プロダクト PRODUCT

めざすは“世界一、速いウェア”。デサントの新しい研究開発拠点が超未来的!

吉田直人

ギアの性能は、競技の結果を大きく左右する。それはトップアスリートに限らず、己に挑戦するスポーツマン全てに言えることだ。自身の身体の研鑽は勿論、身につけるプロダクトにもこだわりたい。そんなアスリートたちの心理に応えるべく、新たなスポーツアパレルの研究開発拠点が大阪府に誕生した。

株式会社デサントは、719日(木)、大阪府茨木市にスポーツアパレルの研究開発拠点「DISC(ディスク)」(DESCENTE INNOVATION STUDIO COMPLEX /デサントイノヴェーションスタジオコンプレックス)を開設した。

「DISC」外観

DISC」のコンセプトは世界一、速いウェアを作ること。この速さにはいくつかの意味が込められているという。例えば、競技で勝つ為の「スピード」を追求したウェアや、グローバルマーケットで他社に「先駆ける」ウェアを開発する拠点にしたいという想いだ。その理念を踏まえて、「DISC」は5つの役割を担うという。

1.基礎開発:運動解析、快適性などの研究開発を実施し、独自の理論を構築する。新しい評価手法の開発やノウハウの蓄積により、商品価値の向上に貢献する。

2.グローバル戦略素材開発:基礎データからエビデンスを基にした独自性のある機能素材開発を推進する。

3.製品開発:ユニークなアイデア+エビデンス+プロセスを基にグローバルで勝てる差別化製品を開発し、ブランド価値向上に貢献する。

4.品質開発:グローバル安全性基準制定など、グループ全体の品質管理の基となるデサント基準を制定する。

5.知財戦略:知的財産の取得・保護・活用および係争の予防と解決により、現在と将来の事業の優位性と安全の確保を行う。

この5つの役割を果たす上で、DISCには独自のサーマル発汗マネキン、クライマート(人工気象室)、人工降雨室、全天候型トラック、プロダクションスタジオ等を設置。機能の開発、製品化、評価検証を「DISC」内で完結し、よりスピーディーな研究開発を目指す。

クライマート(人工気象室)

人工降雨室

全天候型トラック

また、施設内には、コミュニケーションを促進する為のスペースワイガヤスペースを設けた他、柱や壁を減らしたオープンな設計となっている。多様なアイデアとノウハウがシームレスに混ざり合う、デサントの新たな研究開発拠点から生まれるプロダクトに注目だ。

[画像引用元:http://www.descente.co.jp/jp/press_releases/post-44158.html

(text: 吉田直人)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

RECOMMEND あなたへのおすすめ

プロダクト PRODUCT

韓国発、下半身不随や高齢者が歩くためのウェアラブルロボット

岸 由利子 | Yuriko Kishi

2018年3月9日のピョンチャンパラリンピック開会式に向けて、韓国の各地で行われた聖火リレー。そのトップバッターを務めたのは、「WALK ON」という名のウェアラブルロボットを着た下半身不随の聖火ランナー。この世界初のランナーの登場は、韓国のロボット先端技術の凄さを全世界に伝える千載一遇の好機となった。WALK ONの開発を手がけるのは、歩行困難にある人たちのためのロボット開発を目的に、韓国で立ち上がった「SG ROBOTICS」。その画期的なイノベーションの数々をご紹介しよう。

下半身不随の人が歩くための
画期的ウェアラブルロボット「WALK ON」

SG ROBOTICSを率いるのは、韓国・西江大学 機械工学科のKyoungchul Kong教授(以下、洪教授)。2011年、若干29歳にして同大学の准教授に就任した洪教授のもとに、フランスのあるカレッジから、「試験目的で、ウェアラブルロボットを製作して欲しい」という依頼があった。その製作を機に、洪教授は、本格的なロボット開発に乗り出し、やがて、the Severance Chiropractic and Rehabilitation Centerの参画のもと、リハビリテーションを目的としたロボットの開発に着手することになる。

そうして生まれたのが、下半身不随の人が歩くためのウェアラブルロボット、WALK ON。2016年10月8日、スイス・チューリッヒで行われた「サイバスロン」(http://hero-x.jp/article/538/)の外骨格ウェアラブルロボット部門で銅メダルを受賞し、早くも国際的な評価を得た。

最先端テクノロジーが凝縮された
テーラーメイド型ロボット

引用元:SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

引用元:SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

WALK ONのすべての歩行動作は、2本の専用スティックに搭載されたコントロールボタンの操作によって、安全に制御することができる。例えば、平坦な地面を歩く時は、ボタンを押すと前進し、また押すと次の一歩を進む。階段やスロープの上り下り、踏み石などの障がい物をまたぐ時などは、WALK ONがそれらをセンサーで検知し、スマートグラスを通じて、適切な歩行モードの提案を知らせてくれる。

重量は、バッテリーを含めて約30kg。フル充電で、5時間連続使用可能で、既存のウェラブルロボットの中では最高の250Nm(ニュートンメートル)の駆動力と、最大45rpm(回転/分)のスピードを誇る。

WALK ONの最たる特徴は、人それぞれに異なる歩行動作の範囲や関節の回転速度を、医学的データとして分析し、一人ひとりに合った仕様でデザインされていること。人間の足の生理機能を的確にとらえ、その歩行動作を優れたエネルギー効率性と共に再現した、いわばオーダーメイド型ウェアラブルロボットだ。

高齢者、部分的な障がいを持つ人のための
ウェアラブルロボット「ANGELEGS」

引用元:SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

サイバスロンで快挙を成し遂げた翌2017年に発表されたのが、高齢者や部分的な障がいを持つ人のための新たなウェアラブルロボット「ANGELEGS」。個人差はもちろんあるが、筋力が低下している人も、部分的な障がいがある人も、自分の意思で足を動かすことができるため、ANGELEGSでは、人間の生体分子を識別するバイオセンサー(化学センサー)は使わず、必要な時に、ユーザーの歩行動作を認識し、その動きを助長するために、メカニカルセンサーのみを採用。バッテリーを含めて約12kgと軽量で、計12ヶ所に組み込まれた関節部分が、心地よい装着感を実現している。

昨今、世界各地でウェアラブルロボットの開発が進められているが、筋力が低下した人に特化したウェアラブルロボットの分野で、ANGELEGSの右に出る者はまだいない。2017年、ドバイで開催された「UAE Robotics for Good Awards」では、アジア発のイノベーションとして、唯一ファイナルまで勝ち進み、その実力を大いに見せた。SG ROBOTICSによると、2019年の前半には、ANGELEGSを商業化する予定だ。

引用元:SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

2018年2月に、米国ロサンゼルスで開催された「SOLIDWORKS WORLD 2018」では、子ども向けのウェアラブルロボットのプロジェクトに着手し始めたことを明かした洪教授。まだ構想の段階ではあるが、ANGELEGSの小型化を想定しているとほのめかしている。

ロボットは、人々に驚くべきテクノロジーを示すだけでなく、日常の必要を満たすものであるべき。だからこそ、開発者の視点からではなく、ユーザーの視点でロボットを作っていく――SG ROBOTICSの強い信念が、人間とロボットの共生する日常を実現することは、想像にかたくないだろう。

SG ROBOTICS
http://sg-robotics.com/en/

[TOP動画引用元:https://youtu.be/Ahict2CI7oQ

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

PICK UP 注目記事

CATEGORY カテゴリー