スポーツ SPORTS

MONTHLY PICK UP:何を見る!?パラリンピック

HERO X 編集部

東京2020を来年に控え、オリンピックの観戦チケットの抽選申込受付が5月9日にスタート。今年の8月には、いよいよパラリンピックの観戦チケットの販売も開始されます。そこで今回は、これまで紹介してきた記事の中から、注目のパラリンピック競技と選手をピックアップ。ぜひ、観戦を検討するときの参考にしてください。

次は、あの国を倒して金を獲る!
ウィルチェアーラグビー
日本代表最強エース、池崎大輔

車いす同士の強烈なコンタクトプレーから、「マーダーボール(殺人球技)」や「車いすの格闘技」とも呼ばれるウェルチェアラグビー。この凄まじい競技において、日本代表チームは、2016年リオパラリンピックにおいて銅メダルを獲得しました。次に狙うのは、もちろん金メダル!大会への意気込みとマシンへのこだわりを、チームの絶対的ポイントゲッターである池崎大輔選手にお伺いしました。

パラ卓球を盛り上げて、
世界へ!立石兄弟が挑む
東京2020への道

近年、かつてない盛り上がりを見せている日本卓球界。パラ卓球でも、2018年のアジアパラ競技大会で団体戦のメダルを獲得するなど、日本は着実に実力を上げてきています。そのような状況の中、選手とコーチとして東京パラリンピックでのメダル獲得を狙う立石兄弟を、『HERO X』が直撃。パラ卓球にかける、熱い想いを語っていただきました。

日本初の義足プロアスリート鈴木徹は、
2020をどう迎えるのか【HEROS】

走り高跳びの選手として、パラリンピックに5大会連続で出場してきた鈴木徹選手。6位、5位、4位と、大会ごとに順位を上げつつも、メダルはまだ手にしていません。そんな中、2017年にロンドンで開催された国際大会では、アジア記録、日本記録を更新する2m01の跳躍を遂げ、銅メダルを獲得。ホームでの闘いとなる2020年、悲願のメダルに手は届くのか。鈴木選手の挑戦に注目です。

5つのメダルを持つ義足のサイクリストが、
東京2020の先に見つめるものとは?
【藤田征樹:HEROS】

北京、ロンドン、リオと3大会連続でパラリンピックの自転車競技に出場し、すべての大会でメダルを勝ち取ってきた藤田征樹選手。そんな藤田選手にとって、東京2020とは、どんな意味を持つ大会なのか?国の代表を務めることの責任感と重圧、そして、その先に見据えているものについて、率直な想いを語っていただきました。

車いすの女王 土田和歌子。
驚きのトライアスロン転向宣言
までの舞台裏【HEROS】

アイススレッジスピードレースと車いす陸上競技で、通算パラリンピック7大会に出場し、計7個のメダルを獲得。日本人として初めて夏季と冬季の両大会で金メダリストに輝くなど、数々の伝説を残してきた車いすアスリート・土田和歌子選手。彼女が次のターゲットとして選んだ競技は、なんとトライアスロンでした。立ち止まらず、振り向かず、常に新たなチャレンジをつづけるパラアスリート界の女王にインタビューを実施しました。

(text: HERO X 編集部)

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下半身不随でダカールラリーのモト部門に出場!不屈のライダー、ニコラ・デュット

長谷川茂雄

興奮と感動に包まれながら幕を閉じた「ダカール・ラリー 2019」。例年と違わず、さまざまなドラマが生まれた“世界一過酷”と謳われるこのモータースポーツ大会の最高峰に、イタリアの車いすライダー、ニコラ・デュット氏が出場したことをご存知だろうか? 2012年に500kmのバハ・アラゴンを完走して世界を沸かせた彼が今回エントリーしたのは、もちろんモト部門。下半身不随のライダーが果敢に挑戦を続ける興味深いストーリーと、それを可能にしたプロダクトを追った。

前人未到の夢舞台を直走った超人現る

イタリアのピエモンテに生まれたニコラ・デュット氏は、「スキーに明け暮れた幼少時代」を過ごしたという。程なくしてモーターサイクルの魅力に取り憑かれると、その世界の最高峰であるダカール・ラリーを目指し始める。欧州のあらゆる大会に出場して頭角を現わすまでには、それほど時間はかからなかった。

2008年にはスズキとの契約を得て、順調にキャリアを積み上げていく。

そんな矢先の2010年に事故は起こる。走行中にバランスを失い転倒し、脊髄を損傷したのだ。下半身は不随となり、車いす生活を余儀なくされた。

誰しもが彼のライダー生命は終わったと確信したが、デュット本人はそう思ってはいなかった。それどころか、意気消沈することなく、事故からたった1年後には、バギーでバハ1000を完走してしまう。

そして二輪復帰を宣言すると、2012年にバハ・アラゴンに出場し、ライダーとして500kmを走りきった。それは下半身不随の人間が成し遂げた世界初の快挙だった。

彼自身の強靭なメンタルとチャレンジャースピリッツもさることながら、常に興味深い挑戦を支えているのは、デュッセルドルフに拠点を置くリハビリ器具の開発企業、VICAIRだ。

450EXCをベースにした彼のマシンには、同企業の協力のもと、下半身を支えるケージが取り付けられ、腰を固定するシートもかぶせられている。さらに、運転時の衝撃を下半身で吸収できないデュットのために、椅子には独自のエアクッションも装備した特別仕様だ。

そんなオリジナルマシンと卓越したドライビングテクニック、そして極めて高いモチベーションがあるからこそ、彼は数々の偉業を達成しているのだろう。

ついにダカール・ラリーという最高の舞台に立ったデュット。彼の飽くなき挑戦は、まだまだ始まったばかりのようだ。

[TOP動画引用元:https://youtu.be/_dnpM00DIQg

(text: 長谷川茂雄)

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