スポーツ SPORTS

2大会連続の金メダルなるか!?ハワイ育ちの義足のスノーボーダー エヴァン・ストロング

岸 由利子 | Yuriko Kishi

2014年ソチパラリンピックのスノーボードクロスで、金メダルを獲得した義足スノーボーダーのエヴァン・ストロング。スノーボードが初めてパラリンピックの正式競技となる2018年3月のピョンチャン大会に前回王者として挑む彼に、今、世界中から熱い注目が注がれている。

エヴァン・ストロングが少年時代を過ごしたのは、今も居を構える常夏の国ハワイのマウイ島。スケートボードとサーフィンに熱中し、プロスケートボーダーを目指していたが、18歳の誕生日の10日前、飲酒運転の車にはねられ、やむを得ず、左足を切断することに。しかし、その2日後には理学療法を開始し、アメリカ本土のタホ湖近くのスキーリゾートに移住した2007年より、スノーボーダーとして本格的に活動をスタートさせた。初めてスノーボードを試みた際、「雪はコンクリートよりも柔らかいと感じた」と話している。

以来、ワールドカップで金メダルを10回獲得し、パラスノーボード世界選手権で優勝するなど、次々と快挙を成し遂げていった。パラリンピックの舞台に彼が初めて登場したのは、2010年バンクーバーパラリンピック大会の開会式で、スケートボードのショーを披露した時。当時、スノーボードは、パラリンピックの正式競技ではなかったが、「そうなることを祈っていた」という。

ソチパラリンピックで金メダルを獲得したエヴァン・ストロング(中央)。
引用元:International Paralympic Committee

念願叶って、2014年ソチ大会では、アルペンスキーの種目の一つとして開催されることに。エヴァンは見事に出場を果たし、世界で初めてパラリンピックにおけるスノーボーダーとして金メダルを獲得した。

左足を失った時、家族にこう言った。「僕はこの挑戦と戦い、もう一度スケートをするんだ」と。その情熱は、銀世界を溶かすほどの勢いで、名実ともに世界の頂点に達した。来たる3月のピョンチャン大会は、エヴァンにとって2度目のパラリンピック出場となる。WOWOWのパラリンピック・ドキュメンタリー「WHO I AM」では、「さらなる速さを追求している。前回王者として金メダルを死守するよ」と、二連覇への意気込みを見せていた。

「今なお、“ストロング”でい続けることができる僕は、とても恵まれている」と語るエヴァン・ストロング、一体どこまで強くなるのか。彼から、もう目が離せない。

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

RECOMMEND あなたへのおすすめ

スポーツ SPORTS

青木拓磨がバイクに復活!鈴鹿を華麗に疾走

HERO X 編集部

元ロードレース世界選手権(WGP)ライダーの青木拓磨選手が22年ぶりに鈴鹿サーキットを駆け抜けた。王者の走りは健在。青木選手の華麗なる走行に会場からは歓声が沸き起こった。

2018年から2019FIM世界耐久選手権(EWC)の最終戦となったコカ・コーラ鈴鹿8時間耐久ロードレース第42回大会決勝レース会場に現れ、デモ走行を披露した青木選手はRDS提供の青木モデルの車いすに乗って登場。バイクに乗り換え颯爽と鈴鹿を走り抜けた。

青木選手は1995年、96年と全日本ロードレース選手権スーパーバイククラスでチャンピオンを獲得、1997年からはWGPGP500クラスにフル参戦、ホンダのバイクで表彰台を何度も経験した経歴の持ち主。1998年に本番前のテスト走行中の転倒で脊髄を損傷、下半身付随となりバイクからは遠のいていた。その後、手だけで運転できるようにしたレースカーで四輪レースに参加、2020年にはWEC世界選手権のル・マン24時間レースの特別枠への出場が決まっている。

バイクに乗るのは22年ぶりのこと。『青木拓磨がバイクで走る“Takuma Rides Again”プロジェクト』と名付けられた今回のデモ走行には同じくレーサーの兄・宣篤選手と弟・治親選手が協力した。兄は現在MotoGPマシン開発者として活躍、弟はオートレースとそれぞれの道を歩んでいる3兄弟。同プロジェクトの発端は弟の治親選手が海外のGPでハンディキャップライダーだけで競われるレースを見たこと。もう一度兄の拓磨選手が「バイクで走る姿を見たい」と思ったという。そんな弟の思いを受け、拓磨選手は2019年の春あたりからバイクでの走行に向けてトレーニングを重ねてきた。

当日はシフトチェンジを手元で行えるようにカスタムした青木モデルのホンダCBR1000RR SPで素晴らしい走りを見せてくれた青木拓磨選手。『HERO X』では以前、『HERO X』編集長の対談をきっかけに青木選手の車いす (WF01) を開発、提供し応援してきた。(対談の模様はこちらhttp://hero-x.jp/article/6365/)

次々と挑戦を続ける青木拓磨選手、次はどんな挑戦を見せてくれるのか、今後も目が離せない。

(text: HERO X 編集部)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

PICK UP 注目記事

CATEGORY カテゴリー