医療 MEDICAL

Monthly Selection:9月のおすすめ記事 Best5

おすすめの記事をまとめて紹介する「Monthly Selection」。少しずつ寒くなってきた今月は、「医療」の進化に焦点をあてた記事をピックアップしました。

包帯が医師との通信デバイスに。
5Gを使った「スマート包帯」とは?

ナノセンサーで感知した患部の状態を、スマートフォンを通して医師に通知する。そんな、遠隔での経過観察を可能にする未来の包帯が、イギリスのスウォンジー大学で開発されています。ウェアラブル医療機器の今に迫りました。

医療に大きな変革をもたらす培養筋肉の研究は、
もうここまで来た!

培養した筋肉が、まるで人間の腕のような動きをする!?工学と化学、物理、医学などの研究を融合させてロボット研究を行う、東京大学生産技術研究所の竹内昌治教授に「バイオハイブリッド」という考え方を伺いました。

リハビリの新パートナーは、
ゲームをするロボットアーム

イスラエルのネゲブ・ベン=グリオン大学では、ロボットアームとゲームをすることで、脳卒中の患者の運動機能を回復させる実験が行われています。AIやロボットが医療現場でなくてはならないパートナーになるのは、そう遠い未来ではなさそうです。

ルーツは日本にあり!意思の通りに動かせる最新義手
“X-Finger®”の開発者を直撃【the innovator】

難しい装置を使わずに、使用者の自指の動きに合わせて自然な指先の動きを実現する“X-Finger®”。指欠損者が日常を取り戻す助け手となっている製品のルーツは意外にも日本にあるということを、考案者のダン ディドリック氏が語ってくれました。

骨折の治癒速度が格段にアップ!
低出力超音波パルスを装備した「3Dプリントギプス」

固くて重くて、蒸れるとかゆみが生じて臭う。そんなギブスの悩みを解決するだけではなく、なんと治癒速度まで早めることができるという新時代のギブス「Osteoid Medical Cast」。一体、どのような仕組みが隠されているのか。その全貌をご紹介します。

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医療 MEDICAL

腸や子宮内環境も改善可能?ヘルスケア最前線

Yuka Shingai

コロナ禍でライフスタイルが激変し、健康により一層の関心を抱いている層も多いだろう。 日進月歩のテクノロジーの中でも特に進化が目覚ましいのがヘルスケアの領域。まだまだ一般的とは言えないものの、ニッチだからこそこれからの飛躍が大いに期待されるトピックを2つまとめてご紹介しよう。

健康促進もフードロス問題も解決!
注目の食材“グリーンバナナ”

腸内環境を整える=「腸活」に乳酸菌やビフィズス菌の摂取が効果的であるというのはかなり浸透しているが、「レジスタントスターチ」と呼ばれる難消化性のでん粉が腸活に大きく効果ありだ。胃や小腸で吸収されずに大腸まで届き、腸内で善玉菌を活性化、便通の質を高め、腸内を酸性に近づけてくれる。ジャガイモや豆、さつまいもにも含まれるレジスタントスターチだが、含有率が非常に高いのが、黄色く熟する前のグリーンバナナ。スマートスターチ社はこのグリーンバナナを高純度で抽出するとともに、量産化まで実現している。
事のきっかけは中南米のバナナ農園で熟す前にグリーンバナナが大量廃棄されるフードロス問題。フードロスの軽減と健康促進という二つのイノベーションに加えて、今後は海外でプラントを建設することで現地の雇用創出にも期待がかかっている。

記事を読む▶フードロスを減らし、 “腸活”を劇的に変える!? スマートスターチが描く新常識

不妊症から子宮頸がんまで、
子宮内フローラが予見する
女性のヘルスケア

いまや国内カップルの5.5組に一組が悩むと言われている不妊。不妊の原因は様々だが、不妊症解決の糸口として脚光を浴び始めているのがゲノム解析による子宮内フローラの検査。Varinos社は腟や子宮から採取した検体を用いて子宮内の菌の種類や割合を調べる検査を行っている。
現在は検査を導入している病院から送られてきた検体をラボ内で解析し、ドクターにフィードバックを行う。より気軽に検査を受けられる状況を目指すべく、自宅でできる検査キットの開発にも取り組んでいる。さらに子宮内フローラを整えることが不妊だけでなく、早産や子宮頸がん、月経周期の乱れなど女性のヘルスケアの多くを改善、予防できる可能性が高いという。
不妊治療は現状保険適用外のものがほとんどで、まだまだ誰もが気軽にトライできるものではないというのが実情だ。2020年の出生数が統計史上最少となり、少子化が加速する今、これらのテクノロジーがどのように受け入れられていくかにも注視したい。

記事を読む▶不妊治療も子宮頸がんも予防の時代へ 子宮内フローラが教えてくれること

(text: Yuka Shingai)

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