対談 CONVERSATION

どん底から這い上がった人気アイドル・仮面女子 猪狩ともか、新たなプロジェクトが始動

宮本さおり

歩行中、突風で突然倒れた看板の下敷きとなり、車いすでの生活を余儀なくされた人気アイドルグループ仮面女子の猪狩ともかさん。車いすユーザーとなって2年が過ぎた今はアイドルとして日々のステージに立つほか、今年は初の著書『100%の前向き思考──生きていたら何だってできる! 一歩ずつ前に進むための55の言葉』が出版となり、ソロでの活動も精力的に行っている。「パラスポーツ・バリアフリー応援大使」として、イベント登壇もこなすなか、バリアフリー化や車いすについて、思うこともあるという。今年某日、HERO X 編集長・杉原行里が猪狩ともかの素顔に迫る対談を行った。

〝日本には優しい人が沢山いる〟

杉原:以前、TBSのラジオ番組でご一緒して以来ですね。お久しぶりです。あれ、車いす、 変わりましたか?

猪狩:そうなんです。あの時は注文している最中で、仮の車いすだったんですが、やっと届きました。こちらが私の車いすです。

杉原:すごくいいのを買われましたね。

猪狩:そうですか。ありがとうございます。

杉原:そして、ものすごく車いすがきれい。こんなにきれいに使っている人、会ったことがないです。僕が良く会う車いすユーザーはおじさんが多いからかな。もう、ぼこぼこの方が多くて(笑)

猪狩:褒めていただいて嬉しいです。実は、毎日拭いているんです。

杉原:やっぱり! おじさんたちは車いす拭きませんからね。軸のためにキャスターだけは守ろうと思うのか、そこだけはしっかり拭いたりされていますけれど。

見えてきた人の優しさ

杉原:今日はいろいろとお話しを伺いたいなと思ってきましたが、まずは、車いすユーザーになられて、ものの見方が変わったり、見える景色が変わったなというようなことはありますか。

猪狩:世の中に優しい人が沢山いるんだなということは見えるようになってきました。先日、猫の譲渡会に行ったのですが、会場となったところが階段を少し登らないと入れない建物だったんです。自分では登れなくて、車を止めに行った家族を階段の下で待っていたのですが、そうしたら「何か手伝いましょうか?」と声をかけてくれる人がいたんです。車いすごと階段を持ち上げるのって、ちょっとした坂道で車いすを押してもらうのとは訳が違うじゃないですが。私の重さプラス車いすの重さを持ち上げなくてはならないので。

杉原:そうですよね。慣れていないとキャスターが回っちゃったりするから大変なんですよね。重たい荷物を持つのとも訳が違いますよね。

猪狩:そうなんです。だけど、そこにいた人たちが協力して階段の上まで運んでくれたんです。本当に助かりました。そんな風にちょっとした段差とかで手を差し伸べてくださる方と多く出会えていて、いつも助かっているし、優しい人って結構いるもんだなと。

杉原:なるほど。日本人は手助けすることが苦手な傾向があると僕は思っていたのですが、猪狩さんの話を聞くと、そうでもなくなってきているのかな。

猪狩:私はわりと出会えています。優しい人たちに。

杉原:でもまだ助けるのも助けられるのも苦手な人って多いように思うんです。例えば、重たい荷物を持っている人に「手伝いましょうか?」と声をかけたら「いえいえいえ、大丈夫ですから」って、荷物を手前に引かれたことがありました。まるで荷物を取られるかもしれないってくらいの勢いで引かれましたよ(笑)。多くの人はまだ助けられることに「申し訳ない」という気持ちが働くのではないかと思うんです。

猪狩ともかはこうして
車いすをチョイスした

杉原:今乗っているこの車いすはどうやって選んだんですか?

猪狩:リハビリでお世話になっている所にいろいろとカタログとか、実物とかがあって、その中から選びました。

杉原:選ぶ時にどんなところに気をつけて選ばれましたか?

猪狩:周りの方から、常用のは絶対に固定車が良いよと聞いていたのですが、私の場合、車や新幹線での移動も多いから、どうしても折りたためるものでなければ使い勝手が悪いなと。だから、固定車のような安定感がありつつ、折りたたみができるものと思って選びました。

杉原:なるほどね。海外だと固定車の方がシェアが多いところもあるけれど、日本の場合は圧倒的に折りたたみが人気なんですよ。やはり、スペースの問題もあるから。

猪狩:そうなんですね。この車いすは一昨年買ったのですが、とても乗りやすいです。ただ、一昨年自動車免許を取ったのですが、車に乗り込むのはできても、今の車いすだと重さがあるので自分で積めないんです。だから、もうすこし軽いものを外用にもう一台買いました。

ヘアアクセサリーのように
変えられる車いす

杉原:使う場面に合わせて気軽に替えられたら面白そうですよね。僕は車いすがメガネみたいになったらいいなと思っている。目が悪い人が増えて、メガネをかけていることは特殊なことではなくなった。ファッションとしてメガネを取り入れるスタイルが当たり前になったけど、そういうことが今後、車いすでも起こってきたらいいなと。高齢化が進むことで車いすユーザーは増えると思うけれど、今はまだ、車いすのチョイスが少ない。メガネのように服装やTPOに合わせて乗る車いすを替える、そんな風になったらいいなと思っています。似たようなことを以前ご一緒した時に猪狩さんも言われていた記憶があるのですが。

猪狩:デザインやテクノロジーの力で新たなストーリーや選択肢が出てきたらというようなことを言っていたかもしれません。でも、自分の中ではまだ特に確かなものってないんです。ただ、選択肢が広がればいいなとは思います。

杉原:ステージの様子も動画でいくつか拝見しましたけれど、ほぼ毎日ステージをこなされているとか。なかなかハードな日々ですね。

猪狩:そうですね。でも、こうやって活動を続けられていることは本当にありがたいです。そういえば、杉原さんにご相談しようと思っていたことがあったんですよ。以前ラジオでご一緒した時にもお話していたのですが、武井壮さんからプレゼントしてもらったLEDがついている車いすなんですが、ステージで使っていたら、どういう訳かぜんぜん光らなくなってしまって。

杉原:前にお目にかかった時に言われていましたよね。そうそう、それで、僕からも連絡をしようと思い、いただいていたSNSのアカウントでお返事しようとしたら、アカウントが変わっていて、送れなかったんです。

猪狩:アカウント、変わりました(笑)。スタッフにもどうにか杉原さんに連絡取れないだろうかと話していたので、今回こうして対談という形で実際にお伝えできてよかったです。

杉原:その時にも少し状況は聞いていたのですが、LEDが光らなくなったのは、恐らくバッテリーの問題だろうと思います。そこを改良すれば、もう一度点くようになりますよ。

猪狩:よかった! じゃあ、直るんですね! それから、もうひとつお願いがありまして、仮面女子はグループ内でもいくつかのチームに分かれていて、私はその中のスチームガールズのメンバーなんですけど、スチームガールズはステージに登場する時に、スチームをプシューっと勢いよく出しながら登場するんです。だけど、わたしだけいつもメンバーからスチームを受け取って、スチーム出したらまたメンバーに渡してという感じの動きになっていて、なんとかできないかなと思って…。いっそのこと、車いすから直接スチームが出たらいいのになとか。

杉原:なるほどね。それはいいかもね。そうやってカスタマイズしていけるのって面白いと思います。猪狩さんの場合はステージで使う用のパーツとして、普段使っている車いすに後付けでつけられるものができたらいいよね。iPhone なんかは例えばカバーなど、後からアクセサリを付けて楽しむものがたくさんある。こういうものが生まれてくることをサードパーティーと言いますが、デザインの観点の入っていない所というのは、このサードパーティーがなかなか生まれてこない傾向がある。車いすもそのひとつだなと僕なんかは感じています。本体、骨組みはそのままで、カスタマイズできたら楽しくなるだろうなと。ミニ四駆みたいに。猪狩さんはミニ四駆は知ってますか?

猪狩:知らないです。

杉原:そうか、世代じゃないですよね。ミニ四駆は小さなレーシングカーみたいなもので、ラジコンの小さいのをイメージすると分かりやすいかな。タイヤとかいろいろとパーツが売られていて、一度本体を買うと、パーツを変えることでオリジナルな一台が作れるんです。

猪狩:へ~、楽しそう! それはいいですね。ステージ用車いすも衣装によってヘアアクセサリーを替えるみたいに、装飾や雰囲気を替えられるパーツがあったら気分も上がりそうです。

杉原:僕のところにはそういうカスタマイズのオーダーも意外といろいろ来ますよ。おしゃれな人は足元にも気を使うじゃないですか。靴がかっこよく見えるように「足元がしっかりと見せられる車いすにしてほしい」というオーダーがきたこともありました。車いすは人によっては足を置くステップの位置の関係で、靴が見えにくくなってしまうことがあるんです。そこを改善したいというオーダーでした。猪狩さんの場合はもしかすると、足元になにかこうカバー的なものをかっこよくつけてあげてもいいかもしれません。例えば、インクの中にLEDが練りこんであるような特殊なインクがすでに出回っていますから、それで装飾を施してもいいですよ。通電させてあげればそのペンキを塗った部分が光るので、ステージ用にはいいかもしれません。

猪狩:そんなこともできるんですね。それだといろいろとデザインも描き出せるから面白そうです。

杉原:猪狩さんが「あったらカッコイイだろうな」と思うステージ用車いすのアイデアをいくつか出してみてください。そうしたら、なんかできることがあるかもしれない。

猪狩:本当ですか! いやぁ、杉原さんから連絡がなかったから、これで “私の夢は叶わないかも” なんて思っていたのですが、今日叶いました!

杉原:いやいや、夢はもっと大きく持ちましょうよ(笑)。今、目標にしていることはありますか?

猪狩:まずは、12月にZeppHanedaであるイベントを成功させることです。私にとっては、仮面女子としては最後の大きなステージとなるので、成功させたいと思っています!

杉原:応援しています!

猪狩:ありがとうございます!

猪狩ともか
アイドルグループ 「仮面女子」のメンバー。2018年に歩道を通行中に強風で倒れてきた看板が激突し脊髄損傷に。両下肢麻痺が残り車いすでの生活となった。その後もアイドルとして活躍。大の埼玉西武ライオンズファンとしても有名。

(text: 宮本さおり)

(photo: 壬生マリコ)

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対談 CONVERSATION

WOWOWスタッフが、「WHO I AM」で伝えたいこと、見えてきたこと 前編

川瀬拓郎|Takuro Kawase

WOWOWと国際パラリンピック委員会(IPC)が共同で立ち上げた、世界のトップパラアスリートたちの姿を追ったドキュメンタリー番組「WHO I AM」。10月に放送が決定した、待望のシーズン3を前に、8月22日(水)から登場選手たちの特別ミニ番組が放送される。2016年から2020年まで、5年間に渡る番組制作の折り返し地点に立ち、2020東京オリパラが迫ってきた現在。プロデューサーの太田慎也氏へ、HERO X 編集長の杉原行里が対談を行った。「WHO I AM」のこれまでとこれから、そして2020オリパラの先へ、さまざまな角度で語り合う。

左:HERO X編集長:杉原行里 右:WHO I AMチーフプロデューサー:太田慎也氏

分かりやすい競技、
分かりやすい実績の選手

杉原 まず、番組について伺いたいのですが、番組で取り上げるものとして、パラスポーツ初心者でも楽しめ、魅力が伝わりやすい競技ということを意識されていますか?

太田 2016年にWHO I AMのシーズン1が始まりましたが、立ち上げる前年まで、パラスポーツに関して何も知らなかったんです。まずやったことはGoogle検索でした(笑)。国枝慎吾、オスカー・ピストリウス、アレックス・ザナルディぐらいしかパラリンピアンを知らず、とにかく選手について調べることから始めました。きっと多くの視聴者も同じ状況だろうと考えていたので、シーズン1で取材する選手を選んだ基準として重要視したのは、分かりやすい競技と分かりやすい実績であることでした。

杉原 分かりやすいというのは、視聴者が分かりやすいということですか?

太田 誰もが見慣れたスポーツであること、過度なルール説明が不要なスポーツであることを優先したのです。水泳、陸上、(車いす)テニス、(シッティング)バレーボール、(ブラインド)サッカー、アーチェリーの金メダリスト8名に取材することを決めました。パラ独自の競技については、深い知識もなく、万全の取材ができるという自信がなかったこともあったので。今となってはむしろ、ボッチャの取材が楽しくて仕方がないほどになりました。トップスポーツとして自然に見られるし、どの競技にも親しみを覚えています。

HERO X編集長:杉原行里 東京生まれ。

シーズン2で森井選手が選ばれた理由とは?

杉原 僕がパラリンピックに関わるようになったきっかけは、(アルペンスキーの)森井大輝選手でした。でも、彼と出会うまでは、時速130キロで走るチェアスキーという競技があることすら知らなかったんです。太田さんはWHO I AMシーズン2で森井選手を取材していますね。それは、取材したいと思わせる選手だったということなんでしょうか?

太田 そうですね。実際に会ってみたい、話を聞いてみたい、というのが最終的な決め手になりますね。シーズン2はタイミング的にもピョンチャンパラリンピックを見据えた時期でしたから、冬季の競技は入れるべきだと考えていました。

杉原たしかに彼はキャラ立ちしていますからね()

太田 過去のパラリンピックの実績だけで考えると、他にも取材したい選手はたくさんいたのですが、どうしても森井選手が気になっていたんですね。カッコつけた言い方になってしまいますが、そこはドキュメンタリストとしての嗅覚が働いたと。なぜなら彼は、今回こそは金メダルを!と言われながら獲得できず、というパラリンピックを3大会続けていましたから。これは必ずや面白いドキュメンタリーができるぞ!という感覚があったのです。取材を通じて森井選手のギア開発へのこだわりや、トヨタ自動車さんとの開発プロジェクト、RDSさんの存在を初めて知ったのです。

杉原 森井選手とWHO I AMの話をしていたとき、開発していたチェアスキー用シートのことが、色々バレちゃうかもしれないけど大丈夫なの?と訊きました。すると彼は『WOWOWの人たちなら大丈夫』と。

太田 良かった! そう言っていただけるのは本当に嬉しいですね。

WOWOW 制作局 制作部「WHO I AM」チーフプロデューサー:太田慎也  2001年WOWOW入社。営業企画・マーケティング・プロモーション部門を経て、2005年に編成部スポーツ担当に。サッカー、テニス、ボクシング、総合格闘技などの海外スポーツ中継・編成・権利ビジネスに携わる。2008年、WOWOWオリジナルドキュメンタリー「ノンフィクションW」立ち上げ時の企画統括を務め、自身もプロデューサーに。ドキュメンタリー番組でこれまで、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー賞選奨受賞を受賞。IPC&WOWOWパラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM」のチーフプロデューサーを務め、同番組で日本民間放送連盟賞 特別表彰部門優秀を受賞。

友人として付き合えることが何よりの財産

杉原 森井選手がなぜWOWOWのスタッフを信用していたのかを僕なりに考えました。それは皆さんが、良い意味でのスポーツオタクばかりで、とことん勉強しているからだと。どうしてもパラスポーツの取材は、きっかけとして障がいの話を持ってきたがる人が多いのです。でも、WOWOWはそうしなかった。まず障がいありきではなく、僕は純粋にスポーツが観たいんですね。そういう姿勢に共感できたし、だからこそ森井選手もWOWOWスタッフを信用できたのだろうと。

太田 まず、トップアスリートのドキュメンタリーを作りたいというのが根本にありますから。もちろん事実として、障がいの経緯や原因を取材することはありますが、それはあくまで関係性を構築していってからの話。選手によっては、その話はしたくない、ここを撮影して欲しくないといったリクエストもありますからね。根掘り葉掘り聞くようなことはしないし、相手が嫌だと思っていることにズカズカ踏み込むようなことはしません。速報性が問われる報道とは異なり、僕たちは制作にあたっては半年以上も取材を続けるのですから、お互いの信頼が何より大事。番組が終わった後でも友人として付き合えることが、番組と僕ら制作チームの財産になっています。

観る人の解釈に委ねるドキュメンタリー

杉原 WHO I AMは、みんながやりそうでやらなかったことを映像化したという印象があります。とにかくきれいな映像で、まるで1時間の映画を見ているような感覚になりました。

太田 シリーズ立ち上げの準備をしている時は、海外の映画やドキュメンタリーなどをたくさん研究しながら、自分たちがやりたい方向性をマッピングしてスタッフに説明することもありました。日本のテレビって極端に言えば受け身の姿勢で眺めているだけで、いろんな映像と情報を丁寧に教えてくれる。でも僕らは、映画のように前のめりに想像力を働かせながら、集中して観てもらえる番組を目指しました。観る側もきっとパワーを使うのですが(笑)、情報をできるだけ少なくして、観てくださる方の解釈に委ねたかったんです。

超人という言葉を使うことはやめようと

杉原 超一流のアスリートであることはもちろんですが、WHO I AMに登場した彼(女)らに共通することとはどんなことですか?

太田 もちろんアスリートとしては超一流です。でも、僕らは超人という言葉はなるべく使わないようにしています。超人と言ってしまうと、どこか特別な世界にいる特別な人の物語になってしまう気がしたからです。すごい人がすごい事を成し遂げるというストーリーではなく、等しく与えられた人生という舞台で、いかに彼らが人生をエンジョイしているか? 辛いときをどう乗り越えたのか? という、誰しもの人生におけるヒントになる物語を伝えたいからです。WHO I AMという言葉は、直訳すれば自分なのですが、選手たちみんなが強烈に自分を持っている。

杉原 実際、どんなヒントを見つけることができましたか?

太田 とにかく選手たちの言葉が力強いということです。表現方法はそれぞれですが、みんな言っていることは同じです。スーパー・ポジティブ・シンキングなんです。例えば、リカルディーニョ選手の僕にとって困難は、ただ乗り越えるためにあるという言葉や、エリー・コール選手の物事をマイナス面から見るかプラス面から見るかで、後々大きな違いが生まれるという言葉ですね。こうした言葉は、障がいとは関係なくどんな人にも通じる言葉だし、普遍的なフィロソフィーとして彼らから発せられている。僕らはその瞬間を捉えて番組に詰め込みたいんです。  

次を担う世代、子供たちに観てもらいたい

杉原 自分自身が関わっているということもあるのですが、WHO I AMを観て、私も僕も!と新しいギアに興味を持ってくれる選手が増えてくれることを期待しています。僕は身体と技術の融合こそ、パラリンピックに欠かせないことだと信じていますから。それに、実際その効果もあって、何人かから連絡が来たりもしました。

太田 その話、早く言ってくださいよ! こっちはどんな方が観てくださっているのか不安で仕方がないんですから(笑)。基本的にWHO I AMでは人間を描きたいと思っているので、ギアを優先することはないのですが、ストーリーの中でギアが重要であればもちろん取材したいと考えています。森井選手の場合はまさにそうでしたね。

杉原 そんな風にWHO I AMHERO Xがクロスオーバーして、新しいパワーが生まれると良いですね。でも、いざ2020パラリンピックの話になると、どうやって会場を満員にするのかという話ばかり。誰がどういう意図で会場にきているのか? という大事なことがすっぽり抜けているような気がするのです。動員の方法論ばかりで、結局ロンドン・オリパラがお手本だと

太田 そこはすごく単純に考えています。例えば、サッカーのクラブワールドカップでFCバルセロナが来日するとなれば、多くの親子連れがメッシやネイマールのユニフォームを着てスタジアムに行くんです。ジャパンオープンテニスでロジャー・フェデラーが来日するとなれば、フェデラーモデルのウェアを着た子供たちが有明に集まるんです。同じように、(ブラジル水泳のスーパースター)ダニエル・ディアスが来日するから東京パラリンピックのチケットを買って会場に来たんです、世界最高峰の選手が来るから観るんです!と。そんな風になればいいなぁと思っています。

後編につづく

太田慎也
WOWOW 制作局 制作部「WHO I AM」チーフプロデューサー。2001年WOWOW入社。営業企画・マーケティング・プロモーション部門を経て、2005年に編成部スポーツ担当に。サッカー、テニス、ボクシング、総合格闘技などの海外スポーツ中継・編成・権利ビジネスに携わる。2008年、WOWOWオリジナルドキュメンタリー「ノンフィクションW」立ち上げ時の企画統括を務め、自身もプロデューサーに。日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー賞選奨受賞を獲得。IPC&WOWOWパラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM」のチーフプロデューサーを務める。

WHO I AM 番組情報>
IPCWOWOW パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM」(シーズン3 全8回)10月スタート
特別ミニ番組「10月シーズン3スタート!パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM」(全8回)822日(水)より 随時無料放送
IPC & WOWOW パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM」シーズン1(全8回)&シーズン2(全8回)全16番組 公式サイト&WOWOWメンバーズオンデマンドで絶賛無料配信中
WEB会員ID登録が必要となります(登録無料)

<最新情報はこちら>
公式サイトwowow.bs/whoiam
公式Twitter & Instagram@WOWOWParalympic #WhoIAm

(text: 川瀬拓郎|Takuro Kawase)

(photo: 壬生マリコ)

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