テクノロジー TECHNOLOGY

目が見えない人は、どうやってタッチスクリーンを使っているの?

小泉恵里

今や生活の必需品になっているのがi-padなどに代表されるタブレット端末ですが、点字読者にとって主流のタッチスクリーン方式では使用が困難です。

そこで登場したのが点字読者のためのタブレット「BLITAB」。ウィーン発のこのタブレットのサイズはi-padと同じですが、画面の半分以上に広がっているのが無数の穴。この穴から点字突起を出すことで点字読者が操作しやすいデバイスになっているのです。

タッチナビゲーション、テキスト読み上げアウトプット、パーキンス式点字キーボードを通して使用可能。液晶タブレットのブラウザで検索した結果を点字に変換することができるので、点字読者と非点字読者の両方が同じ情報を瞬時に共有することができるのです。


USBメモリ、NFCタグ、インターネットを通して得られた情報やテキストを直接点字に変換表示することも出来るのだから、目が見える人と同じようにネットサーフィンや読書、手紙交換…など様々な事がストレスフリーで実現できるなんて、嬉しいことですね。

これまでも、電子書籍やウェブサイトを点字表示する器具は登場していました。しかし、価格が高かったり、一度に表示できる文字数が少なかったりと、点字読者にとって満足のいくものではありませんでした。これが「BLITAB」は従来の価格の約10分の一(500ドル前後)で発売される予定とのことです。

現在はまだ開発中とのことですが、近々発売スタートする予定。ウェブサイトではプレオーダー登録が出来ます。
やっと画期的でクールなデザインのデバイスが登場!待ち遠しいですね。

BLITAB:http://blitab.com/#project

(image by BLITAB)

(text: 小泉恵里)

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テクノロジー TECHNOLOGY

人間の感覚を拡張する!?超人的な反射神経を実現するウェアラブルデバイス

Yuka Shingai

近年、エクササイズ機器として活用されることが増えたEMS(=Electrical Muscle Stimulation、筋電気刺激)。運動神経を通じて、筋肉に「動け」と指令する脳の動きにかわって、筋肉に直接電気を流すことで収縮・弛緩させる仕組みだ。ソニーとシカゴ大学の共同研究チームは、この仕組みを利用して、人間の反射神経が向上したかのように感じさせるウェアラブルデバイスを現在開発中だ。

人間の平均的な反射反応時間は約250ミリ秒(4分の1秒)と言われているが、このデバイスを装着することによって反応を200ミリ秒前後にまで縮められると同チームはコメントしている。

つまり、脳が筋肉を動かすように指令を出し、伝達されるまでに約50ミリ秒かかっているということ。実際は脳の指令によって筋肉を動かしているはずなのに、さも自分の意志で身体をコントロールしているかのように錯覚してしまうのは、「意図」と「行動」の間に存在するこの約50ミリ秒の仕業ではないかというのが彼らの持論でもある。

ちなみに、通常の反応時間よりも80ミリ秒短縮しても、「自分自身のコントロールで身体を動かした」と認識するとの研究結果も出ているそうだ。

現在、ウェアラブルEMSの一般化には至っていないが、超人的な反射神経を実現し得るのだとすれば、この技術の発展に期待しないわけにはいかない。

プラスアルファの能力を備えようとすると、現段階ではパワードスーツやロボットアームなど、アイテムを「装着」する感覚がつきものだが、これからは、あるがままの姿に寄り添うような形での身体拡張が身近になっていくのかもしれない。

[TOP動画引用元:https://youtu.be/1BT8REEJibM

(text: Yuka Shingai)

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