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コロナウイルス影響化で進むバリアフリー。注目のプロダクト2選

Yuka Shingai

もはや生活の一部分になった感のあるマスク。素材や機能性を追求し、常時つけられるものが増えているが、先日、HERO Xでも紹介した口元が隠れないマスクが新たなスタンダードのひとつとなりつつあることをご存知だろうか。コロナウイルス対策としてある夫婦が始めたひとつの取り組みが、ノーマライゼーションを後押しするように、世界をゆっくりと動かし始めている。

聴覚障がいのある仕立て屋夫婦が
「口の動きが分かる」マスクを縫製中

欧州や米国に比べ、大きく報道されるケースが少ないものの、感染者数が急増している東南アジア諸国。なかでもインドネシアは感染者数が約15000人、死者数が1000人を上回っている。
スラウェジ島のマカッサル在住のBadaruddin夫妻は元々、仕立て屋としてクッションやシーツ、カーテンなどを製作していたが、ロックダウン以降、貧しい人向けにマスクの縫製に取り掛かり始めた。聴覚障がいを抱える2人が作っているのは自身と同じように耳が聴こえない人々、補聴器を使用している人も使える、口元がシースルー状になったもの。1日あたり約2ダースのマスクを生産し、1個10000~15000インドネシアルピー(約72~108円)で販売している。

「ある日、マスクをつけた人に話しかけられたのですが、私たち夫婦には聴覚障がいがあり、唇の動きを読まないと何を話しているのか分からないのです。だから私は自分自身のためのマスクを作ろうと思いました。耳が聴こえる人もそうでない人も着用できるマスクですから、人が話していることも理解できるし、耳が聴こえない人もコミュニケーションの機会を損なうことがありません」と妻のFaizah さんは語っている。

聴こえない不自由を知る当事者だからこそのアイデアとも言える透明マスクは、手話通訳者が着用していることで、昨今TVニュースや動画サイトでも目にすることが増えた。障がいによるコミュニケーションの齟齬を解消するデバイスやプロダクトの台頭が、バリアフリーに対する私たちの意識と理解を少しずつ変えてくれることは間違いないだろう。

次に紹介する「Dot Watch」も、障がいによるコミュニケーションの困りを解決するプロダクトのひとつだ。視覚障がいを抱える人の情報アクセスを、より簡単にしてくれるものである。

着信もテキストも点字でお知らせ!
新世代スマートウォッチDot Watch

韓国のスタートアップDotによる「Dot Watch」は、世界初の試みとなる情報を点字で表示してくれるスマートウォッチ。スマートフォンとBluetoothで接続し、着信やアラーム、スケジュールやメッセージなどの情報を文字盤に浮かび上がる点字から確認することができる。1回につき4文字表示され、クリアするタイミングは自分で調整が可能。

また、点字学習プログラムが内蔵されているため、デバイスの利用開始時には点字が完璧に理解できていなくても問題ないというのが嬉しいポイント。目が見える、見えないに関わらず、点字ってなんだか難しそう…と抱いていた先入観が払しょくできるかもしれない。
デバイスはわずか60グラムと非常に軽量で、防水&防塵加工も施されており、充電も1週間に1度でOK。アプリは9言語に対応、自動アップデートされるなど手に取るハードルがとことん低く設定されているところも非常に魅力的なアイテムだ。

障がいの有無やバックグラウンドに関わらず、誰もが意思疎通を阻害されないゴールを目指して、このようなプロダクトがどんどん生まれることに期待したい。

(text: Yuka Shingai)

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腕にまくだけの熱中症対策!脱水を知らせるウェアラブルデバイス「LVL」

HERO X 編集部

春が終ると同時にあの季節がやってくる。温暖化の影響からか、ここ数年は観測史上最高気温を毎年のように塗り替えている日本。熱中症対策は欠かせないものとなってきた。なかでも気掛かりなのは脱水対策。人間の体はその多くが水分でできているため、水分不足は命さえも奪う危険な状態を生み出す。しかし脱水になっているかを自分で判断するのはなかなか難しい。そんな水分不足を教えてくれる世界初のウェアラブルデバイスが出てきた。

最近は時計型のウェアラブル計測機器をよく見かけるようになってきた。今回編集部が紹介する「LVL」はアメリカの会社が開発した腕時計型のデバイスで、睡眠時間や運動量を計測できるだけでなく、体の水分量を計測してくれる世界初のアイテム。一度の充電で4日間程度は動くため、毎日身に着けることができそうだ。赤外線に近い赤色の光で体内を計測し、体の深部の情報を手にすることができるという。

人間の体は、小児で約70%、成人では約60%、高齢者は50%を体液が占めている。その働きは様々で、酸素と栄養を体全体にいきわたらせる働きと、尿や汗として老廃物を体外に出す働き、発汗で体温を保つための働きなどが主な役割とされている。脱水症がおこると、これらの働きが悪くなるため、体に不調を来すのだ。

脱水症を疑うには、急激な体重減少や体温の上昇などが挙げられてきた。手の甲の皮膚を引っ張り、離した時の戻りが悪ければ脱水の疑いだという自己診断の情報も見受けられるが、いずれも判断は難しい。「LVL」は手首につけるだけで簡単に水分不足をチェックできる画期的なアイテムで、水分量が低下した時にはアラートで知らせてくれる機能も搭載。運動中の水分不足もリアルタイムで知らせてくれる。適度な運動と睡眠、水分補給は人間の気分にも影響すると考えた開発チームは、測定項目に「MOOD」までをも入れてくれた。

猛暑が続く日本での発売が待ち遠しいアイテムだ。

[TOP動画引用元:https://youtu.be/5bbkiw4r79o

(text: HERO X 編集部)

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