スポーツ SPORTS

2020年、夢の舞台に立つのはキミかも!?東京都 パラリンピック選手発掘プログラム始動中

平山 麻衣子

3年後に迫った東京2020パラリンピック。世界で活躍するヒーローは、まだ自分の可能性に気づいていないのかもしれない。

パラリンピックというと、長年その競技に取り組んできたアスリートだけが出場のチャンスを手にすることができるように思われるかもしれない。しかし、パラ陸上の辻沙絵選手が世界選手権で6位に入賞したのは、ハンドボールから短距離走へ転向したわずか半年後の事だそう。パラ競技と出会えていない、国際大会で活躍できる可能性を秘めたアスリート達が、日本にはまだ眠っている。

普段からスポーツを行なっていても、パラリンピックの正式競技の経験はない。パラリンピック競技を行なっているが、他にも自分に向いている競技があるのではないか。そんなアスリートと競技の出会いをサポートするのが「東京都 パラリンピック選手発掘プログラム」。このプログラムは、パラリンピック選手を発掘する目的で東京都が実施しているもの。東京都は、昨年(2016年)、著名な漫画家とパラアスリートを起用して話題となった動画作品「Be The HERO」などを公開しており、東京2020に向けて、パラスポーツ競技について様々な取り組みを実施している。


競技人口が増えれば、パラスポーツへの注目も高まり、アスリートを取り巻く環境の向上にも繋がっていくのではないだろうか。このプロジェクトは、社会を変える大きな一歩になる可能性を秘めているかもしれない。

<参考>
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sports/027/shiryo/__
icsFiles/afieldfile/2015/06/15/1358884_09.pdf
http://www.para-athlete.tokyo

(text: 平山 麻衣子)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

RECOMMEND あなたへのおすすめ

スポーツ SPORTS

世界初、サイバーアスリートの祭典の先にあるイノベーションとは【サイバスロン】

中村竜也 -R.G.C

パラリンピックを見ていても感じるように、障がい者スポーツ選手の活躍が目覚ましい昨今ですが、その陰にはもの凄いスピードで進化をしている最先端技術の存在があります。その技術を義肢や車いすなどに応用し、競い合う大会・サイバスロンが、昨年開催されました。

技術の進化が目指すバリアフリーな世界

2016リオデジャネイロオリンピックが閉幕した2ヶ月後、スイスのチューリッヒにて開催されたサイバスロン。この大会は、“サイボーグのオリンピック”や“バイオニック・アスリートたちのオリンピック”とも言われ、技術開発者と障がい者の議論の促進やロボット工学を駆使した補装具の普及を目的に、チューリッヒ大学・スイス国立コンピテンスセンター・ロボティクス研究所教授のロバート・ライナー氏の発案により実現されました。

第1回大会の競技種目は、脳コンピュータインタフェース(BCI)レース、機能的電気刺激(FES)自転車レース、強化型義手レース、強化型義足レース、強化型外骨格レース、強化型車いすレース全6種目で競われ、世界25ヶ国から70チーム以上のチームが参加。日本からは、株式会社メルティンMMI、和歌山大学サイバスロンプロジェクトRT―Movers、株式会社サイボーグの3組が、それぞれの最先端技術を試すべく出場し、目覚ましい活躍を果たしました。

しかしながら、この素晴らしい競技会のことは、まだまだ一般的にはあまり知られていないという課題もあります。一説によると、「名前だけ聞いたことがある」人を含めても、認知率はわずか2割弱にすぎないと言われています。そこを踏まえた今後の課題として、世界中の障がい者や技術者、そして一般の人たちにも広く知ってもらうことで、単なる競技会にとどまらない可能性を展開していくことに期待が寄せられているわけです。

その期待とは、健常者と障がい者の差を縮小することで、共生社会の実現というソフト面での貢献と、AI、センサー、モーター、素材、制御機能など、多岐にわたる最先端技術の開発加速化というハード面での貢献の両面と、各方面への技術の応用が可能ということ。たとえば、超高齢化社会を迎える日本にとって、障がい者だけではなく、高齢者や介護者に活かすことも可能なのです。また、農作業や工場での作業支援、日本が抱える大きな問題でもある原発等の危険区域での遠隔操作など、産業界にとっても非常に重要な意味を持っています。

HERO X編集長 杉原「実際にスイスでサイバスロンを観戦し、実装という部分では、描いている未来ってそんなに遠くないんだろうなというのは、すごく感じました。そして、4000人もの観客がアリーナを埋め尽くし、規模は違えど、サッカーのワールドカップを応援しているかのような熱量で参加者を応援しているのを目の当たりにしたら、この分野の発展を期待せざるを得ないですよね。だからこそ、次大会に参加するであろう、今回にも参加したプレイヤー達と、新規のプレイヤー達が見せてくれる技術の進化が楽しみでしょうがないです。また、国や企業の姿勢もどう変わっていくか気になるところですね」。

現在、東京2020を前にし、2019年に日本でのサイバスロン大会も噂されています。大会まであと2年。サイバスロン次回大会が単なる競技会にとどまらず、技術開発を加速させ、商品化へと急速に向かう世界がその先にあることを願います。

(text: 中村竜也 -R.G.C)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

PICK UP 注目記事

CATEGORY カテゴリー