福祉 WELFARE

「歩きたい」という想いを高める!歩行能力評価デバイス「AYUMI EYE」

Yuka Shingai

超高齢化社会が加速する中で、大きなカギとなっている高齢者に対する自立支援。今回紹介する『AYUMI EYE』は、歩行能力の評価により、高齢者の体力を測定するとともに、「運動したい」「自由に出かけたい」というモチベーションも高めてくれそうなアイテムだ。

モジュール(加速度センサー)を腰部に装着し、6~10メートル歩くだけで、独自のアルゴリズムにより歩行状態が「推進力」「左右バランス」「歩行リズム」の3点から分析され、合わせて「歩幅」や「歩速」も測定ができる。

画像提供元:AYUMI EYE (運営:株式会社早稲田エルダリーヘルス事業団)

この分析結果は専用のiPad(iPhone)アプリで解析され、点数・マップ形式でスコア表示される。以前の結果と比較することで、機能訓練の成果が目に見える形で分かり、「歩きたい」というモチベーション向上に結びつけられるのが『AYUMI EYE』の大きな特色だ。

画像提供元:AYUMI EYE (運営:株式会社早稲田エルダリーヘルス事業団)

また従来、非常に複雑で時間がかかっていた体力測定が簡略化され、利用者やその家族が分かりやすい形で結果を伝えられるため、負担がかかりがちな介護スタッフの業務改善にもつながっている。

「AYUMI EYE」の開発を手掛けた早稲田エルダリーヘルス事業団が運営するデイサービス事業所「早稲田イーライフ」ほか、大学病院などの医療機関や自治体の地域支援事業など、導入事例も増加中。

これからより一層、介護の現場でテクノロジーの活用が求められることになりそうだ。

[TOP動画引用元: https://youtu.be/T-3G2XZQoO0

(text: Yuka Shingai)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

RECOMMEND あなたへのおすすめ

福祉 WELFARE

モノづくり系ベンチャーが生み出した超軽量車いす

岸 由利子 | Yuriko Kishi

富士山のふもと、自然豊かな静岡県富士宮市に拠点を置く「マクルウ」は、世界初・マグネシウムの冷間引抜加工という特殊技術に特化したモノづくり系ベンチャー企業。

「マグネシウム合金は、実用金属の中で、比重1.78の最軽量です。軽量性に優れていると同時に、比強度も極めて高く、かつ環境にも優しい素材。製品を通じて、ぜひマグネシウムを知って欲しい。私たちには、この想いが強くあります」と語るのは、同社常務取締役の安倍信貴氏です。

杖・盲導犬ハーネスなど福祉用具の開発を中心に、第10回ロハスデザイン大賞2015最終審査候補モノ部門にもノミネートされたわずか1.1kgの子供用チェアMt002など、マグネシウムの特性を生かした製品を次々と生み出していますが、中でも、斬新な発明は、こちらの人工呼吸器使用児向けのサイズ可変型設計車いす。

非常に複雑な形状ながら、すべてマグネシウム合金を採用したフレームは、4.63kgと超軽量。剛性を高めるために、角パイプによるボックス構造を、また、現場でのサイズ変更を容易にするため、ジャッキ式車いす幅調整機構を採用しています。

makulu_2

横浜市総合リハビリテーションセンターと共同開発を進めていた試作機の完成後、さらに改良を重ねた同機を2015年10月、東京ビッグサイトで開催された第42回国際福祉機器展にも出展。

「重度障害児のご家族、重度障害児施設の作業療法士の方などから、“こういう製品を待っていた”、この設計用車いすが生まれた背景は、まさにその通りで、現場のことをよく分かっている”など、ありがたいコメントをいただきました」と安倍氏。現在は、製品化に向け、協働施設と調整中なのだそう。

ところで、先日、ダウン症の娘を持つ男性を取材する機会があった。

「ロンドンオリンピックが成功した最大の理由はパラリンピックの成功です。車いすで買い物に来た選手が、商品を取りやすく、見やすくするために、スーパーマーケットの商品棚を下げたり、選手村では、障がい者の視点から、さまざまな創意工夫がなされました。2020年の東京オリンピックでも、選手村に日本の先端技術を凝縮して、世界に発信できたら、国としても潤いますし、障がいを持つ人も含め、あらゆる人にとって、街全体が優しくなるのではないかと思います」

選手村スマートシティ化実現の一端を担うべく活動している彼が言うように、素晴らしい技術と障がい者の視点を掛けあわせたモノづくりは、社会に大きな影響を与えていくはず。マクルウがその先駆けであることはまちがいありません。マグネシウムが、私たちのライフスタイルを変える日もそう遠くないはずです。安倍氏によると、今回ご紹介した超軽量車いすは、現在、電動化型の開発にも力を入れているのだそう。この9月に開催される「第44回 国際福祉機器展」に出展予定なので、気になる方はぜひ足を運んでみてくださいね。

第44回 国際福祉機器展 H.C.R.2017
主催  全国社会福祉協議会 保健福祉広報協会
会期  2017年09月27日(水)~09月29日(金)
会場  東京ビッグサイト東展示ホール
https://www.hcr.or.jp/exhibitions/visual

マクルウ
http://macrw.com/

(text: 岸 由利子 | Yuriko Kishi)

  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る

PICK UP 注目記事

CATEGORY カテゴリー