医療 MEDICAL

乳がん早期発見の救世主!?痛くない、マイクロ波マンモグラフィが登場

HERO X 編集部

わが国の女性の罹患率第1位である乳がん。しかしながら、乳がん検診を行っている比率は欧米諸国に比較しかなり低い。なかなか検診に足がのびない理由のひとつに、乳がん検診に対する「痛いのでは?」といった不安が挙げられるだろう。

そんななか、神戸大学の木村健次郎教授のチームが開発した「マイクロ波マンモグラフィ」が注目を浴びている。世界初という、この乳がん画像診断システムは、微弱な電波を放つ発信機を使い、乳房表面をなぞるようにスキャンするだけで乳房を3次元画像で映し出すというもの。

部位によって筋膜等を挟み込んでしまうことにより「痛い」と感じる方もいるマンモグラフィ検診のような不快感もなく、使用する電波は携帯電話の1000分の1以下とのことで、被ばくの心配もないのだという。

また、マンモグラフィ検診ではX線を使用するが、乳腺と靱帯が多く密集している高濃度乳房の場合、がんを見つけることが難しいとされており、そういった事実からも検診から足が遠のいてしまった方も多くいたであろう。しかし、木村教授の「マイクロ波マンモグラフィ」でのマイクロ波は、わずか数秒でがん組織を立体画像で映し出すことができる。

「見落とされやすい」「痛い」などの不安があり進んでいなかった乳がん検診も、臨床応用の活躍が期待される「マイクロ波マンモグラフィ」で、活路が見いだせるかもしれない。

(text: HERO X 編集部)

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医療 MEDICAL

レーザーで体温や血圧を測定!イスラエル発医療ベンチャーが開発する近未来の体内モニタリング技術

平山 麻衣子

イスラエルのテルアビブに拠点を置く「ContinUse Biometrics」社が、画期的な体内モニタリング技術を開発中だ。特殊なカメラとレーザーを使うことで、服を着たまま、体温や血圧、心拍数や呼吸状態など、あらゆるバイタルサインを測定可能だという。

近年、欧米や日本企業がイスラエルに注目していることをご存知だろうか。イスラエルの人口はおよそ850万人。神奈川県よりも人口の少ない国でありながら、毎年800社から1000社が新たに起業する、スタートアップ大国だ。特に、生命科学やナノテクノロジー、医療分野の革新は目覚ましい。

ContinUse Biometrics」社が研究しているのは、呼吸や心臓の鼓動、血流など体内で起こるわずかな振動を、特殊なレーザーとカメラで解析し、様々なバイタルサインをモニタリングするという技術だ。体温や心拍数、血圧、呼吸状態に加え、血中アルコール濃度やグルコースレベルまで測定可能だという。体温計や血圧計、血液検査などの多くの検査が、カメラでモニタリングされつつ、たった数秒間レーザーを照射されるだけで完了するといった現在の方法だけでなく、さらには、スマホやタブレットを用いた検査の実装に向け、研究も進められているという。

また、研究者のひとりであるZalevsky氏はこの技術の将来性について、在宅で医療を受ける人々のための遠隔医療システムの一部として活用することや、自動車と連動させ、運転手の異変を察知し、車を停止させるといった利用について言及している。

まだ研究段階である技術だが、もし実用化されれば私たちの暮らしになくてはならないツールになりそうだ。

参考:https://www.cu-bx.com

[TOP動画引用元:ContinUse Biometrics | Health Sensing Made Simple https://www.youtube.com/watch?v=4VvNCS1WrcY

(text: 平山 麻衣子)

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