医療 MEDICAL

コロナ感染第二波が心配される中国で活躍するかも!? 医療現場を守るロボット

Yuka Shingai

1月23日に全国的な新型コロナウィルス感染症拡散防止措置を実施後、国内の主な感染地域における感染者の再生産数(1人の感染者が生産する2次感染者数)は1未満へと大幅に減少しているものの、まだまだ予断を許さない状況にある中国。 第二波の潜在的可能性に備えて、最前線に立つ医師を守るために開発されたロボットが注目を集めている。

車輪付きの土台に長いロボットアームが装着されたロボットは、患者の口腔細胞からの試料採取、検温や心拍の確認といった医師と同様のタスクをいくつかこなすことができる。ロボットの行動がカメラで記録され、遠隔でコントロールできるため、医師は近くの部屋あるいは、もっと離れた場所で治療を行うことができ、感染患者との濃厚接触を避けられる。

あえて「いくつかのタスク」に限定しているのは、治療中の患者の多くは人の存在を感じられることで安心するため、フルリモートのロボットにする必要はないという現場の医師たちからのアドバイスによるものだ。

ロボットのメインデザイナーは、中国・北京にある清华大学のエンジニア兼教授のZheng Gangtie氏。Gangtie氏がこのロボットのアイデアを思いついたのは、武漢市で急激にCOVID-19の症例が増えだした1月の旧正月のタイミングだ。患者の治療にあたっている病院の職員たちが感染し始めていることが問題になっていると北京清華長庚医院の上層部から聞きつけたGangtie氏は、状況の改善を目指しエンジニアチームを招集、ロボットの開発に乗り出した。

すでに開発された2体のロボットは北京の病院で試験を済ませ、1つは武漢協和病院に導入され、医師たちが使用するための訓練を受けている。

1体作るにあたってのコストは約72000ドル、大学からの資金がすでに底をついてしまっているため、このプロセスを採用する企業の台頭に望みをかけているとZheng氏は語る。
中国全土から武漢氏に派遣された数万人の医療従事者のうち、2月末までに感染が報告された人数は3000人以上に昇る。医療現場を維持するべく、資本を投入できる企業の一声が待たれるばかりだ。

(text: Yuka Shingai)

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呼吸をリアルタイムにモニタリング。充電も、取り外しも不要なヘルスタグ「Spire」

Yuka Shingai

ヨガや瞑想で深い呼吸を行うとリラックスするとともに、普段自分の呼吸がいかに浅いか気づくことがある。深呼吸には体内へたくさんの酸素を送りこむことで基礎代謝のアップや心身のバランスを整える効果があるとも言われているが、忙しい現代人はほとんどの人が浅い呼吸で過ごしているように思う。「息を吸うように」と表現される通り、当たり前に、無意識で行う動作だけに、自覚的に意識を向けることが難しい “呼吸” にフォーカスした製品を今回ご紹介したい。

サンフランシスコのベンチャー企業 Spire Health社が開発した「Spire Stone」と「Spire health tag」はズボンや下着につけて、呼吸数をモニタリングするヘルスタグ。スマートフォンのアプリと連携すると、呼吸の波形が確認できる。

呼吸状態は Calm(穏やか)、Focus(集中)、Tense(緊張)の3種類に分かれ、緊張状態になると画面が赤く変わり、長時間続くと振動してリラックスするよう呼びかける仕組みになっている。

この呼吸の分析結果を1日や1週間単位で表示したり、地図と連携することで場所と緊張状態の相関を示すこともできるし、落ち着くため・緊張を和らげるため・瞑想に至るまでなど専門家によるアドバイスを受けられる音声ガイドも搭載されている。

2018年に発売された最新モデルの「Spire health tag」は充電不要で約1.5年間使用が可能。さらに衣服と一緒に洗濯しても大丈夫という驚くべきスペックを備えている。

よくあるスマートウォッチやウェアラブル端末のように、単一のタグを使いまわすのではなく、複数の衣服につけてられるように、3個パック、6個パック、8個パックなど複数個を1セットにした販売方法も非常にユニーク。

Spireの公式ウェブサイトほか、Apple StoreやAmazonなどにも販売ルートを設けている。

ウェアラブルデバイスを日常的に使う習慣が後押しされそうだ。

(text: Yuka Shingai)

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