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車いすのまま運転できる世界初の電気自動車「Kenguru」が間もなく発売開始

Yuka Shingai

特に自動車マニアというわけではなくとも、環境保護や税制の観点から電気自動車に関心がある人は多いだろう。アメリカではテスラやゼネラルモーターズ、日本国内ではホンダやトヨタ、三菱など数多くの自動車メーカーが近年注力している分野だ。今回紹介する「Kenguru」は、世界初・車いすのまま乗ることができる電気自動車だ。テクノロジーとエコ、グッドデザインの融合ともいえるこのプロダクトは間もなくイギリスで販売開始となる。

バリアフリーの普及や、車いすの小型化、軽量化が劇的に進み、車いすユーザーが1人で自由に移動できるまであと一歩といったところだったが、「Kenguru」こそがそのニーズを満たしてくれる真打ちかもしれない。乗り降りも非常にシンプルで、キーを押すと後部ドアが開き、自動で下がってくるスロープに車いすのまま乗り込むだけでOK。操縦は自転車タイプのハンドルで行う。車いすが正しいポジションで固定されてドアがフルクローズされるまで動き出さない、駐車する際に歩道の端ギリギリまで寄せられるので、降車すればすぐに行動できるなど、安全面での配慮も万全だ。

横幅はミラーを含めて155センチ、高さ147センチとコンパクトながらも、時速最大30マイル(約48キロ)を1回の充電で走行できる。カラーリングやフォルムのポップさに加えて、重量(290kg)がスクーターと同じ分類となるため、原付の運転免許があれば操縦できるというのも手軽で人気を博しそうだ。販売価格やエリアについてまだ詳細は明らかになっていないが、ユニバーサルな展開に期待したい。

[TOP動画引用元:https://youtu.be/Mw3kdZUTyJw

(text: Yuka Shingai)

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バレエの未来を義足が変える? 100%ポワントが可能な『Marie-T』

Yuka Shingai

アスリートのための義足というと、多くの人はまずランナー用のものを思い浮かべるのではないだろうか。過去のパラリンピックでも義足で華麗にトラックを駆け抜ける選手たちが大きく話題となった。しかし義足の可能性は陸上競技だけには留まらない。今回紹介する『Marie-T』は、なんと、バレリーナのための義足だ。

つま先で立つポワントはバレエを代表する優美かつ軽やかなポジションだが、足と足首を大きく歪ませるため、幼少期から練習を積んでも、常にこのポジションで演じ続けることは極めて難しい。数多くの著名なアーティスト、デザイナーを輩出したニューヨーク州ブルックリンの大学Pratt Instituteのデザインチームはポワントを100%の精度で演じることができたら何が起こるか、バレエはどう変化するか、クリエイティビティがどう刺激されるか、という狙いで『Marie-T』を開発した。

ポワントのポジションはふくらはぎからつま先に至るまで一切曲がらずに伸びているため、衝撃を吸収できない。この問題を避けるため、『Marie-T』はチータと呼ばれる義足と同じ湾曲の仕組みを採用しているが、チータはアスリートが後ろに転ばないようにするために、バランスを維持するべく常に運動し続けなければならない。そこで、『Marie-T』は湾曲する方向を反対にすることで、一度姿勢を止めてから、また次の動きへというバレエには欠かせない流れを可能にした。

義足によって加えられた重みはダンサーが踊り続けるのに弾みをもたらし、重力が下がることで、バランスを維持しやすくなっている。

『Marie-T』が描くバレエの未来は、我々が想像するよりもずっと先にありそうだ。

[画像引用元:http://www.jaehyunan.com/new-page-45/

(text: Yuka Shingai)

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