プロダクト PRODUCT

車いすユーザーからも好評!着せ替えもできるユニバーサルデザイン傘

HERO X 編集部

くねっと曲がった持ち手が持ちやすく、どこかに引っ掛けることもできるから便利!…と、話題の株式会社サエラが販売するEvereon(エバーイオン)は、着せ替えができるビニール傘としても注目されはじめている。

“使い捨て傘”と呼ばれる通り、急な悪天候による一時しのぎの傘としての役割を与えられてきたビニール傘。Evereonは所有欲を掻き立てるデザイン性とリサイクル性を備え、ユニークな持ち手部分はユニバーサルデザイン的な要素も強いと高評価を受けている。着せ替え可能な傘とはどのようなものなのか。

強い風にあたるとすぐに骨が曲がってしまう印象のビニール傘。だが、Evereonは伸縮性や耐久性に優れたプラスチックを骨部分に使用、風速15メートルの風も柔軟に受け流す仕組みを実現した。骨組みもビニール傘にありがちなシルバーの無骨なカラーとは違い、とてもカラフル。また、傘生地のビニール部分が破れたとしても、傘生地だけの販売もあり、自分で張り替えることができるのだ。

骨の色、生地の柄の組み合わせによりオリジナルの傘が作り出せる。張り替えは至って簡単。破れたからという理由だけでなく、おしゃれを理由に張り替える人も増えているようで、その日の服装や気分に合わせて傘の着せ替えを楽しんでいる。中でもユニークなのがこの持ち手部分。握りやすいだけでなく、車いすの骨組にひっかけやすく、傘を肩だけで支えて走行するのに比べ、傘が安定して便利と、車いすユーザーからの評価も高い。

製造、販売を手掛けるのは港区にある株式会社サエラ。国内でビニール傘は年間約6000本が壊れて廃棄されていくとさえ言われている。ここに問題意識を持って開発されたのがサエラのビニール傘。昔は修理して使うのが当たり前だった傘だが、コンビニなどで出回る安価なビニール傘の場合、骨組みが弱く、曲がりやすい。時には骨がボキッと折れてしまうことも。こうなると、修理でなんとかなるレベルではないため、廃棄処分の傘が増えていく問題がある。壊れにくくてしかもおしゃれ。オンラインストアも充実しており手に入れやすい。これからの雨や雪の時の外出もこの傘があれば気持ちは晴れやかになりそうだ。

オンラインショップ
http://caetlajp.com/

(text: HERO X 編集部)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

RECOMMEND あなたへのおすすめ

プロダクト PRODUCT

世界最高のアクションスポーツ用義足を生み出した、アメリカの“モンスター・マイク”

岸 由利子 | Yuriko Kishi

パラリンピック初出場にして、ピョンチャンパラリンピックの男子スノーボードクロスで金メダル、バンクドスラロームで銀メダルを獲得した米国のパラスノーボード選手、マイク・シュルツ。その時に彼が装着していたのは、なんと、自らが開発を手掛けたスポーツ用義足で、同大会のスノーボード競技では、6ヶ国20人以上の選手が、シュルツ選手による義足を採用した。アスリートと義足開発者のふたつの顔を持ち、レース界では、通称“モンスター・マイク”で親しまれるシュルツ選手と、彼が創設したアクションスポーツのための義足開発メーカー「BioDapt(バイオダプト)」の魅力に迫る。

世界トップクラスのスノークロスレーサーが
自ら「人工膝」を開発した理由

2008年、スノークロス競技で世界トップ5に入り、米国ミネソタ州セントクラウドに拠点を置くスノークロス競技のプレミアチーム、ワルナート・レーシングと選手契約を交わすなど、スノークロスレーサーとして絶頂期を迎えていたマイク・シュルツ選手。そんな最中、ミシガン州アイロンウッドで行われた世界大会第2ラウンドのレース中の事故により、左足の大腿切断を余儀なくされた。

「選手生命は、完全に絶たれてしまった」――そう思っていた矢先、世界最大のエクストリームスポーツの祭典「Xゲームズ」のスーパークロスに、障がい者部門があることを知る。だが、シュルツ選手によると、当時、コイルオーバーのサスペンションを備えたスポーツ用義足は、ダウンヒルスキー用に設計されたものしか存在せず、スーパークロスで使用するには、可動域が極めて狭く、コイルのばねが硬すぎるなど、改良するべき点がいくつもあった。

そこで、オートバイなどの修理を得意としていた彼は、自らのエンジニア技術を駆使し、特許権を有するリンク機構システムと、FOX社のマウンテンバイク用サスペンションを組み込んだオリジナルの「人工膝」を設計した。

アクションスポーツに特化した
義足開発を手がけるバイオダプト社を設立

引用元:Sports Illustrated
https://www.si.com/

2009年、独自の人工膝を採用した義足で、Xゲームズ夏季大会に出場し、スーパークロスでみごと銀メダルを獲得したシュルツ選手。自ら作り上げた義足と共に、再びアスリートとしての実力を発揮した経験が、「障がい者スポーツ用の義足をもっと進化させる必要がある」と彼を奮起させ、2010年、アクションスポーツのための人工装具や義足開発に特化したバイオダプト社(BioDapt,Inc.)を設立するに至った。

  

Moto Knee(モト・ニー)(左)と、Versa Foot(ヴァーサ・フット)。

当初、シュルツ選手が開発した人工膝には、改良が重ねられ、現在は、大腿義足者のために開発された義足「Moto Knee(モト・ニー)」として、製品販売を展開している。Moto Knee(モト・ニー)の最たる特徴は、可動域の広さと優れた衝撃の吸収力。最大130度まで屈曲可能な仕様でありながら、屈曲抵抗も備えているほか、好みの空気圧に合わせて、圧縮と反発を容易に調整できるFOX製サスペンションが搭載されている。

足部の「Versa Foot(ヴァーサ・フット)」は、サスペンションの位置を変えることで、さまざまな角度調節ができる。大腿義足の人は、足部のMoto Knee(モト・ニー)と組み合わせることで、下腿義足の人は、Versa Foot(ヴァーサ・フット)のみで、従来の義足では考えられない設定が、カスタマイズできてしまうのだ。

引用元:Biodapt https://www.biodaptinc.com/

Versa Foot(ヴァーサ・フット)においては、かのトーマス・エジソンやチャールズ・ダーウィンが寄稿したことでも知られる、米国の科学と技術の専門誌「ポピュラーサイエンス」の「2013年の発明・トップ10」に選出されている。どれほど画期的なイノベーションであることかが伺えるだろう。

そして、今や、シュルツ選手が開発する義足は、スノーモービル、ウェイクボード、ジェットスキーなどから、モトクロス、ダートバイクや乗馬まで、海、陸を問わず、さまざまなアクションスポーツの世界で、義足の人々がパフォーマンスを発揮することを可能にしている。

自分の作った義足で、
世界の頂点に立ったモンスター

義足の企画から製作まで、試行錯誤を重ねながらも、そのすべてを自身で行う中、2010年のXゲームズでは、夏季・冬季の両大会で金メダル獲得を果たした初の選手に輝き、2014年までにスノークロスなどの競技で、計6個の金メダルを獲得したシュルツ選手。「義足を開発して欲しい」という要望があれば、喜んで製作を引き受けてきた。

スノーボードとの出会いは、Xゲームズで知り合ったある選手からの質問がきっかけだった。

「君は義足を作っているそうだけど、その義足って、スノーボードにも使えるのかな?」

それを確かめるためには、スノーボードを自分でやってみる必要があった。バイオダプト社の義足を発展させるための研究のひとつとして、飛び込んだスノーボードの世界。だが、同時にそれは、“モンスター・マイク”の新たな境地を拓く、スノーボード選手としてのキャリアのスタートでもあった。

起伏の激しいコースを高速で滑っても、バランスを崩すことなく、衝撃吸収性など、優れた機能性を発揮する――シュルツ選手が自らのスノーボード経験をもとに開発したスノーボード用義足の素晴らしさは、彼の実績が物語っている。前述した通り、ピョンチャンパラリンピック初出場にして、男子スノーボードクロスで金メダル、バンクドスラロームで銀メダルを獲得という大快挙を成し遂げた。同大会では、女子スノーボードクロスとバンクドスラロームで金メダルを獲得したブレナ・ハッカビー選手をはじめ、世界トップクラスのスノーボード選手20人が、彼の開発した義足で勝負に挑んだ。

「もし、何かを成し遂げたいと強く望むなら、そのための道は見つかるものです」

その道が見つかった今、アスリートと義足開発者のふたつの顔を持つ“モンスター・マイク”の新たな大躍進が始まろうとしている。

BioDapt
https://www.biodaptinc.com/

Monster Mike Schultz
https://www.monstermikeschultz.com/index.htm

[TOP動画引用元:https://youtu.be/UjWx5LlUvnE©BioDapt]

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

PICK UP 注目記事

CATEGORY カテゴリー