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Monthly Selection:1月のおすすめ記事 Best5

HERO X 編集部

2019年がはじまって、早くも1カ月。皆さんのスタートはどうだったでしょうか。1月の「Monthly Selection」では、ちょっと前を振り返ってみようということで、2018年に多く読まれた記事のBest5をご紹介します。

2018年PV数 第1位
乙武洋匡が人生初の仁王立ち!
話題のロボット義足を手掛けた小西哲哉のデザイン世界
【the innovator】後編

2018年に最も読まれ記事に輝いたのは、小西哲哉さんのデザイン哲学を探るインタビュー。さまざまなメディアで話題になった、乙武さんの仁王立ちプロジェクトにも参加している小西さんが、プロダクトデザインをする上で大切にしていることとは?前後編に渡るインタビューをお楽しみください。

2018年PV数 第2位
落合陽一が率いる新プロジェクトがついに始動!
「X DIVERSITY」の全貌に迫る

テレビなどの出演も多く、注目度の高い落合陽一さんが手掛けるニュープロジェクトに迫った記事が、第2位にランクイン。研究者やデザイナーが手を組み進める「X DIVERSITY」とは一体なんなのか?2018年3月に日本科学未来感で開催されたシンポジウムに潜入しました。

2018年PV数 第3位
 骨折の治癒速度が格段にアップ!
低出力超音波パルスを装備した「3Dプリントギプス」

乙武さんや落合さんといった有名人の名前が続いた後に、純粋にプロダクトとして注目されたのが、こちらの「3Dプリントギブス」。説明を聞かなければ誰もギプスとは思わないであろうスタイリッシュな見た目にもかかわらず、治癒速度が従来のギプスよりも大幅にアップするという驚きのプロダクトです。

2018年PV数 第4位
VRで辛いリハビリをエンタメに。
医学会の風雲児が仕掛ける「mediVR」の挑戦
【the innovator】前編

誰にとっても辛いリハビリを、楽しく、しかも効果的なものにしてくれる。VR技術を使った、新しいリハビリプログラムとは、一体どのようなものなのか。株式会社mediVRの代表取締役である原正彦さんへのインタビューが4位にランクインしました。

2018年PV数 第5位
女子大生チェアスキーヤー村岡桃佳。
「金」に向かって一直線!
【2018年冬季パラリンピック注目選手】前編

2018年に開催された平昌パラリンピックで、なんと5つものメダルを獲得した村岡桃佳選手。一躍時の人となった彼女が、大会前に「HERO X」の編集長である杉原に語ってくれた本音とは?あの感動の裏にあった、村岡選手の覚悟に迫りました。

(text: HERO X 編集部)

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沈んだ世界でもサバイブできる!?人間のエラ呼吸を可能にする「AMPHIBIO」

川瀬 拓郎

西日本豪雨による被害が大きなニュースとなった今年の夏。自然の猛威をまざまざと見せつけられただけではなく、かつてない台風の進路や雨量をもたらしたのは、地球温暖化がその要因の1つと言われている。実際今年の夏は、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジアでも、こうした豪雨による被害が相次いでいることからも、日本だけに見られる災害でないことは明白だ。

最新の研究では、2100年までに3.2℃の温度上昇が起こると予測され、海面水位の上昇は0.5~30億人の人々に影響を及ぼし、沿岸部に位置する大都市を水没させると言われている。数々の作品が映画化されたことでも知られる、SF作家のJ.G.バラード、彼が1962年に発表した『沈んだ世界(原題:The Drowned World)』は、まさにそうしたディストピアを描いた、金字塔的作品である。

さて、そんな沈んだ世界で人間が生き延びているとすれば、どんな姿をしているだろうか? 水陸両用という意味を持つamphibiousという英語から命名された、AMPHIBIO(アンフィビオ)は、現在考え得る1つの可能性を提示してくれる。

Design by Jun Kamei  Photography by Mikito Tateisi  Model : Jessica Wang

女性モデルの首からスカーフのように下がる白いものがアンフィビオだ。エラの形状を取り入れたデザインは、近未来的であると同時にファッション性も感じさせる。この水陸両用服は、周囲の水から酸素を補給し、システム内に蓄積する二酸化炭素を排出する、特殊な多孔質の疎水性材料でできている。

“このメカニズムは水に棲息する水中昆虫の呼吸メカニズムからヒントを得て作られた。この水中昆虫は撥水性の毛で覆われているため、水中でも薄い気泡をその表面に保つことができる。さらにこの薄い気泡は、水中から酸素を取り出すエラのような機能を果たしている。昆虫が呼吸をすると、気泡の中の酸素の分圧が水中の酸素の分圧よりも低くなるため、水中から酸素が気泡に移動していく。同様な原理で、呼吸によって蓄積した二酸化炭素は逆に水中に移動していく”。(プレスリリースより)

斬新な水陸両用服を発明したのは日本人

Photo by Michael Holmes taken at TEDxTokyo

この水陸両用衣服を作り出したのは、バイオミミクリー・デザイナーのカメイジュン氏。この聞きなれないバイオミミクリー(Biomimicry)とは、自然界や生物の仕組みに学び、そのデザインやプロセスを真似ることで技術開発を行い、様々な社会問題の解決と環境負荷低減を実現しようとするコンセプトである。カメイ氏は2017年から、Singularity University Japanのデザイナーとして活動し、英国の名門ロイヤル・カレッジ・オブ・アートと東京大学との国際協力によるRCA-IIS Tokyo Design Labの協力のもと、この革新的プロダクトを生み出した。

実用化を目指しさらなる研究は続く

Design by Jun Kamei  Photography by Mikito Tateisi

水中に溶けている酸素を効率的に取り込むためには、広大な表面積が必要となる。そのため、カメイ氏は表面積を最大化できる形状をコンピュターで算出し、新しく開発した材料を3Dプリンターによってアンフィビオを作製した。実用化するまでにはまだ及ばないが、近い将来、呼吸によって酸素が消費されても、酸素濃度レベルを一定に保つ技術につながるとカメイ氏は期待している。

バイオミミクリーによって生まれたこの先端技術で、人間は水中でも長時間活動することができるかも知れない。何はともあれ、沈んだ世界というディストピアにならないことを願うばかりだが…

[TOP画像:Rendering by Kathryn Strudwick]

(text: 川瀬 拓郎)

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