上がった「SG ROBOTICS」。その画期的なイノベーションの数々をご紹介しよう。

下半身不随の人が歩くための
画期的ウェアラブルロボット「WALK ON」

SG ROBOTICSを率いるのは、韓国・西江大学 機械工学科のKyoungchul Kong教授(以下、洪教授)。2011年、若干29歳にして同大学の准教授に就任した洪教授のもとに、フランスのあるカレッジから、「試験目的で、ウェアラブルロボットを製作して欲しい」という依頼があった。その製作を機に、洪教授は、本格的なロボット開発に乗り出し、やがて、the Severance Chiropractic and Rehabilitation Centerの参画のもと、リハビリテーションを目的としたロボットの開発に着手することになる。

そうして生まれたのが、下半身不随の人が歩くためのウェアラブルロボット、WALK ON。2016年10月8日、スイス・チューリッヒで行われた「サイバスロン」(http://hero-x.jp/article/538/)の外骨格ウェアラブルロボット部門で銅メダルを受賞し、早くも国際的な評価を得た。

最先端テクノロジーが凝縮された
テーラーメイド型ロボット

引用元:SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

引用元:SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

WALK ONのすべての歩行動作は、2本の専用スティックに搭載されたコントロールボタンの操作によって、安全に制御することができる。例えば、平坦な地面を歩く時は、ボタンを押すと前進し、また押すと次の一歩を進む。階段やスロープの上り下り、踏み石などの障がい物をまたぐ時などは、WALK ONがそれらをセンサーで検知し、スマートグラスを通じて、適切な歩行モードの提案を知らせてくれる。

重量は、バッテリーを含めて約30kg。フル充電で、5時間連続使用可能で、既存のウェラブルロボットの中では最高の250Nm(ニュートンメートル)の駆動力と、最大45rpm(回転/分)のスピードを誇る。

WALK ONの最たる特徴は、人それぞれに異なる歩行動作の範囲や関節の回転速度を、医学的データとして分析し、一人ひとりに合った仕様でデザインされていること。人間の足の生理機能を的確にとらえ、その歩行動作を優れたエネルギー効率性と共に再現した、いわばオーダーメイド型ウェアラブルロボットだ。

高齢者、部分的な障がいを持つ人のための
ウェアラブルロボット「ANGELEGS」

引用元:SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

サイバスロンで快挙を成し遂げた翌2017年に発表されたのが、高齢者や部分的な障がいを持つ人のための新たなウェアラブルロボット「ANGELEGS」。個人差はもちろんあるが、筋力が低下している人も、部分的な障がいがある人も、自分の意思で足を動かすことができるため、ANGELEGSでは、人間の生体分子を識別するバイオセンサー(化学センサー)は使わず、必要な時に、ユーザーの歩行動作を認識し、その動きを助長するために、メカニカルセンサーのみを採用。バッテリーを含めて約12kgと軽量で、計12ヶ所に組み込まれた関節部分が、心地よい装着感を実現している。

昨今、世界各地でウェアラブルロボットの開発が進められているが、筋力が低下した人に特化したウェアラブルロボットの分野で、ANGELEGSの右に出る者はまだいない。2017年、ドバイで開催された「UAE Robotics for Good Awards」では、アジア発のイノベーションとして、唯一ファイナルまで勝ち進み、その実力を大いに見せた。SG ROBOTICSによると、2019年の前半には、ANGELEGSを商業化する予定だ。

引用元:SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

2018年2月に、米国ロサンゼルスで開催された「SOLIDWORKS WORLD 2018」では、子ども向けのウェアラブルロボットのプロジェクトに着手し始めたことを明かした洪教授。まだ構想の段階ではあるが、ANGELEGSの小型化を想定しているとほのめかしている。

ロボットは、人々に驚くべきテクノロジーを示すだけでなく、日常の必要を満たすものであるべき。だからこそ、開発者の視点からではなく、ユーザーの視点でロボットを作っていく――SG ROBOTICSの強い信念が、人間とロボットの共生する日常を実現することは、想像にかたくないだろう。

SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

[TOP動画引用元:https://youtu.be/Ahict2CI7oQ

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

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