テクノロジー TECHNOLOGY

いびきを貼るだけで治してくれるウェアラブルデバイスが発売開始

HERO X 編集部

ぐっすり寝たはずなのに眠気が取れない。様々な睡眠研究により原因はいろいろと考えられるが、そのひとつがいびき。いびきが発生している間は正しく呼吸ができていないため、睡眠の質が落ちている可能性がある。自分が寝られないだけならまだしも、いびきが厄介なのは周りも巻き込んでしまうこと。大きないびきをかく人が1人家族にいるだけで、家族旅行の時ですらもはや同じ部屋で寝たいとは思えなくなる。そんないびきを貼るだけで治してくれるアイテムが発売された。

VVFLYエレクトロニクス社のいびき防止EMSウェアラブルデバイス「Snore Circle EMS Pad Snore Stopper / スノアサークル EMSパッド いびきストッパー」は喉の筋肉を鍛えることでいびきの軽減をサポート。喉の所定の位置に貼るだけでいびきを軽減してくれるという。

寝ている間に起こるいびきは、喉の筋肉の緩みにより気道が狭くなることで発生すると言われている。この筋肉の緩みに注目したのが本商品。いびきの音を高精度マイクロフォンシステムでキャッチし、いびきに伴う筋肉のふるえなど、小さな動きを3軸の加速度センサーで判別、骨伝導と音認識の2つのテクノロジーで一定の音が一定時間鳴る状態が続くといびきと判断する。本体がいびきの発生を検知すると本体から微弱のEMS低周波を発信して、いびきの原因をつくる緩んだ喉の筋肉にダイレクトに刺激を与えてくれる。EMS低周波は筋肉の収縮を促す働きがあるため、喉の筋肉が引き締まり、いびきを抑制するという仕組みだ。

臨床試験では10人中7人のいびきが軽減するという結果を生んだ。横4センチ、幅2.5センチ、重さはわずか10グラム。それでも、あごの下あたりに付けるというから、初めは少し違和感を感じるかもしれない。一度の充電で15時間の利用が可能。専用アプリと連動させればいびきの回数や停止回数はもちろん、いびきの音量をデジベルで表示してくれる。また、寝返りの回数の計測や録音機能までついている。もはやいびきは鍛えて治す時代に。最新のテクノロジーで治らなかった大きないびきともおさらばできるかもしれない。

(text: HERO X 編集部)

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日本にMaaSは定着するのか!?国内モビリティ改革の障壁とは?

HERO X 編集部

MaaS(マース)=Mobility as a Service(モビリティ・アズ・ア・サービス)は、いまや欧米諸国では新しいムーブメントだ。移動のサービスをシームレスにつなぐMaaSは、現代社会とのマッチングもよい。しかし、日本国内では、まだ限定的な取り組みにとどまっている。課題はなんだろうか? 国内MaaSの問題点を探ってみた。

日本のMaaSはレベルゼロ!?
単なる「乗り継ぎ案内」では意味がない

MaaSを具体的に説明すると、乗用車以外のバス、電車、タクシー、レンタサイクル、シェアライドなどの移動サービスを統合的に提供するシステムのことだ。ITを活用して予約・決済なども一括で提供し、その時点で最適な移動サービスの組み合わせをユーザーが選択できる。交通の乗り換え案内情報は日本でもシームレスに提供されているが、MaaSの場合は、運用会社の壁を乗り越えて、単一のサービスとして提供していることが特徴だ。

例えば、MaaS先進国のフィンランドでは、ヘルシンキで「Whim」というシステムが稼働している。(参考記事:http://hero-x.jp/article/9470/)「Whim」アプリを使えば、電車、バス、タクシー、バイクシェアなどのサービスが統合的に利用できる。決済もスマホ上ですべて完了し、交通機関を使う際に決済画面を提示すればいいだけだ。画期的なのは都度決済のシステムに加え、定額で乗り放題になるサブスプリクションサービスを提供していることだ。今ではサブスクを利用する市民のほうが多いという。

「Whim」は日本でも昨年末から千葉県柏の葉エリアなどで実証実験がはじまっている。
動画元:https://www.youtube.com/watch?v=rgsr5ZwsY1Q

また、ドイツでも産官学が一体となり、ドイツ鉄道によるモビリティサービス「Qixxit」を実用化。鉄道だけではなく、飛行機や長距離バス、レンタサイクルなどのサービスも一括化した。アジアでは、台湾第二の都市、高雄でMaaSアプリ「MeN Go(メンゴー)」が実用化された。こちらも、官民共同の事業として推進されている。

高雄で使えるMaaSアプリ「MeN Go(メンゴー)」
画像元:https://apps.apple.com/tw/app/id1415685647

一方で日本はどうだろうか。現在、世界でのMaaSのレベルは
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レベル0:統合なし
レベル1:情報の統合(アプリやWebで経路や料金を提示できる)
レベル2:予約・決済の統合(一括予約・決済ができる)
レベル3:サービス提供の統合(事業者間が提携し契約・支払いなどが統合される)
レベル4:政策の統合
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とされているが、日本は0~1レベルにとどまっているのだという。

確かに、日本でも政府主導のプロジェクトを含めMaaSの実証実験がいくつも進められている。しかし、その内実は、民間の交通機関同士の連携にとどまっていることが多い。「モビリティを通じ、新たな価値や新たなサービスを生み出していくこと」がMassの概念であるはずなのに、日本では情報提供と決済のみの統合のような、小規模なものになりがちとの声も聞かれる。

この背景には、日本の法規制の問題があるとされている。日本の産業は業法の中で工夫して発展してきた歴史があり、その中で進化してきたのが日本モデルといわれている。ある専門家は「既得権益から発生する小さいビジネスに対応することは得意だが、そもそも新しいビジネスモデルが生まれにくい土壌がある」と話す。

さらに、日本の交通業者はサービスの囲い込みをしたがる傾向にあり、なかなか提携が進まない現状もある。MaaSのような複合的なシステムは、どこかが一社独占を狙っても、上手くはいかないだろう。

この状況を打破するためには、やはり法改正も含めた、官民一体となった改革が必要だ。前述の海外の例でも、欧州やアジアでうまくいっているケースは、政府や自治体が主導し、企業との連携を果たしている。日本のMaaSが小さくまとまらず、ブレークスルーを起こすためには、まずはMaaSとは単一のビジネスではなく、新たなモビリティの概念だととらえ、プレイヤー同士が協力していくことが大事なのではないだろうか。

(text: HERO X 編集部)

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