医療 MEDICAL

健康管理はリアルタイムに。次々と登場する腕時計型デバイス

Yuka Shingai

IT、スポーツ、ヘルスケア、ファッション等、各分野のファンが熱い視線を送り続けるウェアラブルデバイスの進化は2020年も更に勢いを増すばかり。これまでも数々のノーベル賞受賞者を輩出し、米国屈指の研究機関としても名高いノースカロライナ州立大学は、様々な健康状態を知らせてくれる「汗」に着目した新型デバイスを発表した。

汗から健康状態を分析する
ウェアラブルデバイス

論文の責任著者であり、同大学のコンピューターエンジニアリング学部の助教授のMichael Daniele氏によると、検知する物質はブドウ糖などに限定されるわけではなく、電解質など他の物質に置き換えることも可能とのことだ。

個人のヘルスケア管理に留まることなく、軍事演習や、スポーツ中にユーザーが脱水など危機的状況に陥っていないかなどをトレーナーや専門家に即時で伝えることができれば、死傷者が出るような不慮の事態を減らすことができるはずとDaniele氏はデバイスが持つ社会的な意義についても語っている。

これから生産先となるパートナーや追加のオプションを検討している段階のため、販売価格はまだ不明ながらも「製作自体は数十ドル、センサーについても糖尿病患者が使う血糖測定紙と同程度」と、手に取りやすそうな価格が期待できそうだ。動作確認のため、今後も様々なシナリオを想定して継続的にテストを行っていくとのことで、商品化までの道のりを楽しみに追いかけていきたい。

こんなことも
「腕時計型デバイス」で検知可能!

HERO Xではこれまでも「腕時計型」デバイスには注目してきた。脱水を知らせるウェアラブルデバイス「LVL」は、腕に巻くだけで熱中症対策ができるというもの。

【記事URL:http://hero-x.jp/movie/6707/

また、こちらの「PROOF」は、血中アルコール度数をリアルタイム検知するというものだ。飲みすぎ注意なこの季節に有効なデバイスである。

【記事URL:http://hero-x.jp/movie/6632/

気軽に、そしてリアルタイムで健康管理が可能な腕時計型ウェアラブルデバイス。開発中のものも数多く、今後のさらなる進化を期待したい。

(text: Yuka Shingai)

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医療 MEDICAL

医療機関、飛行機…コロナ対策で緊張が続く現場を守るロボットたち

Yuka Shingai

コロナウィルスの影響で、医療従事者や公共交通機関の職員など「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる人たちの奮闘が続くなか、ロボットの力で現場の負担を軽減しようという流れが加速している。ロボットの働きはどこまで進化し、ウィルスの拡大を食い止められるのか。広範囲での活躍が見込まれるロボットを2種紹介しよう。

来院者の検温や受付対応も!
医療機関を助けるロボット「Cruzr」

ファーウェイ、テンセント、Ankerなど有数のハイテク企業が集まり、「中国のシリコンバレー」とも呼ばれる深セン市発のロボットメーカーUBTECH社は、2012年の設立以来、Alphaなどの二足歩行ロボットや、世界中に展開しているSTEMロボット「Jimu Robot」、スター・ウォーズの「ストームトルーパー」などの販売を行ってきた。いま同社のクラウドベースのヒューマノイドロボット「Cruzr (クルーザー)」をベースとした医療機関向けロボットを開発、販売を見越した実証に向けて動きが進んでいる。

その「Cruzr」をベースとした医療機関向けロボットでは、医療機関の来院者の検温や受付支援を行うことができ、神奈川県川崎市にある麻生総合病院など複数医療機関での実証実験を行い、金融機関やホテル、交通インフラ、学校などを中心に3年間で1500台のロボットを販売する予定だ。ロボットがツールとしての役割を飛び越えて、仕事仲間として日常生活に溶け込む未来がもうそこまで迫っているのかもしれない。

UV-Cライトで飛行機内を
滅菌するロボット『GermFalcon』

コロナウイルス以前からSARSやMERS、そして毎年流行するインフルエンザなど、ありとあらゆる感染症の蔓延危機と闘ってきた飛行機。アメリカ・カリフォルニア州のイノベーション企業Dimerが開発した『GermFalcon』はUV-Cライトでウイルスやバクテリアを殺す、飛行機内の滅菌に特化したロボットだ。機内のプラスチック、金属、皮革やそのほかのファブリックなどに使うことができ、オペレーションモードを座席部分、調理室、洗面所の3種類に切り替えて使用ができる。ボーイング737シリーズやエアバスA320シリーズであれば3分程度で99.99%除去できるほど、そのスピーディさも大きな特長と言えるだろう。

Dimerはコロナウイルスの流行が始まった1月下旬に、米国内の主要空港であるロサンゼルス国際空港、サンフランシスコ国際空港、ジョン・F・ケネディ国際空港に『GermFalcon』を無償で提供を開始している。世界各国の航空会社が国内線、国際線ともに大幅に減便や運休を行っているとはいえ、検疫体制が強化されるなど空港内の緊張も続く今、機内での感染拡大が堰き止められることを願うばかりだ。

事態の収束はもちろんのこと、ヒューマンリソースに余裕ができ、現場に安心感がもたらされることにも期待したい。

(text: Yuka Shingai)

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