テクノロジー TECHNOLOGY

健康管理は「歩き方」で見る時代へ。子どもの歩行も診断・マイクロストーンの「歩行健診」

HERO X 編集部

「歩き方」が健康に関係するということは、以前からいわれていた。そこまで大げさな話ではなくても、健康のためにジョギングやウォーキングを始めたけれど、なぜか膝や腰が痛い、といった経験をしている人は少なくない。しかしその結果、運動がおっくうになってしまったら、かえって逆効果だ。マイクロストーンの「歩行健診」では、センサーをつけて歩行をすることで、歩行の問題を検出することができる。センシング技術の発展で、ついに歩き方を客観的に見ることができるようになったのだ。

身体にとりつけた2つのセンサーで
歩行をスピード診断

長野県に拠点をもつマイクロストーン株式会社の「歩行健診」は、同社の「体幹2点歩行動揺計 “THE WALKING”」という機器を使い、歩き方が気になる人の歩行診断をするサービスだ。病院に行くほどではないけれど、ウォーキングをすると身体のどこかが痛くなる、長距離などの運動に取り組んでいるけれど足の使い方が気になっている…などの悩みを持つ人が、気軽に申し込める。また、子どもの歩き方がおかしい、気になるといった、保護者たちの悩みにも応えている。

健診方法は簡単だ。小型センサーを専用ベルトで背中と腰に着け、いつものように歩いてみる。10m以上、直線歩行すればOK。計測が完了するとパソコンで解析が始まり、わずか2分で自分の歩行の解析結果が見られる。正しい歩き方に比べ、自分の歩き方のどこにクセがあるかも、データではっきりと明示される。定期計測を希望する人には、エクササイズなどのアドバイスもセットで実施している。

同社では「THE WALKING」をリハビリ、人間ドックなどへ活用することも勧めている。歩行のクセや歩き方はなかなか自分でも自覚ができないものだが、センシング技術の発展で、歩くだけでデータが採取できるようになった。今まで原因が不明だった足や腰の不調も、歩き方を変えることで改善されていくかもしれない。理学療法士などが活用すれば、リハビリや装具の検証なども行える。

人生100年時代といわれる今、長く健康でいるためには、「歩く」ことを避けてはいられない。歩行が衰えれば、心身ともにあっという間に衰弱していくからだ。歳をとっても元気に歩き続けるためには、痛みや歪みのない歩き方を知っておくことも大切。歩行のセンシング技術は、国民全体の未病対策にもつながりそうだ。

(text: HERO X 編集部)

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盛り付けが得意な人型ロボット「Foodly」で、人とロボットの協働は次のステージへ!

HERO X 編集部

ある弁当工場の作業風景。ベルトコンベアから流れてくるおかずを、スタッフたちが手際良く盛り付けしていく。その様子をよく見ると、なんとスタッフの中にはロボットが…!? 株式会社アールティがプロトタイプを発表した「Foodly」は、弁当の盛り付け作業ができる人型ロボット。その最大の特徴は、人の隣で、人と同じように作業ができること。一生懸命おかずを盛り付ける姿は、最新技術が搭載されながらも、どこか親しみを感じる佇まいだ。

人とロボットが同じ空間で作業をする際、まずクリアにしておかなければならないのは、安全面の問題だ。ロボットとの接触によるケガなどは、起きないことが当たり前と言えるレベルで気を配る必要があるだろう。
また、ロボット特有の圧迫感の軽減も課題のひとつ。人とロボットが肩を並べて作業するのだから、共に働く人が圧迫感を感じることなく、ストレスフリーで作業ができることは、安全面に次ぐ重要な課題と言えそうだ。

「Foodly」は、「人との協働」を目的に開発された人型ロボット。注目したいのは、そのサイズ感。高さは130〜150センチで、人と作業をする際も周囲に圧迫感を与えないように設計されている。
また、「Foodly」の作業速度は、1時間に約600食。これは人とほぼ同じ速さだ。働く人に恐怖や危険を与えないよう、あえて人の作業速度に合わせて設定したという。このほか、ぶつかった際の衝撃緩和のために各モーター部にハイブリッド制御が導入されていたり、腕部の可動域に人の手や指が挟まりづらいつくりになっているなど、共に働く人のことを考えた工夫が随所にみられる。コンパクトなサイズ感やロボットらしい動きも相まって、どこか親しみやすさを感じる佇まいの「Foodly」。スタッフ用の作業着を装着させれば、健気に働く姿に思わずホッコリしてしまいそうだ。その一方で、実は食品業界では初となる画期的な最新技術が搭載されている。

一般的に、弁当の盛り付け作業は自動化が難しいと言われている。弁当のおかずは、一つひとつの形状がバラバラであり、ロボットが認識しづらいためだ。これに対し「Foodly」は、ディープラーニング(深層学習)により食材を見分ける「目」を搭載。食品コンテナに山積みとなった食材が小さな個体の集合体であることを認識し、食材の山からその1つを取り出して弁当へ盛り付けることができる。お弁当の定番・から揚げなどの盛り付けも、お手のものだ。
さらに、キャスター付きで移動も楽々。必要に応じて別の製造レーンに移動させることができるほか、欠員が出た場合の急な補充要員としても、臨機応変に対応することができる。なお、柔らかいものやソースが多いものを掴むのは、まだ苦手。掴める食材のレパートリーをさらに増やせるよう、改良が進められている。

「人とロボットの協働」で大切なのは、高速かつ万能な処理能力ではなく、人と歩調を合わせること。「Foodly」が、人とロボットが当たり前のように肩を並べて働く社会を、より身近なものにしてくれそうだ。

 [TOP動画引用元:https://youtu.be/KiT_DrDjdDE ]

(text: HERO X 編集部)

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