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平昌パラリンピック直前!金メダリストが語る「WHO I AM」【後編】

岸 由利子 | Yuriko Kishi

WOWOWと国際パラリンピック委員会(IPC)が共同で立ち上げ、2016年から東京2020まで、世界最高峰のパラアスリートに迫るドキュメンタリーシリーズ『WHO I AM』。1月24日、有楽町朝日ホールで開かれた『WHO I AM』フォーラムでは、昨年10月よりスタートしたシーズン2に登場する8人のメダリストの1人、スノーボードクロス王者のエヴァン・ストロング選手と、障がい者スノーボード日本代表・成田緑夢選手のピョンチャンパラリンピック金メダル有力候補のライバル2人が集結。司会に松岡修造さん、ゲストに元フィギュアスケート日本代表・安藤美姫さんを迎え、「これが自分だ!」という輝きの瞬間や3月9日に開会が迫るピョンチャン大会直前の意気込みについて語り合う、とびきりスペシャルなトークセッションが行われた。

Yes to Life」&「目の前の一歩に全力で」

松岡修造さん(以下、松岡):僕はパラリンピックを見ていて、いつも感じることがあるんです。僕はテニスをやっていました。失礼ですけど、何倍、努力してるんだろうって。どんな苦しい思いでやってきたんだろうって。だから、スポーツだけを見てるんじゃないです。メッセージを感じているわけです。それは多分選手側からもあるような気がします。どんなメッセージを伝えようとしています?

エヴァン・ストロング選手(以下、エヴァン):僕にとって大事なことは、前を向いて、自分の人生を決めて生きていくこと、「Yes to Life」です。だから、そうすることを選びました。今日のようなイベントを通して、障がいへの理解を深めてもらえたり、僕たちの努力を認めてくれるパラリンピックの存在にもすごく感謝しています。世の中の人々にも、このような機会を通して、何事も諦めずに、前に進んでいいんだと気づいていただけたらいいなと思います。自分に許可を与えて、自分を信じて突き進んでいって欲しいと思います。

成田緑夢選手(以下、成田):僕がいつも言うのは、「目の前の一歩に全力で」。全力でやれば、それが未来になるということをいつも意識しています。「怪我から、どうやって立ち直ったの?」ってよく聞かれるんですけど、「絶対、復帰する!」とは考えていませんでした。現に、一度辞めていますし。でも、意識したのは、今できるこのトレーニングという目の前の一歩に100%全力を注ぐこと。それをやり続けて、後ろを振り返ったら、今ここにいたっていうだけなので。「目の前の一歩に全力で。それを共に頑張りましょう」というのが、僕の伝えたいメッセージかもしれないですね。

松岡:今、ここを生きるっていうことが、人の心、自分の心を前向きにさせてくれているんだなと感じます。ライバルとして、緑夢選手をどのように見ていますか?

エヴァン:アスリートとして素晴らしいと思います。持って生まれた才能があることも、スノーボードに関して、多くの経験を積んでいることもよく分かります。不思議だなと思うのが、全く違う国に住んで、全く違う環境で育ってきたのに、共感できることが多いこと。これって、すごく良いことですよね。

松岡:すごく良いことだよね!

成田:こういったオフィシャルな場で、エヴァンとトークするのって、初めてなんですよ。自分のライフヒストリーとか伝えたいメッセージとか。エヴァンもそんな風に考えてるんだって、知ることができました。エヴァンもそうだと思いますが、大会の時などは、レースに集中しているので。今日、より一層仲良くなれた気がしますね。

松岡:だからこそ、より本気のライバルに近づいたという気がするんですけれども。

金メダルより大切なものはたくさんある

松岡:もうすぐピョンチャンパラリンピックがやって来ます。その後には、東京2020もやって来ますが、パラリンピックが成功してこそ、東京2020の成功です。応援する側としての僕たちが、色んな意味で準備しておかなくちゃいけないんですよ。何が大事だと思いますか?

エヴァン:何かを準備するというよりも、誇り高き日本の方たちは、ただ純粋に素晴らしいものを作り出すのだと思います。2020年は、いち観客として僕もまた来日したいです。

成田:パラアスリートの場合、必ず過去のストーリーが流れると思うんですよ。僕は、これがパラリンピックの素晴らしさだと思うんですよね。その過去のストーリーを見た上で、パラリンピックの競技を観ること。その工程と大会が素晴らしい。それなしに、競技の速さや高さを見ても、それはオリンピックと一緒です。パラリンピックだからこそ、ストーリーを全部踏まえた上で、その競技を見て、感じるものまたは感じられるものを観ていただければと思います。

エヴァン:僕も共感します。すべてのパラリンピアンには、それぞれのストーリーがあります。それを含めて、トップアスリートとして戦っている姿をしっかりと観て欲しいですし、今回、僕が快く招き入れていただいたように、2020年の東京大会に出場する選手たちも、素晴らしい受け入れ態勢の中で、パフォーマンスすることができるんじゃないかなと思います。

東京2020で皆さんは、サーフィン、スケートボード、スポーツクライミングなど、新しい競技が加わって、オリンピックの世界が変わる瞬間を目にすることになります。今後、パラリンピックでも、もしかしたら2024年にサーフィンが取り入れられることになるかもしれない。さまざまな競技がパラリンピックに加わる可能性を秘めていますし、その第一歩が、おそらく東京大会になるのだと思います。その歴史が刻まれるスタートポイントになるので、単なるオリンピックではなくて、すごく印象的な大会になるのではないかな。

松岡:(ドキュメンタリー中でエヴァン選手が言った)「Gold or better」という言葉、すごく刺さりました。ぜひ生で聞きたいですね。

エヴァン:周りの人たちとの関係をはじめ、自分にとって金メダルより大切なものってたくさんあるから、そればかりにとらわれて盲目にならないように、身の回りにある大切なことを忘れないようにしなければいけないと思います。ただ、金メダルは、やっぱり良いですよね(笑)。

松岡:それは、金メダルを持っているから言えることですよね!緑夢さん、いかがですか?

成田:僕は、メダルを目指すというよりも、メダルを獲ったり、上位で争うと情報共有がたくさんできるじゃないですか?それが嬉しいんですよ。なぜなら、怪我をして、医師からは切断かもしれないと宣告されたことだって、共有できるわけじゃないですか。その情報が他の人の心に入った瞬間、僕は嬉しいんですよ。そこがゴールなんですよ。その人がちょっとでも、今を頑張ろう、明日を頑張ろうって思ってもらえることが喜び。だからこそ、パラリンピック、オリンピックを目指そうなんですよね。

松岡:失礼なこと言っていい?緑夢さん、バーン!って、叩かれて良かったと思うわ。すごい伝わってくるよ。「WHO I AM」って、自分が一体どういう人間なんだっていうのを突きつけられるんですよ。最後に、それぞれの「WHO I AM」を語ってもらいたいと思います。

安藤美姫:このままです(笑)。嘘はけっこう嫌い。あと、ごまかせない。思ったことなんでもバンバン言葉にしてしまう。テレビなどで観ていただくそのままですね。

松岡:もう、ありのままでいいの!(笑)

成田:足を怪我したことによって、障がいを持っている人や怪我をして引退を迫られている人、一般の人に、夢や感動や希望や勇気を与えられるような、そんなアスリートになりたいというのが僕の夢です。その夢を駆け上がろうとしている自分が好きなので。「Be 緑夢」でありたいですね。

エヴァンWOWOWさんが、ドキュメンタリーの中で僕のことをよく説明してくださいましたが、それをすごくシンプルに言うと、ただ単に自分の好きなことを好きな仲間とシェアできることが幸せだから。ただそれが楽しいから。僕の原動力って、それだけなんですよね。大人になっても、中身は少年のままなのかもしれませんね(笑)。

2014年のソチ大会では、アルペンスキーの種目の一つとして開催されたスノーボードクロスが、2018ピョンチャンパラリンピックでは、スノーボードとして冬期大会の正式競技となった。前回王者のエヴァン選手が金メダルを死守し、二連覇となるか。それとも、成田選手がその歴史に新たな名を刻むのか。まもなく繰り広げられる雪上の熱き闘いに、要注目だ。

前編はこちら

WOWOW放送情報>
IPC&WOWOWパラリンピック・ドキュメンタリー
WHO I AM
2/18(日)よる9:00
悲願の金メダルを狙う世界王者:森井大輝

3/1(木)午前7:30
ハワイ在住義足スノーボード王者:エヴァン・ストロング
詳しくは

http://www.wowow.co.jp/sports/whoiam/

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

(photo: 増元幸司)

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一ノ瀬メイ×エリー・コール、トップスイマーが共演する新CMがスタート!

HERO X 編集部

リオ2016パラリンピック水泳競技に日本代表として出場した一ノ瀬メイ選手と、競泳大国オーストラリア代表のエース、エリー・コール選手の2人のスイマーを起用した新CM、One Sky『一ノ瀬メイ×エリー・コール』篇が、2018年4月18日(水)から全国で放映されている。

東京2020 オリンピック・パラリンピック競技大会まであと2年と迫り、様々な取り組みがされているが、東京2020 を迎えた時、果たして私たちに映る景色は描いていた未来そのものであろうか。それは、便利で暮らしやすい街? それとも、生きやすい世の中?──その向かうべき未来についていま、個々人が考えていくべき時期に差し掛かっている。

そもそも、大会の意義や大会を行うことでの社会創生について、考える人は少ないだろう。東京 2020 大会ビジョン基本コンセプトの1つに、“多様性と調和” があげられていることはご存知であろうか。「人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治、障がいの有無など、あらゆる面での違いを肯定し、自然に受け入れ、互いに認め合うことで社会は進歩。東京2020 大会を、世界中の人々が多様性と調和の重要性を改めて認識し、共生社会をはぐくむ契機となるような大会とする。」(東京 2020 組織委員会 HP より引用)

「考えたり意識をしたりする、機会が少ない」もしそのように感じている人が多いとするならば、ここからあと2年、より人々の生活に接点のある企業・自治体の取り組みは注目していきたいところだ。

提供:大和ハウス

今回ご紹介したCMは、大和ハウス工業株式会社が 2020年とその先の未来に向けたコミュニケーションを展開する『One Sky』の取り組みのひとつ。同社は2016 年より、東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会オフィシャルパートナー (施設建設&住宅開発) として大会の成功を応援しているが、さらに2017年より『One Sky』“多様性の時代だからこそ、同じ空の下、一人一人が違いを認め合い、尊重し合えるような「あたらしい景色」を作りたい” とのコンセプトで、様々なコミュニケーションを展開している。

提供:大和ハウス

提供:大和ハウス

本CMでは、一ノ瀬メイ選手とエリー・コール選手の美しい泳ぎ姿が披露されるなか、トップスイマー2人が持つ「障がいに対する社会の意識や偏見を変えていきたい」という強い想いが伝わるストーリーが展開。 最後のナレーションを務めた俳優の松坂桃李さんも、その想いが印象的であったとコメントしている。

企業はこのように、個々人が意識をするための機会をつくり、伝え手となっているが、“誰もが自分の可能性を信じられる世界”  “あたらしい景色 (共生社会)の実現” ──その未来を創るのは私たち自身である。ぜひこのような機会を見つけ、選び出し、東京2020 に描く未来を実現していっていただきたい。

[TOP 動画 引用元]
大和ハウスグループ公式チャンネル
【TVCM】One Sky『一ノ瀬メイ×エリー・コール』篇(60秒)
https://youtu.be/WWB2QwG5H-U

CM概要
タイトル:大和ハウス工業株式会社 One Sky『一ノ瀬メイ×エリー・コール』篇(60 秒・30 秒)
放映開始日:2018年4月18日(水)
放映地域:全国
出演:一ノ瀬メイ、エリー・コール
ナレーション:松坂桃李

一ノ瀬メイ
1997年3月17日、京都府生まれ。先天性右前腕欠損症。1歳半から京都市障害者スポーツセンターで泳ぎ始めた。2010 年、中学2年時にパラ水泳女子日本代表としては史上最年少でアジアパラ競技大会に出場し、50 メートル自由形で銀メダルを獲得。2013 年、高校2年時に出場したアジアユースパラ競技大会で 100 メートル自由形と同平泳ぎで日本新記録を樹立し、優勝。100 メートル背泳ぎと合わせて3冠を達成した。2014 年、高校3年時のアジアパラ競技大会(韓国・仁川)で は銀メダル(200 メートル個人メドレー、100 メートル平泳ぎ)と銅メ ダル(50 メートル自由形、100 メートル背泳ぎ)を獲得。 2015 年近畿大学に進学し、水上競技部に入部。同年の世界選手権では 200 メートル個人メドレーで8位入賞。 2016 年3月の選考会では 200 メートル個人メドレーで日本新を樹立し、リオ 2016 パラリンピック出場を決めた。リオ 2016 パラリンピックでは、8種目に出場し、100 メートル自由形では3年ぶりに自己ベストを更新した。

提供:大和ハウス

Ellie Cole (エリー・コール)
オーストラリア メルボルン出身。3 歳のとき、腫瘍により、右足の膝上を切断。その8週間後に、リハビリのため水泳を始める。16 歳で北京 2008 パラリンピックに出場し、3 個のメダルを獲得。ロンドン 2012 パラリンピックでは、金4 個を含む、 6 個のメダルを獲得。その後、肩の怪我に悩まされるが、2015 年世界選手権で 5 枚のメダルを獲得し、完全復活を遂げる。リオ 2016 パラリン ピックでは、金 2 個を含む、6 個のメダルを獲得。

提供:大和ハウス

(text: HERO X 編集部)

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