テクノロジー TECHNOLOGY

プログラミングなしでロボットを動かせる!ドイツ発Wandelbotsのジャケット型デバイス

Yuka Shingai

家電から教育ツール、エンタメなど今や日常生活に入り込むほど身近な存在となった産業用ロボット。これから更なる成長が見込まれている市場ではあるが、それぞれ独自の環境、言語を用いているために、プログラミングそのものが非常に複雑で開発費用や工数がかかること、また、タスクやプロセス、動作環境に応じてプログラミングしなおす必要があるものがほとんどだ。

ドイツ、ドレスデンに拠点を置くスタートアップ、Wandelbotsが開発したのは、このような課題を一掃する革命的なシステム。センサー搭載のジャケット着用して身振り手振りをデモンストレーションすれば、ロボットが模倣できるようになる。

WandelbotsのCEO・Christian Piechnick氏いわく、「すべてのロボットを同じように動かせる共通言語を提供している」とのこと。9つの軸のセンサーがジャケットに埋め込まれており、磁気センサーや膨大なデータをコンピューターシステムに伝えることで、操作した人の動きを模倣することが可能になる。

難しいコードを一行も書く必要がない、つまりプログラミングの経験がなく、熟練の技術者でなくても、ロボットが、どのようにタスクをこなせばいいか、『学ぶ』ことを教えられるのだ。しかも作業に要する時間は10分程度。コストの大幅な削減にもつながる。

技術の進歩とともに、ロボットやAIが人間の仕事を奪うなど懸念も浮上しているが、Piechnick氏はロボットを人にとって代わるものではなく、今まで使っていた機械をよりよい機械にアップグレードするようなものと捉えている。

「効率よく、コストの削減が実現すれば、優秀な人材がより高度なタスクをこなすことができるということです」

フォルクスワーゲン、インフィニオン、ミディアなど数々の大手企業と契約を交わしてきたWandelbotsだが、スモールビジネスこそが顧客のターゲットとのこと。

「以前は、ロボットは投資利益率の側面からの中小企業には適していなかったが、私たちの技術でそれを変えていきたい」

産業ロボットの進歩は、技術など特定の分野のみならず、ビジネスそのものの構造をも大きく動かしていくかもしれない。

[TOP動画引用元:https://www.youtube.com

(text: Yuka Shingai)

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進化するAR技術、視覚障がい者のために作られた“ウェアラブルな拡張現実”

岸 由利子 | Yuriko Kishi

最近、よく耳にする「AR(拡張現実)」という言葉。「聞いたことはあるけど、何のことかは分からない」という方、知らず知らずのうちに、実は利用しているかもしれません。身近なところでいうと、昨年世界的なブームになったポケモンGOをはじめ、MSQRDやSnapchatなどのスマートフォンアプリ。これらはすべて、AR技術による娯楽の賜物なのです。

ARとは、ライブビデオ映像や写真など、私たちが知覚している現実世界をベースに、その一部がアニメ―ションなどのコンピューティング技術によって、改変・拡張されたリアルタイムな状況や環境のこと。

大幅に進化したAR技術を使って、視覚障がい者のために作られたのが、今回ご紹介するヘッドセット「eSight3」です。同製品をローンチしたイーサイト(eSight)社によると、2017年2月時点で、約1000個を販売しており、同社の技術を試した約75%の人が、すでに効果を実感しているのだそう。

(引用:wareable.com

eSight3は、ここ10年間の研究によって、成熟した同社の技術が凝縮されたといえる第3世代にあたる最新バージョン。ヘッドセットに搭載されたハイスピードのHDTVカメラが捉えた映像は、ユーザーの周辺視野と連携しながら、目のすぐそばにある有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイに表示される仕組みになっていて、HDTVカメラと共に、光を分散し、屈折や全反射、複屈折させるプリズムを使うことで、ユーザーの中心視力を復元します。

「ひとつ前のモデルは、ユーザーの平均視力を20/25(視力 約0.8)にまで復元しましたが、eSight3は、さらに鮮明な視野を提供するものです」と話すのは、同社のブライアン・メック最高経営責任者(CEO)。

eSight3は、自動的にフォーカスしますが、手元のリモートコントローラーを使えば、ユーザーが見たい視野をコントロールできる一方、手動によるズーム機能も可能になりました。Wi-Fiをはじめ、Bluetoothやスピーカー、マイクなどの機能を搭載し、約6時間の充電も可能。これだけの機能を備えながらも、驚くことに、重さはわずか100グラムほど。

非の打ち所がないポータブル・デバイスは、メガネをかけても視力が回復しない弱視の人をはじめ、視神経症や緑内障、加齢黄斑変性症などの視覚障害を持つ人にとって、吉報であることは間違いありません。ただ、人生にも光と影があるように、eSight3にもいくつかの難点があります。

ひとつは、完全に盲目の人には使用できないということ。もうひとつは、価格の問題です。従来のモデルが、15,000ドル(約150万円)だったことを踏まえると、現在の9995ドル(約100万円)という値段は、比較的手の届きやすい価格になりましたが、一般消費者にとっては、まだまだハードルは高いのが実情。

eSight3は米食品医薬品局(FDA)からクラスⅠの医療機器として認定を受けていますが、現時点ではほとんどの保険は適用されていないとのこと。アメリカでの進歩が、世界の視覚障がい者への普及のカギを握っているといえます。加速するAR技術の発展に期待して、今後の展開に注目です。

[引用元]wareable.com

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

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