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農業用ドローンXAGが消毒剤を散布!コロナ対策にジョイン

Yuka Shingai

コロナウイルスの感染拡大を食い止めるべく科学者たちが診断やワクチンの開発を急いでいるかたわら、オートメーションテクノロジーも最前線への協力を急ピッチで進めている。 中国ではいま、コロナによって技術革新が推し進められている最中だ。

コロナウイルスの出現以来、農業用ドローンメーカーのXAGは世界を牽引する農業の技術を活かし、感染症を封じ込めるための特別基金に500万元(約7500万円)を提供してきた。
今年の2月末にはXAGの農業用ドローン2600台を率いて、中国20州の90億平方メートルにも及ぶエリアの消毒を有志でスタートしている。

XAG製のドローン1台につき、1日に消毒できる範囲は最大で60~70万平方メートル、人力でやろうとすれば100人がかりの作業量だ。散布量を適切にコントロールできる能力も手伝って、消毒剤の消費も手動でスプレーするのに比較して5分の1程度で済んでいる。

一方でドローンにも限界はあり、小型ロボットがすいすい進入できる小道や区画のような込み入った環境では操作しづらい状況を鑑みて、XAGは農業用無人車のR80を本対応のためにローンチ済みだ。360度ハイスピードの噴霧器「JetSprayer™」を使って消毒剤を散布でき、自動的に障害物をよけながら狭いスペースも横断してくれる。

調査と実証実験を経て、XAGは政府の協力の元、病院、工業団地、学校などウイルスの影響を大きく受けそうなエリアに向けて、消毒のデモンストレーションも実行している。
広州市の幼稚園で実施されたデモでは、門に始まり園庭を通過、ホールに共用スペースと自動運転のルートを正しく辿り、その都度噴射器の方向を切り替えながら、目視では確認できないエリアまで消毒を行った。以前は4,5人の作業員を雇い、数時間かかっていた作業がたったの5分で終了した模様だ。

ドローンやロボットはどこまでコロナウイルスの終息に寄与し、ネクストステップとしてどのようなイノベーションを巻き起こすのか。世界中のテックカンパニーに与える影響についても追っていきたい。

(text: Yuka Shingai)

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パラリンピック伊藤智也選手の応援ソングはハニエルだった!マシン開発の裏側公開

HERO X 編集部

伝説の車いすランナー伊藤智也選手。“おっちゃん”の星として「頑張らなあかんな」と語る彼の存在を入り口に、パラリンピックの魅力に気づいたという人もいる。そして、応援ソング「ノンフィクション」まで生まれた。

記事を読む▶伊藤智也選手の応援歌「ノンフィクション」収録!ハニエル待望のサードアルバムがリリース

人間と競技用車いすといういわば“マシン”の融合で極限に挑戦するパラアスリートたち。彼らにとっての大舞台であるパラリンピックで、伊藤選手が人々に与えてくれるものは、舞台上での感動に終わらない。メダリストとしてはもちろん、それ以上の影響力を彼は放っている。

輝かしい戦績もさることながら、注目したいのはその不屈の闘志だ。

「伊藤さん、もういっぺん、走る気はありますか? あなたの体に合ったマシンを開発したら金メダルを獲れますか」というRDS代表でHERO X編集長・杉原行里の言葉は、すでに引退をしていた伊藤選手のパラアスリート魂に火をつけた。

5年間ものブランクを経て、2017年夏に東京2020パラリンピックを目指して競技復帰。2019年の世界選手権では銀メダル1個、銅メダル2個を獲得し、東京パラリンピックの日本代表に内定したものの、2020年には数年ぶりに多発性硬化症病気が再発。それでも57歳になった伊藤選手は挑むことを止めない。次は2024年「パリでひとつ花火を打ち上げたる」と闘志を燃やす。

そんな伊藤選手を応援しようと誕生したのが、エネルギーと躍動感あふれる一曲「ノンフィクション」だ。東京2020パラリンピックに出場する伊藤智也選手の応援歌として誕生したHoney L Daysによる「ノンフィクション」だが、伊藤智也選手はこの曲を2024年のパリへと歌い継ぐのだろう。

イノベーティブで、世界に変革をもたらす大会を目指す東京2020大会。確かに、スポーツには世界と未来を変える力がある。

記事を読む▶選手と開発者をつなぐ“感覚の数値化”伊藤智也×RDS社【究極のレースマシン開発】Vol.2

パラリンピックはマシン力を競う場でもある。伊藤選手のマシン開発にも多くのエンジニアが集結、フィジカルなデータをもとに、F1マシンさながらに進められてきた。

伊藤選手の活躍が、私たちに、そして社会に前向きな変化を起こしてくれることを期待せずにはいられない。

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(text: HERO X 編集部)

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