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誰でもスーっとラクラク移動!オカムラのオフィスチェア「Weltz-self」発売

HERO X 編集部

オフィスで仕事をしている時、思わず椅子ごとスーッと移動してしまったことはないだろうか。オフィス用品で有名なオカムラが開発したのは座ったままスムーズな移動を実現したオフィスチェアWeltz-self[ウェルツ セルフ]。車いすではないけれど、車いすなみの安定性を備えたオフィスチェアなら、ハンディキャップを持った人もそうでない人も、周りとの違いを感じることなくオフィスワークができそうだ。また、このチェアの進化系として電動駆動付きチェアも発表している。

オカムラが目指したのは、下肢や腰の機能が低下した高齢者や、障がい者も働きやすくするための環境整備。多様なワーカーが企業で共に活躍できる環境づくりのための研究開発を進めている。発売されたWeltz-self[ウェルツ セルフ]は、佐賀大学や神奈川県総合リハビリテーションセンター、日進医療器などとの連携で開発を進めてきた。

Weltz-Self  画像:オカムラホームページより

オフィスチェアは座り心地を重視しており、移動のための乗り物という位置づけはなかったため、椅子のまま移動すると、重心のズレが生じるなど、スムーズな移動は難しかった。オフィスにマッチするデザイン性を損なわずに、移動もできる機能性も持たせるために、試作を繰り返したという。そしてたどり着いたのがこの形状。オフィスチェアにしては大きめの車輪を重心近くに配置することで、旋回半径が小さくすみ、その場旋回に優れた椅子を生み出した。また、座った時の足側の開口部が広いため、足で漕ぎ出した時にもフレームに足があたりにくい。

基本モデルをもとにして生まれたのが電動駆動付きの「Weltz(ウェルツ)-EV」(トップ画像)。電動駆動ユニットを座面の下に搭載、肘あてに設けられたレバーを使って前後左右自由に移動することができる。電動車いすよりもコンパクト、しかもデザインもオフィスチェアに近いため、違和感なくオフィスに溶け込むことができそうだ。これら2つのチェアたちは、誰もが思いのままに、自由に移動できる多機能チェアとの位置づけで販売を開始している。福祉アイテムの枠を超え、全ての人に快適な椅子を目指した取り組みは、今後も加速しそうだ。

(text: HERO X 編集部)

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アップルと補聴器メーカーがタッグを組んだら、“第3の耳”が生まれた

田賀井 リエ

ここ数年の補聴器の進化がめざましい。デザインはぐっとバリエーションが増え、よりおしゃれ度が増したし、機能的にも、よりハイスペックなものが続々と発売されています。中でも、オーダーメイド補聴器の先駆者として知られる米国スターキー・ヒヤリングテクノロジー社とアップルが共同開発した「Halo(TM)(ヘイロー)」は、いままでの補聴器の枠を超えた画期的なスマートワイヤレス補聴器と言っても過言ではありません。

この商品が何よりもすごいのは、補聴器とスマホが連動しているという点。なんと、補聴器で電話を直接受けることができ、会話をすることができるのです。いま日本で主要なワイヤレス補聴器の多くは中継機器とのセットで動いており、中継機器は首からぶら下げたり、ポケットに入れたりしておく必要があります。しかし、ヘイローは、スマホ自体がその役目を果たしているため、中継機器を一切持つ必要はなく、とても便利だし、とても身軽だということがお分かり頂けるでしょうか。

Halo_1

さらに、画期的なのは、TruLinkアプリと呼ばれるスマホアプリを使うことで、スマホがリモコンとなり、補聴器を自分好みにカスタマイズできるという点。意識しないと気付かないかもしれませんが、私たちは、さまざまな音環境の中で生活しています。たとえば、図書館などの静かな場所と、居酒屋などのうるさい場所では、耳が拾う音は異なります。前者では、快適に聞こえた音も、後者では聞こえないといった問題も当然起こってくるのです。そんな時、自分で補聴器の音質を調整することは難しく、単にボリュームを変えたり、購入した店舗で設定したメモリーに切り替えることでしかその場をやり過ごすことができませんでした。それでも満足が行かない場合は、結局、購入先の店舗に足を運ばなければならないのですが、一度調整しても、また環境によって音質を変える必要性が生じる場合もあるわけで、結局、補聴器の利用者を減らすことにつながってしまっていました。そんな難点をクリアしたのが、TruLinkアプリ。このアプリを使えば、TPOに合わせて耳が拾う音を、いとも簡単に自分好みの音質に微調整することができるのです。

加えて、自分好みにカスタマイズした音質設定とともに、ジオタグメモリーで場所を設定しておけば、その場所に着いた時に、スマホが感知し、自動的に音質が切り替わるという機能も装備。つまり、いつもの居酒屋に行けば、前もって自分が設定していた、「騒音の中でもより言葉を聞き取りやすい音質」メモリに切り替わるというわけ。

この他にも、補聴器がスマホの中にある音楽や動画を直接再生する「ワイヤレスヘッドホン」になったり、大事な音源を録音する「ワイヤレスマイク」として利用できたり、そのサイズゆえに、無くしがちな補聴器を、アプリを使って簡単に探し出すこともできるのです。新機能のリリースとともにアプリは随時アップデートされていく予定。また、デバイスも進化し、ヘイローの第二世代となる「Halo2(ヘイロー2)」が誕生した。業界初の会話と音楽の同時パラレル処理を実現するという新機能が追加されたとのことだ。スマホと連動したことにより、無限大に広がる補聴器の可能性。進化を続けるヘイローに今後も注目していきたい。

(text: 田賀井 リエ)

(photo: 栗原 美穂)

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