スポーツ SPORTS

車いすバスケ、世界最高峰の選手たちのプレーを間近で見るチャンスがやってきた!

田崎 美穂子

2018年6月8日 (金) から3日間、一般社団法人日本車いすバスケットボール連盟
と公益財団法人日本障がい者スポーツ協会が主催する「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2018」が開催される。三菱電機は、50年以上前からバスケットボールの企業チームを運営しており、今大会をスペシャルパートナーとして協賛する。

車いすバスケットボールは、パラリンピックが始まった1960年ローマ大会から続く競技種目である。その人気は、パラスポーツの中でも群を抜き、欧州にはプロリーグもあり、日本人選手も活躍している。コートの広さやボールの大きさ、ゴールの高さなど、健常者のバスケットボールと基本的に同じルールで行われるが、最も異なるのは、「選手たちが車いすを使う」こと。その試合会場には、車いす同士がぶつかり合う音が響き、タイヤの摩擦でゴムの焦げる匂いさえする想像以上に激しく、スピード感あふれる試合は、見る人を興奮と感動の渦に巻き込む競技なのだ。

(C) JWBF/STUDIO AUPA

今大会の会場は、東京2020パラリンピック競技場でもある「武蔵野の森総合スポーツプラザ」。東京2020パラリンピック競技大会に向けたリハーサルとしても、重要な意味を持つ大会となる。

車いすバスケットボール男子日本代表チームの強化のほか、国際レベルの審判員、スコアや時間の管理をするテーブルオフィシャル、競技ボランティアの育成など、東京2020の成功およびムーブメントの拡大など、幅広い開催目的のもと、行われる。

(C) JWBF/STUDIO AUPA

また、昨年の同大会優勝国であるオーストラリア、世界No.1と称される選手を擁するカナダ、成長著しいドイツ、そしてスピードとクイックネスで世界に挑む日本の4ヵ国チームが出場。さらに、車いすバスケットボール女子日本代表国際強化試合(対オーストラリア戦)も同時開催される予定だ。

(C) JWBF/STUDIO AUPA

車いすバスケットボールの試合のほかにも、大会に出場する海外チームが周辺自治体で体験交流会を行うなど、地域住民に対するパラリンピックの興味関心の向上や、地域の活性化を目指すイベントも予定されており、車いすバスケットボールの世界トップ選手たちによる迫力あるプレーを間近で体感しながら、パラスポーツの魅力を知る絶好の機会になるであろう。

開催スケジュールやチケット購入はこちらから
https://wcc.jwbf.gr.jp/2018/index.html#about

(text: 田崎 美穂子)

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安床ブラザーズの父が語る、世界的プレーヤーを育てるための2つの環境【エクストリームスポーツ文化の作り方】

朝倉 奈緒

東京2020で新たに正式種目となったスケートボード(フリースタイル パーク&ストリート)、BMX(フリースタイル パーク)。これにより、日本におけるエクストリームスポーツの社会的な認知度やプレイヤーの意識が大きく変わると関係者は期待を膨らませます。そこでインラインスケート種目において、「X GAMES」はじめ世界大会で輝かしい成績をあげる奇跡の兄弟“安床ブラザーズ”を育て、自身も日本のローラー/ インラインスケートの第一人者である安床由紀夫さんに、日本のエクストリームスポーツの未来についてお聞きしました。

由紀夫さんは現在、兵庫県神戸市所在の「“g“skates」 というスケートパークの運営をメインに行うグッドスケート株式会社の代表取締役社長であり、東京へは月に一度、ローラーディスコの練習会に来ています。大好きなローラースケートを仕事にし、息子さん二人を世界トップレベルのインラインスケーターとして育て上げ、ご自身もローラーディスコの活動を続けている….夢のような人生を歩まれている由紀夫さんですが、もちろんその功績は、今までの努力や行動力があってこそです。

由紀夫さんがローラースケートを選んだのは、「プロとしてやっていくのに、チーム制の競技では、いくら自分が頑張っても周りの意識が低ければレベルアップできない。ひとりでもプロとしてやっていけるものはないか」と模索した結果。

当時大阪府豊中市にオープンしたスケートリンク「アメリカンローラー81」で滑っていたところ、オーナーにスカウトされて契約し、プロのスケーターとして所属します。その後日本で公開されたローラースケート映画に影響を受け、アメリカ・ベニスビーチを目指して単身で渡米。現地で「一番スケートが上手い」と見定めたウィンフレッドという黒人男性のそばで、見様見真似でローラーディスコの練習をはじめます。

そこから約10年間、日本とアメリカを行き来しながら独学でローラーディスコを学び、日本で展開。由紀夫さんがまず、日本でローラーディスコを普及するために試みたのは、ミュージカルです。役者がローラースケートを履いて演じる「スターライトエクスプレス」からヒントを得てオリジナルのミュージカルを制作し、ローラーディスコを地元、大阪の舞台に登場させました。さらに、より立体的な演出にしたいと思い、手作りでハーフパイプを作成。そこを当時幼かった息子の栄人さんと武士さんにも練習で滑らせます。

その手製のハーフパイプを東京・表参道の路上に持ち込んでパフォーマンスを繰り広げる時期もありました。13時からの歩行者天国(1990年代当時)になるタイミングを狙い、月一で大阪から東京までローラースケートのショーをするために通っていたそうです。約1年半、活動を続けているうちに続々と日本に参入したインラインスケートメーカーが、彼らのショーに目をつけ、「うちのインラインスケートを履いてくれないか」とオファー。そうして由紀夫さんたちが日本にやってきたばかりのインラインスケートの広告塔となり、ブームの火付け役となったのです。

由紀夫さんはご存知の通り、アクションスポーツ最大の競技大会「X GAMES」インラインスケート種目にて、長男栄人さん・次男武士さんを通年優勝させるという、スケートの指導者としても輝かしい実績の持ち主。父親目線で「長男は努力型。次男は天才型」だと話す、今やアクションスポーツ界で圧倒的な存在となっている“安床ブラザーズ“を、一体どのように育てられたのでしょうか。由紀夫さんは、世界に通用するプレイヤーを育てるには、2つの“環境“が重要だといいます。ひとつは「練習する環境」もうひとつは、「発表する環境」です。「発表する場をどこに設定するか」それが、安床ファミリーは世界だったのです。

由紀夫さんは「ローラースポーツ」という括りでは同競技であるスケートボードや、BMXのフリースタイルが東京2020の追加種目として採用されたことについて、「BMXとスケートボードのパーク種目では、同じコースを使う。“ボウル“と呼ばれるセクションでは、3〜4mの深さのある“ヴァートランプ“(ハーフパイプ)が設けられますが、普段この高さで練習している選手はあまりいないでしょう。東京2020まであと3年ですから、今までこの規模のヴァートで練習してきた選手が力を発揮するはず」とプロの視点で推測します。

「何もないところから何かを作り出すのは大変」と笑う由紀夫さんの表情は、とてもお孫さんがいるとは思えない若々しさ。由紀夫さんの「これだ!」と決めたことに進み続ける姿勢は「指導」するまでもなく、自然と次世代に伝わっているのでしょう。エクストリームスポーツのようにエンターテイメント性の高い競技にとって、いかにオリジナルのスタイルを魅せるかがポイントになります。安床ブラザーズのパフォーマンス力は、由紀夫さんが用意した2つの“環境”がベースにあってこそ、引き出された彼らの最大の個性に他ならないのです。

エクストリームスポーツにとって、東京2020は大きな変革期となり、オフィシャルスポーツとして表舞台に立つという意味ではスタートラインなのかもしれません。由紀夫さんがローラースケートのプロ活動を始めたのは約40年前。そのとき由紀夫さんから広まった波がいま、こんなにも大きくなっています。新しい世代が新しい解釈で、ボーダレスなエクストリーム文化をアップデートする最高潮まで、あと少しです。

(text: 朝倉 奈緒)

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