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まさに「DRAGON」。東大が開発中のドローンがとんでもない!

中村竜也 -R.G.C

テレビでよく目にする空からの美しい映像や建築現場での計測、そして人間を運ぶ大型なモデルなど、ドローンの普及は我々の生活にも直接的に大きく関わってきている。そのドローンの可能性をさらに広めるべく、東京大学の情報システム工学研究室(以下、JSK)が12個のドローンを繋げ、まるで龍が空中で舞うかのような動きを見せるマルチリンク変形飛行ロボット「DRAGON」を開発した。

立体的な動きで実用性がさらに向上

その使用用途に合った機器を搭載し飛行するのが一般的なドローンだが、今回JSKが開発した“DRAGON”は、数機を連結するという斬新なアイデアで新たな動きを生み出すことに成功。

一体、どのような仕組みでこの生き物のような動きを可能としているかが不思議に思うところ。映像からも分かるように、回路基板やプロセッサー、電池を縦にはしる棒に搭載し、それを2機のダクテッド・ファンで浮かせるといったユニットが基本構造のようだ。そしてそれらを連結させることで、実際に龍のような動きを実現している。その構造のおかげで、機体が縦時にも、ファンは棒を中心にくるくる回り水平を保ち、宙に浮きながらでも立体的に形状を変えられるのだ。

また、開発に関わるZhao氏は、これを人間の腕の延長への応用に考えているという。さらに、現在は3分しかもたない電池を改善し、今後は多足歩行も可能にさせることで、最終形態は、無人のアイアンマンを目指すというから、災害地などで活躍することを可能としたさらなる進化に期待が持てる。

[Top動画引用元:IEEE Spectrum/YouTube
Design, Modeling and Control of Aerial Robot DRAGON
https://www.youtube.com/watch?time_continue=73&v=zMi5v2KznU4

(text: 中村竜也 -R.G.C)

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医療分野での活用で未来が変わる!? シーティングシミュレーター「SS01」国立リハで活用開始

車いすの最適なシーティングポジションを追究する「SS01」(株式会社RDS)。今年に入り、ダウンスペックされた臨床研究用のプロダクトが、国立障害者リハビリテーションセンターでの研究に活用され始めている。車いす陸上アスリート、伊藤智也選手との取り組みから生まれ、fuRo(千葉工業大学・未来ロボット技術研究センター)との共同研究で完成したこのプロダクト。スポーツに活用されていたシミュレーションマシンが医療や福祉の分野に導入されることで何が起きるのだろうか。

アスリート用シミュレーターを医療用に

かねてより、パラアスリートと共に車いすの「最適解」を求めてきた株式会社RDS。編集長・杉原が代表を務める同社では、車いす陸上アスリートのパフォーマンス向上を目的に、シーティングシミュレーター「SS01」を開発した。現在、臨床研究用にダウンスペックされた「SS01」が国立障害者リハビリテーションセンターでの研究に活用され、リハビリにも導入されているという。

記事を読む▶「SS01」が リハビリ現場にもたらした 新たな可能性とは?

実は車いすの最適なシーティングポジションは、今まではっきりと可視化されてこなかった。ユーザーに車いすが合っているかどうかは、理学療法士がユーザーの動作を目で見て評価をしてきた。優れた療法士であれば勘や経験でジャッジできるかもしれないが、どうしても個人の能力に依存してしまうし、また改良する場合もメーカーの力量によって差がついてしまう。さらに、調整の際に、何度も乗ったり降りたりしてフィッティングを繰り返さねばならず、ユーザー側の負担も大きい。

「SS01」ではユーザーが座ることで体重のかかり具合などを解析。本人に合った座面や背もたれ、ステップの位置・角度を割り出すことができる。今まではプロが勘に頼って判断していたものを、きちんとしたデータとして把握しようとする試みだ。

機能性の高さ&世界に通用する優れたデザイン

もともとはアスリートのパフォーマンス向上をめざして開発された「SS01」だが、「最適なシーティングポジションの追究」は、どの車いすユーザーにも重要な課題。国立障害者リハビリテーションセンターでは半年ほど前からリハビリ現場で活用、研究を進めている。アスリートが感覚値で「ここを調整したい」と訴えたものをデータ化してきた強みは、医療・福祉分野にも大きく活きてくる。

RDSでは、今までもデザイン性に優れたカーボン松葉づえや、スタイリッシュなモビリティ「WF01」などの開発を進めてきた。「WF01」も「SS01」も国際的なデザインコンペティション「A’ Design Award & Competition 2020」で入賞を果たし、国内でも「SS01」が2020年度グッドデザイン賞に輝くなど、デザイン面で高く評価されている。

まだ研究途中のため、車いす設定の「最適解」にまではたどりついていないという「SS01」だが、いずれはどこでも誰でも「最適解」の車いすを調整できることが最終ミッション。スタイリッシュで、しかも自分の身体に合った車いすがどこでも入手できるようになる。そんな未来を描ければ、日本人の老いや病に対する考えも、大きく転換していくだろう。

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