テクノロジー TECHNOLOGY

Uber、ライドシェアから自動運転まで…注目のキーワード『MaaS』って知ってる?

Yuka Shingai

世界中の自動車業界、交通サービス業界に新しい波が巻き起こっている。『MaaS(マース)』=Mobility as a Service、すなわち「サービスとしてのモビリティ」は2019年、ビジネスにおける最重要キーワードのひとつとなることは確実だ。

国土交通政策研究所によると、MaaS とは、ICT を活用して交通をクラウド化し、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を ひとつのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念を指す。交通手段やルートの検索、運賃の決済に至るまでスマートフォンの専用アプリで完結するものが主である。

MaaSの事例として最も認知度が高いと思われるのが、自動車配車プラットフォーム『Uber (ウーバー)』。日本では法規制のため、まだ広く浸透はしていないが、タクシーをしのぐ勢いで市場のシェアを獲得している国もあるほどだ。乗車する前からルートや料金が明確になっている、乗車後にドライバーに評価をつけられるなど、アプリの手軽さや利便性がウケているまさに MaaS の代表格。

Uber のほか、東南アジア諸国での最大手である Grab 、欧州で支持を受ける Gett など競合サービスも世界中で拡大している。私たちの生活にかなり身近になってきたカーシェア、バイクシェアも MaaS のひとつ。最短30分から利用できるサービスが多く、シェアリングエコノミーの筆頭として成長を続けている市場だ。

また、注目を集めるのは、「CREW」「nori-na」のようなライドシェアサービス。誰かを「乗せたい」、誰かの車に「乗りたい」をマッチングすることで、交通の便が悪いエリアでの移動や、イベント、野外フェスなど遠方へのお出かけにも活用ができる。

このほか、現在各所で開発が進んでいる自動運転も MaaS の普及を語る上で欠かせない存在。マイカーの所有が減少傾向にあり、「車離れ」と言われる時代において、MaaS が秘める無限の可能性に期待したい。

(text: Yuka Shingai)

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日本の超小型ポンプ、宇宙へ。無重力での人体の環境をさぐる

HERO X 編集部

人体の循環は無重力ではどのような影響を受けるのか。こんな疑問をもったギリシャの高校生たちが開発した実験装置がロケットに乗り宇宙へ行くことになった。装置に使われているのは日本の企業が開発した超小型ポンプ。NASA や JAXA にも採用されているこのポンプが高校生のアイデアと共に宇宙へと旅立つ。

名古屋市に本社を置く高砂電気工業株式会社は、ギリシャの高校生の宇宙空間での実験に参加することを表明した。エンジニアらがその技術を競う第1回 Aerospace Competition (THE HELLENIC PHYSICS ASSOCIATION主催)において学生部門で2位に輝いたのがギリシャの高校生 Dimitris 君が率いるチーム。コンテストでは国内の高校生から宇宙実験のアイデアを募集していた。Dimitris 君たちが考えたのは、無重力の場合に人体がどのような影響を受けるのかを実験する装置で、人体の循環器系を再現したものを宇宙に持って行き、実験するという案だ。循環器系は、ポンプ機能を有する心臓を中心に機能するため、その再現と物資の輸送上の事由も加味すると、高性能かつ小型のポンプが必要というわけだ。

装置の制作にあたり、目をつけたのが高砂電気工業株式会社が開発した超小型ポンプ。百万分の1リットル(マイクロリットル)という非常に少ない単位の液体を扱うことができ、高度な研究機関などの要望に応え、これまでに5000種類にも及ぶ製品を送り出してきた。また、同社が開発するポンプは非常にユニーク。例えば、ペン型シリンジポンプは直径わずかφ12mmと超小型なのだが、ステッピングモーターを内蔵し、スムーズに液体を送ることが可能だ。

これらの技術はすでに NASA や JAXA でも採用されており、ネットで同社の情報を見つけた Dimitris 君からアプローチ、今回のコラボレーションが実現した。詳細はまだ発表されていないが、日本の技術とギリシャの若者のアイデアで実現する宇宙での実験、その結果を聞くのが待ち遠しい。

(text: HERO X 編集部)

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