スポーツ SPORTS

盲目のスケーター、ダン・マンシーナが示した可能性

中村竜也 -R.G.C

幼少期より、視力が落ちていく問題を抱えていたという盲目のスケーター、ダン・マンシーナ(以下、マンシーナ)。13歳の時に網膜色素変性症と診断され、20歳前後からさらに症状が悪化。そしてついには、視力の95%を失い、光と陰、そしてコントラストだけしか見えなくなった。

視力を失ったマンシーナは、その失望から一時はスケートボードから距離を置いた時期もあったという。またその最中にも、目が見えない人がやるべきこと全てに挑戦してみたりもしたが、彼の心に開いた大きな穴は決して埋まらなかったのだ。

「移動のためにストリートをプッシュしたことは数回あったかもしれないけれど、視力を失ったという事実を受けいれることにしたんだ。『もうスケートボードはやめよう。僕の人生の一部じゃないんだから』ってね」

情熱を注いでいたものを失ってしまえば、誰でも失望感に打ちひしがれるのは当たり前のこと。しかし自分の置かれた状況を諦めきれなかったマンシーナは一念発起し、ミニゴルフのホールインワンやダーツのブルズアイなど、視覚障がい者ならできないと思われていることに挑戦する自分を映像に収めることを始めた。その一環で、自力で作ったベンチをスケートボードでトリックメイクする映像を収めてみようと思い立ち、またスケーターとしての人生を歩むようになったのである。

目が見えなくても一生スケーターな人生


動画引用元:https://youtu.be/l_0Pm3f2adc

白杖を触覚として、まずはそこにある障害物を確認する。それからボードをコントロールしトリックをきめていることが映像から分かる。また、ブザーを台の中に置き視力以外の五感をフルに活用しながら練習を繰り返すなど、アイデアは尽きないようだ。

スケートボードが、彼という人間を世界に示してくれていることに幸せを感じられたことがきっかけで、今後は視覚障がい者専用のスケートパークの建造に努めていくという。そう、マンシーナの挑戦はまだまだ終わらない。

[TOP動画引用元: https://youtu.be/jPPdFB2V7nA]

(text: 中村竜也 -R.G.C)

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車いすバスケ、世界最高峰の選手たちのプレーを間近で見るチャンスがやってきた!

田崎 美穂子

2018年6月8日 (金) から3日間、一般社団法人日本車いすバスケットボール連盟
と公益財団法人日本障がい者スポーツ協会が主催する「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2018」が開催される。三菱電機は、50年以上前からバスケットボールの企業チームを運営しており、今大会をスペシャルパートナーとして協賛する。

車いすバスケットボールは、パラリンピックが始まった1960年ローマ大会から続く競技種目である。その人気は、パラスポーツの中でも群を抜き、欧州にはプロリーグもあり、日本人選手も活躍している。コートの広さやボールの大きさ、ゴールの高さなど、健常者のバスケットボールと基本的に同じルールで行われるが、最も異なるのは、「選手たちが車いすを使う」こと。その試合会場には、車いす同士がぶつかり合う音が響き、タイヤの摩擦でゴムの焦げる匂いさえする想像以上に激しく、スピード感あふれる試合は、見る人を興奮と感動の渦に巻き込む競技なのだ。

(C) JWBF/STUDIO AUPA

今大会の会場は、東京2020パラリンピック競技場でもある「武蔵野の森総合スポーツプラザ」。東京2020パラリンピック競技大会に向けたリハーサルとしても、重要な意味を持つ大会となる。

車いすバスケットボール男子日本代表チームの強化のほか、国際レベルの審判員、スコアや時間の管理をするテーブルオフィシャル、競技ボランティアの育成など、東京2020の成功およびムーブメントの拡大など、幅広い開催目的のもと、行われる。

(C) JWBF/STUDIO AUPA

また、昨年の同大会優勝国であるオーストラリア、世界No.1と称される選手を擁するカナダ、成長著しいドイツ、そしてスピードとクイックネスで世界に挑む日本の4ヵ国チームが出場。さらに、車いすバスケットボール女子日本代表国際強化試合(対オーストラリア戦)も同時開催される予定だ。

(C) JWBF/STUDIO AUPA

車いすバスケットボールの試合のほかにも、大会に出場する海外チームが周辺自治体で体験交流会を行うなど、地域住民に対するパラリンピックの興味関心の向上や、地域の活性化を目指すイベントも予定されており、車いすバスケットボールの世界トップ選手たちによる迫力あるプレーを間近で体感しながら、パラスポーツの魅力を知る絶好の機会になるであろう。

開催スケジュールやチケット購入はこちらから
https://wcc.jwbf.gr.jp/2018/index.html#about

(text: 田崎 美穂子)

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