対談 CONVERSATION

メダリスト達も信頼するシューズ職人、三村仁司。「現代の名工」が語る、日本の医療の問題とは? 前編

吉田直人

1974年以来、高橋尚子、野口みずきといったマラソンの五輪金メダリストを始めとし、多くのトップアスリートのシューズを作り続けてきた、三村仁司氏。2004年には『現代の名工』にも選ばれ、2009年には自身の工房『M.Lab(ミムラボ)』を設立。現在に至るまで、シューズ作り一筋だ。身体において“第2の心臓”とも言われる足を見続けて44年。磨き続けた感性は確信へと変わり、トップアスリートのみならず、足に悩みを抱える人々を文字通り足元から支えてきた。そんな三村氏に、パラリンピックアスリートのギア開発にも関わるHERO X編集長の杉原行里(あんり)が、話を伺った。

履く本人が自分の足を知らない


杉原
:僕の
RDSという会社は、元々レース用のマシンを作ったりとか自動車の先行開発を手がけたりする会社なのですが、そこにパラアルペンスキーのチェアスキーヤーたちが訪れて、ギアが身体にフィットすることの重要性を説いていたんですね。なぜ彼らが僕の所に来たのかというと、2013年に、個人所有を目的とした、使用者に合った松葉杖を開発したことがきっかけだったんです。従来の松葉杖は予め決められたサイズを自分で調整する、人がモノに合わせるのが一般的だった。それに対して僕らが考えたのはセミオーダー。ユーザーさんの手の形状とか、脇下から手までの距離、身長を考慮して、その人の為の松葉杖を開発したんです。それまで僕たちは福祉に関わる部分はやっていなかったんですけど、調べていくと、身体に合ったものを使うという考えがそこまで浸透していないのかなと。

三村:そうですね。靴も同じですが、履く本人が自分の足を知らないということです。だからどんな靴が良いか分からない。各シューズメーカーさんから、「これはウチが開発した良いシューズだから履いてください」と勧められる。それを良いと思って履く。でも、自分には合っていなくて、疲れやすくなったり、故障したりする。そんなことは往々にしてあるんです。履いてくださいと言うなら、メーカーも責任を持って対応しないといけないでしょう。それができてないわけです。

杉原:僕らは(車いすやチェアスキーヤーの)お尻の計測とかをしていますが、身体をデジタル計測するというのは少ないように感じられます。どうして皆、自分の身体を知ろうとしないのかな、と。

三村:今は3D計測やコンピュータ解析が発達してますから、だれでも測定自体はできるんです。ただ、この選手の為にはこういう靴が良い、足のここが悪い、弱いから調整という提案まではコンピュータはしてくれない。それは人間が判断するわけです。ただ、それをやっていないから、足の故障が増えるわけです。

「日本は整形靴の分野が遅れています」

杉原:例えば、アメリカやドイツではドクターが足を見るじゃないですか。ドイツの展示会ではすでに20年前から足にフィットしたシューズの重要性を皆が説いていたと聞いています。でも日本に帰ってくると、皆、既成品を買って履いている。

三村:日本は整形靴の分野が遅れてますよね。先日もそのあたりを教えて欲しいということで、整形外科の学会でお話ししてくださいと言われたんです。なんでがそんな偉い先生の集まりで喋らないといけないのか。何か変わるなら良いけれど、変わらないなら行っても行かなくても一緒ですよ、と。

杉原:医療に関して言えば、予防医療とか、予防治療という領域がありますね。

三村:それはシューズで言えばインナーソールにあたりますね。『アライメント』といって足の形態を計測して、アーチ(土踏まず)を上げるとか、外足部を上げるとか。感性で判断していく。ただ、それができる人は日本では少ない。整形外科ではゼロです。というのは、整形外科の先生はアライメントなんか測らないから。見るだけ。良くて石膏で足型を取るぐらいで、そこまでやる人も少ない。まともに足の骨格なんて測らないんですよ。それで、尻拭いがの所に来る。高齢者が多いんですけどね。「全然靴が合わない。足が痛くならないようなインナーソールを作って欲しい」と。そんなことも多いですよ。

杉原:最近だと3Dスキャナーやコンピュータによる身体の計測、解析も一般的になってきています。ミムラボでは、足部の計測はどのように行っていくんですか?

三村:まず足型を取りますよね。それからアライメントと、腰から下のバランスを測ります。

杉原:それは3Dスキャナーですか?

三村:いや、それは治工具で取る。定規とかメジャーです。その後は3Dスキャナーで足裏を測ったり、ワイズ(足幅)を測ったり。それを総合して、足の弱点を見つける。それは選手も一般の方も同じです。

けれども、計測して足のデータが出ても、どう判断するかの根拠が無いといけない。例えばアーチが低い人。その場合、アーチを何ミリ上げたらその選手にとって良いのか。それは整形外科の根拠の無い判断からきていることも多いです。「足のこの部分がこういう状態だから、この選手はアーチを約3ミリ上げる」といった具合に理由があるなら良い。理由がはっきりしないのに、「3ミリ上げましょう」、「5ミリ上げましょう」。そんなことで足に合うわけがない。それに、その先生がインナーソールを製作するのではなくて、装具士さんが作るわけです。でも、装具士さんも、本人の足を見ていない。整形の先生の言われた通りに作るだけ。そんなことで良いものができるはずがないです。靴で直す範囲が多い中で、整形外科の先生たちは靴を作れるんでしょうか? それは無理ですよ。

杉原:なら、例えば、医師と装具士の連携が図れるような仕組みができたら、良いものが生まれる可能性はあると?

三村:そうですね。3Dスキャナーも、左右の力の掛け具合によって計測データが全然変わってくる。「左右均等に計測器に乗ってくれ」と言っても、殆どの場合利き足に体重が乗るんです。そしたら左右でデータが変わってくる。

杉原:人の重心は皆違いますからね。それはやはり左右均等が一番ベストだと。それを靴で解決していくのがミムラボということですね?

三村:そうです。足の着地から蹴り出しまで左右均等でいくように、ということを大事にしているんです。

杉原:僕らは、歩くことやシューズを作ることは素人ですけど、歩き方って人から教わらないじゃないですか。意外に走り方は教わるんですけど。

三村:それは、そもそも教える人も分かっていないから、だと思いますよ。

「感性でITには負けたくないんです」

杉原:とはいえ、これから高齢社会を迎える上で、歩くことの大切さも問われているんじゃないでしょうか?

三村:そうですね。今まで寝たきりの老夫婦が、私が作ったシューズを履いてから歩くことができるようになったという例もあります。「おかげで外に出られるようになった」という手紙も頂きました。

杉原:それは靴の違いなんでしょうか。

三村:そうでしょうね。「この靴がなければ生活できない」と。

杉原:凄いですね。歩くことは、一番と決めつけてはいけないのかもしれないけど、人間にとって非常に大事な行為じゃないですか。

三村:歩くことが一番大事ですよ。

杉原:だからこそ、靴というのは、身に付けるものの中では最も気を遣わないといけないところだと思うんです。

三村:そりゃあそうですよね。高い靴じゃなくても良いから、自分に合った靴を履かないと。例えば、足首が柔らかい人がクッション性のある靴を履いても余計に疲れるだけ。故障しやすくなります。逆に、足首が固い人は、前後でミッドソールの高低差があってクッションがあった方が良い。極端に言えば、足首の柔らかい人が砂浜を歩いても、疲れるだけ。接地面が柔らかいものは足首の固い人にしか向かないんです。

杉原:その時の、柔らかい固いというのは、三村さんの感覚。

三村:そうですね。

杉原:僕も元よりデザインの仕事をやってきたので、感性というのはなかなか人に継承するのは難しいと思っているんですけれど、日本のみならず、世界的にも、三村さんの持つ感性や経験は非常に大切なのではないかと感じます。

三村:感性というのは、ある程度の基盤、基礎知識の上に成立するものですからね。ウチの工房の場合は14人程社員がいるけど、ほとんどがシューズづくりの経験者です。渋谷の『ヒコ・みづの』とか神戸三田の『神戸医療福祉専門学校』など、靴の専科に2年間通って勉強した者だから、ある程度の基礎はできている。その上で皆に言うことは、「感性というのは自分で作っていくものだ。教えて習得するものじゃない。分からないことがあれば技術的なことは聞け。けれども感性の鍛錬は、自分を信じて、失敗したって良いからやりなさい」とは言ってます。

杉原:その感性を少しでもテクノロジーで体現するというのは。

三村:それはできたらいいですけど、ITがいくら発達しても、どうなんでしょうか。

杉原100%は無理だと思うんですけどね。

三村はね、そういうITに代わるような仕事をしたくない。将棋の世界じゃないけど、自分の感性でITには負けたくないんですよ。

杉原:ただ、データとして落とし込むことができれば、歩くという行為の中での靴の大切さが、より多くの人に伝わるんじゃないかな、と。

三村:それはね、やはり各シューズメーカーさんの技術者がもう少し、しっかりしないといけませんね。

杉原:どの辺りが変わるべきなんでしょうか。

三村:素材の改良でしょう。アッパー、ミッドソール、アウトソール。これを変えない限り良い靴はできない。

杉原:仮に素材の革新が実現したとして、とあるメーカーの靴を買いますと。ただ、それはオーダーメイドではないので、自分にあった最適な靴とは言えないのではないですか?

三村:そうですね、やはり自分にあった靴というのは、足の着地から蹴り出しまで、体重の移動が左右均等になっているかということです。あとはアライメントも、疲れにくい状態になっているか。疲れにくいということは故障しにくいということ。そういう状態までしていかない限り、自分にあった靴とは言えませんね。

杉原:そこで、テクノロジーを通じて、三村イズムがより多くの人に伝わると良いですよね。

三村:だけど、ここ5年や10年で、そこまで変わるとはには思えないんですよ。医師560人の前で講演したことがありますけど、の言ったことがわからない人が多かった。

杉原:医療の現場では、これまであまりされてこなかったアプローチ法だからでしょうか?

三村:レントゲンを撮って、足が折れている、ヒビが入っている。これは分かりますよね? 問題はその後です。また同じ状態にならないようにするにはどうすれば良いのか。「あなたの足は今こういう状態だから、こう修正すれば良い」と、はっきりした根拠で、患者さんや選手に伝えてあげたら凄くラクだと思うんですよ。

後編につづく

三村仁司(Hitoshi Mimura
1948年兵庫県生まれ。学生時代に陸上選手として活躍後、1966年国内スポーツブランドに入社。シューズ製造に携わり、1974年からはアスリート向けの別注シューズ製造をスタートする。2009年より自身の工房「M.Lab(ミムラボ)」を立ち上げ、これまでに様々な分野のトップアスリートたちのシューズ・インソール開発に携わり彼らの大舞台でのチャレンジをサポートし続けてきた。2004年厚生労働省「現代の名工」表彰、2006年黄綬褒章を受章。201811日よりニューバランスと「M.Lab」がグローバル・パートナーシップを締結。専属アドバイザーに就任。

(text: 吉田直人)

(photo: 増元幸司)

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対談 CONVERSATION

悲惨な事故を激減できるか?データ活用が可能にする〝未事故〟社会

宮本さおり

ドライブレコーダーの普及と共に、もはや当たり前のようにいわれ始めた運転にまつわるセンシング。先日、高齢者の運転により母子の命を奪われた痛ましい事故の初公判が行われたばかりだが、被告はあくまでも「車の不具合」が理由だと主張し注目を集めた。交通事故は誰にでも起きうることだが、裁判で白黒がついたとしても失われた命が戻ることはない。ドライバーや歩行者が気をつけるべきこともあるが、人間の感覚だけに頼らない、事故を未然に防ぐ試みが多方面ではじまっている。あらゆる移動にまつわるセンサーデータを収集、解析することで社会に役立てようとする株式会社スマートドライブでは、事故を未然に防ぐことにも活用できそうなデータ活用プラットフォームを構築、今後は渋滞緩和などにも役立てたいと語っている。同社CEOの北川烈氏を編集長・杉原行里が訪ねた。

技術と実生活を結んで
革新をおこす

杉原:実は、僕がRDSでやっていることと、スマートドライブさんがされていることで近いなと思うところがありまして、今日はお話を伺いにきました。

北川:ありがとうございます。

杉原:僕たちはセンシングで全身を可視化して、今後はプライベートブロックチェーンで、未病や自分の身体の最適解を知ることなどをやっていきたいと思っているんです。スマートドライブさんがされていることは、考え方として非常に近いことを「移動」という分野においてされているなと感じているのですが。

北川:我々は〝動くもの〟を軸に考えてデータプラットフォームを作ろうとしています。一番多いものとしては車なんですけど、最近ですと人の動きや、そのセンサーデータ、さらにその周辺の情報で、例えば、事故を起こした場合に、その周辺情報をひとつのプラットフォームに集めて解析するようなこともはじめています。例えば運転にまつわるデータですと、集めたデータを解析するアルゴリズムがいくつかあって、それを他社に提供して、新しい保険を一緒に作るとか、自動車メーカーの新しいサービスを作るとか、マーケティング戦略を一緒に作るといったような事業と、そのプラットフォームを活用し我々自身がSaaSのサービスを展開しています。

事業概要を説明する株式会社スマートドライブ北川氏

 

杉原:なるほど。もともとスマートドライブって、北川さんが立ち上げられたのですか?

北川:そうです。私が大学院にいるときに、移動体などの時系列処理のデータ分析研究をやっていたのですが、それを社会実装したいなと思ったことがきっかけで創業した会社です。

杉原:創業はいつ頃ですか?

北川:2013年の末ですね。

杉原:ものすごくいいところに視点を置かれましたね。これから一番トレンドになるところですよね(笑)。日本はいま、海外の先進国と比べるとデータサイエンティスト不足で大変なことになっているといわれていますが、御社には盤石な体制がありますよね。データの集積や解析に、そもそも興味を持たれたきっかけは何かあったのですか?

北川:大学院って、研究テーマがたくさんあると思うのですが、私の場合は技術的な領域と自分の実生活が密接に結び付くところがいいなと思っていました。大学院の研究領域だと、技術的にはすごいけど、リアリティーがない世界ってあるんですよね。私はそういうものよりは、やはり実生活の課題を解決するとか、自分では “肌触りがある領域” という言い方をするんですけど、そういった領域のものがいいなと感じていて、研究室でも実世界の問題に応用が効くとか、技術をメディアアートなどの表現に応用することを推奨されて、自由に研究することを許してくれていました。そんな中、このテーマに出会って腹落ちをしたというのがきっかけです。だから、車の渋滞をどうしたら解消できるのかなど、身近な問題に目を向けるようになっていったんです。

〝車に乗るのが嫌い。〟
から始まった開発

杉原:僕たちがRDSでプロダクトを開発するときに、“自分ごと化” という言葉をよく使うんですけれども、それと近いのかなと。自分の身の回りに起きていることではない、もう少し先のことまで言ってしまうと、その感覚値にズレが生じてしまいますよね。例えば今の北川さんのお話だと、車の渋滞をどうやって解消するかって、渋滞を解消してほしくない人なんていないですもんね(笑)。

北川:そうですよね。私がこの話をするとネタっぽくなってしまうんですけど、実は私、あまり車が好きではないんです。車酔いをしてしまうので、できれば乗りたくない。
そんななか、事故や渋滞、車酔いといった移動における負の部分が、今後自動運転技術などの進歩で解決されていくという社会を早く実現させたいなという思いで創業しました。

杉原:北川さんの会社では、異業種とのパートナーシップや提携をされている。いろんな領域にプラットフォームで培われたアルゴリズムを提供されているという印象を受けたのですが、根幹となる技術やアルゴリズムになにか違いはあるのですか?

北川:基本は同じです。そのベースとなるものを保険に使うか技術に使うかによっての差はありますが、根底の部分は同じです。

杉原:今はどのようなことをされているのですか?

北川:分かりやすい例でお話しすると、一日の運転を数十万通りの軸でデータポイントを取り分けて、そこで機械学習をさせたりしています。だいたい2週間くらいかけてデータを取ると、その人が事故を起こす確率をかなりの高確率で当てられるんです。また、エンジンをかけた瞬間にその人がどこに行くかを推定するような研究開発も行っています。

杉原:それはすごい!!

北川:そういったR&D(研究開発)要素も含まれたアルゴリズムもあれば、リアルタイムにいろんなところから上がってくるセンサーデータを、APIとして様々なサービスに使えるようにすることもしています。

杉原:今のお話の中に出てきたR&D的な要素でいくと、例えばステアリングを握った感覚とか、ドアの開閉時の力の強弱なんかも含めて、この人がこれからどこに行くのかを推測したりするということですか?

北川:今はまだそこまではいっていないのですが、そういったデータが取れるようになれば、もっと精度は上がってくると思います。今我々が取っているのはGPSとかカメラの情報なので、その時の天気とか、エンジンをかけた時間帯とか、過去の行動履歴から推定できないかということをやっています。あとは、タイヤのメンテナンス時期をお知らせできるといったようなことです。集積したデータを使えば、故障を予測することも出来るようになります。

事故を未然に防ぐ仕組み

杉原:医療の側面から考えると未病を認知する感じですよね。僕は車が好きなので、タイヤ交換しない人やタイヤの空気圧を調べない人が信じられないんです(笑)。事故の要因として、車の整備不良もかなりの割合を占めていると思われますし、整備不足を指摘してくれるだけでも事故や故障を未然に防ぐことにつながりそうですよね。そのほかには、どんなことをされているのでしょうか。

北川:2つあります。ひとつは、我々はDX1.0と呼んでいるのですが、企業運営を考える時、社員であったり、物であったりがどこを移動しているかが分かったり、安全運転の度合いが分かるだけで、移動効率が上がるんですよね。例えば、営業車両の位置が分かれば、どういう動きをしていたのかを把握できる。そのデータを使えば、個人がいちいち日報を付けなくても、自動で日報が上がってくるとか、そういった移動にまつわる業務プロセスがDX化されるみたいなものって、実はまだまだ出来ていない。そこに対して我々は車両の管理とか、ドライバーの事故を無くすといったプロダクトや見守りみたいなものを出しています。

杉原:つまり、移動にまつわるDXを広く浅くやっていこうとされている。

北川:そうです。

杉原:その仕組みは物流などにも広く利用できそうですよね。

北川:そうですね。先ほどご質問いただいた、リスクや故障、行動を予測するというのは、我々としてはプラットフォーム事業と呼んでいるところで、これをパートナーと一緒に、例えば保険と組み合わせることで、安全運転をしている人は保険が安くなるといったような価格が変動する保険が作れますよとか。車を買ったら終わりではなくて、その後のメンテナンスまで完璧にサポートされている車が手に入りますよといったように、弊社のプラットフォーム×他社のサービスで、より深いDXをしていけないかと考えているのです。それをDX2.0と呼んでいて(笑)。広く浅くと、パートナーと深くつくっていくという、この2つの事業を展開しているところです。

杉原:おもしろいですね。DX3.0 、DX4.0はどうなっていくのか、これから楽しみですね。先ほど北川さんがおっしゃっていたように、物流にその技術が入っていったとき、僕たち消費者側もデータ提供を行っていれば、家にいて受け取れる時間帯に事前確認する必要なく配達してらえたりしますよね。

北川:弊社の強みは、そういったプラットフォームとして他社にいろんな形で提供できるということと、それによって、いろんなものとデータを連携しやすいということなんです。

杉原:ビッグデータが集まってくるということですよね。ということは、そのビッグデータにアクセスできる権利を、パートナーと契約しながらやっていくというのが現在のスマートドライブさんのビジネスモデルということですよね。

北川:おっしゃる通りです。ゆくゆくはマーケットプレイスみたいなイメージで、いろんな会社をつないでいくと、自動的に他社とつながってサービスの幅が広がっていくというというところまで出来てくれば、そこがDX3.0 といったところでしょうか(笑)。

杉原:すごいな。もう3.0まできましたね(笑)。楽しみです。

(プロフィール)
北川烈(きたがわ・れつ)
SmartDrive 代表取締役 (CEO) 。慶應義塾大学在籍時に国内ベンチャーでインターンを経験、複数の新規事業立ち上げに参加。その後、1年間米国に留学、エンジニアリングを学んだのち、東京大学大学院に進学。研究分野は移動体のデータ分析。その中で、今後自動車のデータ活用、EV、自動運転技術が今後の移動を大きく変えていくことに感銘を受け、在学中にSmartDriveを創業した。
https://smartdrive.co.jp

(text: 宮本さおり)

(photo: 増元幸司)

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