命を守る分野で、安全性を確保しながら、どう効率化を図るかは常に課題となっている。特に新生児医療や小児科では、1人の新生児に多くのスタッフがかかわることで、小さな命を守っている状況だ。その医療現場のサポートとなる技術が開発された。「ベビーセンサーBaby Ai Med.」は日本の企業が製作した、産院での「赤ちゃん見守り」を支援するシステムだ。
乳幼児の呼吸数をモニターできる
日本製のIoT対応センサー
日本の新生児の死亡率は世界一低く、ほかの先進国から大きく注目されている。小児ICUが充実していることも大きいが、乳児のNICUでは保育士も活躍しており、そういった人々の努力なしには実現できないことだろう。
といっても、最近では医療費の削減もあり、現場の人々がひっ迫している面もある。生まれたばかりの赤ちゃんの「見守り」は、マンパワーに頼るしかなく、医療現場や保育士さんの疲弊が気になるところだ。
そんななか、株式会社リキッド・デザイン・システムズから、赤ちゃんの見守りをセンサーで実施できる製品が発売された。「ベビーセンサーBaby Ai Med.」は、柔らかいセンサーマットを通じて赤ちゃんの体動から呼吸音をセンサリングし、呼吸が大幅に変化した時に光と音でアラートを発する。専用端末/アプリを通し、育児室内にいる複数名の乳幼児の遠隔同時モニターも可能。これにより、出産後の母親や看護師などの負担を軽減していく。
ベビーコット内に設置するセンサーマットが、海外製にみられるような堅いものではなく、赤ちゃんに負担の少ない柔らかなものであるのも特徴。日本の企業の繊細な技術が活かされた製品といえそうだ。
保育園でも乳幼児の昼寝中に、「うつぶせ寝」を防止するための見回りが大変だという。呼吸音をモニターするテクノロジーがあれば、うつぶせ寝による乳幼児突然死の防止にもなり、見回る人の負担の軽減にもなるだろう。
マンパワーが優れているのは日本の良い所だが、マンパワーに頼るあまり、看護師や保育士が超過労働になってしまっている面もある。ケアの分野でも、テクノロジーを使った支援システムを積極的に使っていけるようになれば、質を保ちつつ労働力を軽減することができそうだ。
(画像提供:株式会社リキッド・デザイン・システムズ)