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無印良品のバス!?フィンランドで“悪天候”にも対応した自動運転バスの実用化がすすむ

HERO X 編集部

自動運転車の実用化に向け、わが国も含め世界各国で様々な実用実験がすすむなか、先日、無印良品を展開する株式会社良品計画が、フィンランドにおいて2020年の実用化を目指す自動運転バス『Gacha(ガチャ)シャトルバス(仮称)』に車体デザインを提供したとのニュースがあった。

自動運転車の実用化において、ひとつの大きな課題とされているのが、様々な気象条件に対応できるかどうかである。現在、実用実験が進められているものの多くは、比較的温暖な気候のもとで行われており、大雨や霧、雪といった 悪天候 の気象条件下での自動運転車両の実用化には至っていないという。

この度ご紹介する『Gacha』は、自動運転技術の研究開発を行う企業 Sensible 4 が、ヘルシンキ周辺の3都市(エスポー、ヴァンター、ハメーンリンナ)のサポートを受け開発、あらゆる気象条件で走行可能な自動運転車の実用化を進めている。

良品計画の手がけたデザインは、「感じ良いくらし」を提案する同社の精神のもと、使う側の立場で徹底的に考えられたものとなっている。前後のないミニマルでフレンドリーなかたちと、照明とコミュニケーションスクリーンが一体となったLEDのライトベルト、内装に沿ったラウンド型のベンチシートがポイントとのこと。

今後は2019年3月に、その実働車両のプロトタイプをフィンランド・ヘルシンキ近郊で一般公開したのち、2019年上半期内を目途に、フィンランドのヘルシンキ周辺の3都市(エスポー、ヴァンター、ハメーンリンナ)での実用試験運行を開始する予定だ。

Gachaシャトルバス 概要
サイズ:L4.5m × W2.5m × H2.8m
定員:16名(座席数10席、立ち乗り6名)
自動運転での最大時速:40km/h
駆動装置:4WD、電動
走行距離:急速チャージにより100km以上(オプションとしてワイヤレスチャージも可能)

(text: HERO X 編集部)

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骨折の治癒速度が格段にアップ!低出力超音波パルスを装備した「3Dプリントギプス」

岸 由利子 | Yuriko Kishi

骨折した時にはめるギプスは、固くて重く、蒸れるとかゆみが生じて臭う。そんな悩みを解決すべく、3Dプリント技術を駆使して作られたギプスはこれまでにもあった。数ある中でも、トルコの工業デザイナー、Deniz Karaşahin氏が手掛ける「Osteoid Medical Cast」が画期的なのは、不快指数を減らすだけでなく、骨折の治癒速度まで早めた点にある。3Dプリンタ技術に低出力超音波パルス(LIPUS)を統合させた近未来的ギプス。その全貌をご紹介しよう。

3Dプリントギプス「Osteoid Medical Cast」は、腕と親指の付け根周辺を覆う2つのパーツで構成されている。付ける人の腕をスキャンしてモデリングされたギプスには、固定状態をしっかりと保つためのロックシステムが付加してあり、フィット感、安定感ともに抜群。

近年、低出力超音波パルス(LIPUS)によって骨の癒合が促進されることが分かり、治療にも取り入れられるようになったが、従来の石膏ギプスをはめた状態では、超音波を発するプローブを患部の肌に直接当てることができないため、この技術を導入することは難しいと言われていた。

一方、多孔性の形状を持つOsteoid Medical Castなら、その穴の形に合わせたプローブをじかに肌に当てることができる。120分間、患部の肌に超音波を当てることによって、骨に刺激が与えられ、治癒速度は約38%早まることが実証されている。骨折の状態や部位によって多少異なるが、従来のギプスと比べて、完治率もはるかに高められるという。

「海綿骨の配列からデザインの着想を得ました。医療用ギプスと記号論的な関係があるからです。私のアルゴリズムの背景には、より強固な構造を備えたギプスを、人々に平等に供給するという目的があります」とKaraşahin氏。

クールな外装は、単なる見た目の美しさを目指したものではなく、研ぎ澄まされた機能美。通気性にも優れたこの3Dプリントギプスなら、かゆみや臭いの悩みからも解放される。さらに「(ギプスを付けたまま)泳ぐことだってできます」と同氏は付け加える。

Osteoid Medical Cast は、2014年のA’Design Award3Dプリントフォーム・プロダクトデザイン部門で金賞を受賞して以来、米国の個人クリニックや政府所有のクリニックからコンタクトを受けるなど、大きな注目を浴びた。発表した当時、Karaşahin氏はまだ学生であり、3Dプリントギプスはコンセプトデザインの段階だったが、その後も製品化に向けた開発を進め、いくつかのパテントを取得。学会に所属していなかったことから、一時期、開発の保留を余儀なくされるも、3年ほど前に自身で会社を設立し、技術革新に力を注いでいる。

米国AP通信社がYouTube上で公開しているアーカイブ映像によると、Karaşahin氏は、脳性まひを患う5才の少年のためにギプスの試作も手掛けていた。

「障がいは身体の動きを制限し、四肢の成長にも影響します。少年は、腕を安定させるためのギプスを必要としていました」

骨折だけでなく、他の医療的用途の可能性も秘めたOsteoid Medical Castの製品化を待ち望む人は多い。今後の動向に注目したい。

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

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